- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560042922
感想・レビュー・書評
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「冬の旅」続きで。
リベラルなヨーロッパのジャーナリストって感じの著者。
「冬のオリンピック」
中々風景の描写や人とのつながりが鮮やかで好感。
ホッケー観戦を見て、隣村とサッカーやラグビーをするような試合、としていてとてもお国柄が出ていて興味を覚えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あ、また読んでる…!
最近知って、大好きになったロジェ・グルニエ、
今回は今まで読んだ山田稔さんでは無い翻訳。
私は作家を評する時、
「あの人は短編を書いたほうが輝く」とか
短編について語ることが多い、のは
もしや自分が短編好きなのではないか?と
今思った。
出会った人、その思い出
自ずと別れ、死がテーマになっている。
10篇の短編集。
ロジェ・グルニエ自身が記者だった体験を生かした
作品が多い。
「厄払い」
カメラマンの「ぼく」と、女性記者のコンビ、
二人が行く先々で「悲劇」が生まれると女性記者は言い、
ある「実験」を…
「あれ、あれってもしかして…」と
別のストーリーを想像する体験は誰にもあるはず。
「すこし色あせたブロンド女」
気になる存在だった女性との再会、
傍観者であった「ぼく」はいつしか登場人物に…
主人公の最後の行動にほっとしながらも…。
「冬季オリンピック」
冬季オリンピックに
昔の同僚で今は作家の男と
自分は新聞社の特派員として行く。
自分が好ましく思い、
また相手も好意を寄せてくれている(と思える)人物、
そんな人の実際の「孤独」に寄り添えていたかなあ、
と考えてしまった。