恋するフェルメール: 36作品への旅

著者 :
  • 白水社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560031650

感想・レビュー・書評

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  • 有吉玉青 「 恋するフェルメール 」

    フェルメール 36作品 鑑賞エッセイ。著者(有吉佐和子の子)の人生の節目で、フェルメールを見て感じたことを 素直に 文章にしている。フェルメールと言えば 室内の柔らかな光の中で たたずむ女性、きらめく光の粒子とのこと。

    たしかに フェルメールの絵は 綺麗だと思う。この本の絵が 白黒なので、光や細密さはわからないが、著者のイチオシである 「 天秤を持つ女 」「牛乳を注ぐ女」「 窓辺で手紙を読む女 」 は 画集でも いいので 見てみたい。


    有名な「真珠の耳飾りの少女」を 「この絵は まなざしが全て」とは わかりやすい。


    著者の美術館鑑賞方法に感心した(行ったことないので)
    知識は 必ずしも 鑑賞を豊かにするものではない。作品と生涯を結びつけた作品理解は無用。「未来や現在、過去を結んで、一つの線に強引につなげてしまうことは 正しい作業ではない」


    窓辺で水差しを持つ女(ニューヨーク メトロポリタン美術館)
    *その作品に癒される
    *日常のひとコマを描いているに関わらず〜崇高ささえ漂う
    *光となって、きらきら輝いている

    眠る女(ニューヨーク メトロポリタン美術館)
    *空間的に破綻している面白さ〜女が眠る景色は上から視点、奥の部屋は低い視点から描かれている

    少女(ニューヨーク メトロポリタン美術館)
    信仰の萬意(ニューヨーク メトロポリタン美術館)
    *フェルメールの真骨頂は 日常の一瞬なのに それがない〜同じ画家でも傑作と駄作がある。すべてを愛さなくてもいい

    牛乳を注ぐ女(アムステルダム)→著者のベストフェルメール
    *ガツン。この言葉でしか、そのときの衝撃を表現できない
    *硬く焼き締められた陶器のように、私の前で ひたすら存在感を主張する〜人物の存在感でなく 絵自体の強い存在感
    *存在感とは これしかない、これ以外ない という主張

    レースを編む女、天文学者(パリ)
    *レースを編む女は こんなに小さかったっけ? 見事な細部のため
    *天文学者は フェルメールと言えば 女性の日常なので違和感〜布地の輝きはフェルメール

    ダイアナとニンフたち、聖女プラクセデス、マリアとマルタの家のキリスト、二人の紳士と女
    *これフェルメール? フェルメールと言えば 室内の柔らかな光の中で たたずむ女性、きらめく光の粒子
    *人は変わる。ときに 突然

    手紙を読む青衣の女
    *フェルメールの絵は 細部でできている〜意味まで行かない細部

    フルートを持つ女、赤い帽子の女
    *日常の何ともない光景だけれど 静けさと俗にまみれぬ清らかさ、崇高さがある



    手紙を書く女と召使い
    *物語性がある

    名言
    *ニューヨークで学んだことは 「わからなければ聞く」わからないことは恥ずかしいことではない
    *夢ばかり見ていたけど 人生は地味なもので、一日一日やっていくしかない


  • フェルメールの絵画を観に行く旅のエッセイ
    有吉さんは女性だからエッセイが読みやすくて面白いし、国のことも知れる+しっかりフェルメールの絵画解説もちょっぴりあって見てて楽しい

  • 世界に30数点しかないフェルメール作品を制覇するため16年に渡って旅をした著者の旅日記と絵の感想と言うのが読み始めから読了までの一貫した印象。
    絵画に対する著者の考えには、特に共感出来る部分はなかった。強いて共感した部分をあげるとすれば、最近フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』の修復が完了しフェルメールの死後何者かによって塗りつぶされた画中画のキューピッドの絵が現れた、と言うニュースがあったが、著者がこの絵を目にした時にはまだフェルメール自身が塗りつぶしたとされていて、X線調査などせずそっとしておいてあげて欲しい、と思ったと言うところでしょうか。
    どちらにしてもこの修復後の絵が来年早々にも来日するようであり、それが今から何よりの楽しみです。

  • 2015.10

  • ★2008年2月11日 8冊目読了『恋するフェルメール』

  • なんて素敵な旅!私は何枚みたか?

  • 著者は有吉佐和子の娘でエッセイスト。フェルメール作といわれている作品は現在、世界に37点。神話が神話をよび、伝説が伝説をつくる。フェルメール・フリークたちは、全点制覇を夢見て世界の所蔵美術館に出かけて行く。

  • 2013/05/26

  • 中盤までは、著者と自分の考え方の違いが少し気になった。
    でも、ページをめくるにつれ、フェルメールの絵だけではなく、様々な地域の描写が出て来て、実際に行って見たくなった。
    NYに行く計画をたてているので、必ずフリックコレクションは訪ねようと思う。

  • 所在:展示架
    資料ID:10801503
    請求記号:723.359||A78

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著者プロフィール

作家。1963年生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。ニューヨーク大学大学院演劇学科終了。母・佐和子との日々を綴った『身がわり』で坪田譲治文学賞受賞。著書に小説『ねむい幸福』『キャベツの新生活』『車掌さんの恋』『月とシャンパン』『風の牧場』『ぼくたちはきっとすごい大人になる』『渋谷の神様』『カムフラージュ』、エッセイに『ニューヨーク空間』『雛を包む』『世界は単純なものに違いない』『恋するフェルメール』『三度目のフェルメール』など。

「2014年 『南下せよと彼女は言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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