バークカヌーは生き残った (アメリカ・ナチュラリスト傑作選)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560040423

作品紹介・あらすじ

ニューハンプシャー州の田舎町で、かつてインディアンがやっていたのとまったく同じ製法でカヌーを作っている男がいる。それは樺の木の樹皮で作るカヌーであり、組立には一本の釘もボルトも残われていない。数多くのすぐれた著書で知られるアメリカ有数のナチュラリスト、マクフィーはこの工房を訪ね、作家の話を聞き、そしてそのカヌーで彼とともに旅をする。

感想・レビュー・書評

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  • 一番馴染み深い舟といえば、親類が持っていた5メートルぐらいの伝馬船だ。
    母方の親類が瀬戸内の離島にいたこともあり、海は比較的身近で船乗りもいれば、親類の何人かは船舶免許や船を持っていた。しかし、その伝馬船にもモーターはついており、手漕ぎと併用だった。

    この本はカナダ先住民の伝統的なバークカヌーの再現に関するドキュメンタリー。その生き様はなかなか面白い。特に「エドウィン・タッパン・アドニーのスケッチ及びモデル選集」は貴重な民俗学的資料だ。技術が途絶えずに再興するには、今の暮らしを見直す必要がありそうだ。

  • 「アメリカン・ナチュラリスト傑作選全6巻」と銘打たれたこの本は,シーカヤックではないんですが,木の皮で作る伝統的なカナディアンカヌー『バークカヌー』製作者を訪ねる筆者のノンフィクションものです。

    シーカヤックではないので,あまり期待しないで読みはじめたら,バークカヌーの作り方の描写(巻末に図版まである!)や,カヌー作り名人が一緒に旅に出てみたら実は旅についてはシロウトでさんざん苦労させられるハメになる話など,人間像もうまく描き出されていてかなり面白可笑しいし,思いもしなかった大収穫の面白い本でした。

    今年(2001年4月)のシーカヤックアカデミーで洲澤さんのお話の中でも『バークカヌー』製作の写真が出てきて,またまた興味が出てきました。
     

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著者プロフィール

文筆家。米国では現代ノンフィクションの草分け、名文家として広く知られる。1931年、ニュージャージー州生まれ。プリンストン大学卒業後、『タイム』記者を経て、『ニューヨーカー』のスタッフライターに。以来、長年にわたって同誌に寄稿している。ピュリツァー賞に4回ノミネートされ、1999年に受賞(一般ノンフィクション部門)。2017年には、長きにわたる出版文化への顕著な功績が認められ、イヴァン・サンドロフ賞(全米批評家協会)が授与された。現在も執筆のかたわら、プリンストン大学で教鞭を執る。著書多数。邦訳書:『原爆は誰でも作れる』(小隅黎訳、文化放送開発センター出版部、1975年)『アラスカ原野行』(越智道雄訳、平河出版社、1988年)『森からの使者』(竹内和世訳、東京書籍、1993年)『バークカヌーは生き残った』(中川美和子訳、白水社、1995年)『ボイドン校長物語』(藤倉皓一郎訳、ナカニシヤ出版、2014年)ほか。

「2020年 『ピュリツァー賞作家が明かす ノンフィクションの技法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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