トランス

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 153
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560033753

感想・レビュー・書評

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  • 三人の入れ替わりがうまく出せたらおもしろいか?

  • 再読。これはほんとに何回も読んでいる。大好き。表紙の感じもすごく素敵。高校の演劇部を思い出す。あの脚本、演出の子は今何をしていることか。主演女優・大江ちゃんは。筒井康隆もそうだけど、これも私が心理学を選んだのに影響を与えている気がする。この最後のセリフはとてもしびれる。全部残しておきたいくらいだけど、一節だけ。

    私の愛する人は精神を病んでいます。
    ですが、私は、とても幸福です。

  • 屋上の場面での後藤のセリフに刺されました。
    見方が切り替わることで、今見えている現実の捉え方が一変していくことの面白さと不気味さを感じます。
    舞台でみたい。

  • 面白かった。今までまだ三冊しか戯曲を読んだことがないけれど、確実にこれが一番面白い。もしかしたら、日本の作品だからかもだけど。読みやすい。

    最後辺り、また妄想?また妄想!?ってなって、またこのシーン?ってちょっとわからなくなったけど…でも妄想することあるよね。こうだったらなーとか。

    次はどんな戯曲読もうか。

  • 1993年に書かれたこの戯曲は、全国各地で1000以上の団体に上演されてきた、小劇場の戯曲では一番再演されている作品なのかもしれません。

    登場人物は三人。

    立原雅人(たちはらまさと)と呼ばれる人物。
    紅谷礼子(べにたにれいこ)と呼ばれる人物。
    後藤参三(ごとうさんぞう)と呼ばれる人物。

    彼らは高校の同級生でした。
    けれど、彼らの居場所はどこにもなかった。

    「高校時代、クラスに本当の意味で友達なんかいませんでした
     それが当然だと思っていました。そうやってぼくの十代は終わるんだろうと思っていました」
     
    「ただ、相槌を打ち、笑いあい、会話に聞こえる独り言を繰り返していれば毎日は過ぎていきました。それはそれで空しく、楽しい日々でした。」

    けれど、あることで彼らは屋上で出会うことになります。
    クラスも違うし、面識もなかった彼ら。

    「同じことを考えていた人間がいたんだ」

    それが彼らの始まりでした。

    彼らは友人となり、いつも一緒にいる間柄になりました。
    でも、始まりというものは、終わりというものを内包しているものです。
    彼らは、あることがきっかけで離別します。
    高校を卒業してから、もう出会うこともなかった彼らの再会は、精神科医となった礼子の診察室に統合失調症の患者となった雅人が偶然訪れるところから始まるのです。

    私たちは、何らかの妄想を抱いて生きているのかもしれません。
    その妄想は、もしかしたらこの生きている世界が明日も続いていく、ということであったり、愛する人がまた明日も微笑みかけてくれるということかもしれない。

    だけど、私たちはその妄想を信じるという行為を排除して生きていくことはできない。
    何らかの「拠り所」みたいなものが私たちには必要だ。

    それが誰か必要とする大切な人を、思うことであれば、
    それが私自身の妄想であったとしても、いいんじゃないかと思うのです。
    大切に思いたい人がいれば、それが自分自身の妄想みたいなところから生じてきた思いであったとしても、それは真実に限りなく近いものであると思うのです。

    あと、一番自分が好きなのは、この作品のあとがきにある次の文章です。

    「一人でうつうつとしても、何もかわりません。自己嫌悪というものは、実は、自分にとって、一番優しいのです。他人だけが、私に痛い言葉を吐くのです。」

    (紹介していいか微妙ですが)ニコニコ動画で初演の動画もアップされています。

  • 旦那が面白いといってた本。休みに入ってようやく読む。
    演劇の台本なんだけど、舞台を観ているようで面白かった。

  • 昔上演されたものをビデオで観た。ものすごい衝撃を受けた。今でもその映像が目に浮かぶ。
    どうしても台本が読みたくなって購入。読みながら小須田さんや松重さんの芝居が目に浮かんだ。
    セリフを音読してみるとさらに心に沁みてくる。
    今回は終盤の参三のセリフ「私には書くべきものがなかったのです」というあたりが胸に刺さった。その時その時で胸に刺さる言葉がある。
    ビデオを観たときは礼子先生のセリフ(お母さんをめぐる状況あたり)が痛かった。
    ラストで何が真実なのかわからなくなるあたりはめまいがする。現実が信じられなくなる瞬間である。

  • 過去に読んだ本。

    大学の時、学校の演劇サークルの劇をみたので、本の形でも読みたいと思って手に取ってみた。

  • これぞ人生最良の戯曲との出会い。

  • 高校一年生の夏に舞台で出会いその時の私にはとても衝撃的な本でハードカバー一冊分を顧問の先生にコピーしてもらい 何度も読んだ。

    登場人物がカウンセラー・患者・オカマのという異色の同級生三人が三角関係で…

    そしてそれが実は三人とも○○○○○○で
    ○○で
    ○○○。

    何が現実で何が妄想なのかわからなくなるけども
    読んだ後に少し前が向ける作品。


    愛してもいいし 愛されてもいいのだ、と泣きたくなる。

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著者プロフィール

鴻上尚史(こうかみ しょうじ)
1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。作家・演出家・映画監督。大学在学中の1981年、劇団「第三舞台」を旗揚げする。87年『朝日のような夕日をつれて87』で紀伊國屋演劇賞団体賞、’94年『スナフキンの手紙』で岸田國士戯曲賞を受賞。2008年に旗揚げした「虚構の劇団」の旗揚げ三部作戯曲集「グローブ・ジャングル」では、第61回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。代表作の著書に『不死身の特攻兵』などがある。2019年9月20日、「AERA.dot」連載で度々SNSで話題となっていた連載、『鴻上尚史のほがらか人生相談』を刊行。

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