夜の寓話

  • 白水社
3.40
  • (0)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560042922

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「冬の旅」続きで。
    リベラルなヨーロッパのジャーナリストって感じの著者。

    「冬のオリンピック」
    中々風景の描写や人とのつながりが鮮やかで好感。
    ホッケー観戦を見て、隣村とサッカーやラグビーをするような試合、としていてとてもお国柄が出ていて興味を覚えた。

  • あ、また読んでる…!

    最近知って、大好きになったロジェ・グルニエ、
    今回は今まで読んだ山田稔さんでは無い翻訳。

    私は作家を評する時、
    「あの人は短編を書いたほうが輝く」とか
    短編について語ることが多い、のは
    もしや自分が短編好きなのではないか?と
    今思った。

    出会った人、その思い出
    自ずと別れ、死がテーマになっている。

    10篇の短編集。

    ロジェ・グルニエ自身が記者だった体験を生かした
    作品が多い。

    「厄払い」
    カメラマンの「ぼく」と、女性記者のコンビ、
    二人が行く先々で「悲劇」が生まれると女性記者は言い、
    ある「実験」を…

    「あれ、あれってもしかして…」と
    別のストーリーを想像する体験は誰にもあるはず。

    「すこし色あせたブロンド女」
    気になる存在だった女性との再会、
    傍観者であった「ぼく」はいつしか登場人物に…

    主人公の最後の行動にほっとしながらも…。

    「冬季オリンピック」
    冬季オリンピックに
    昔の同僚で今は作家の男と
    自分は新聞社の特派員として行く。

    自分が好ましく思い、
    また相手も好意を寄せてくれている(と思える)人物、

    そんな人の実際の「孤独」に寄り添えていたかなあ、
    と考えてしまった。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

Roger Grenier(1919-2017)
フランスの小説家、ジャーナリスト、放送作家、編集者。
ノルマンディ地方のカーンに生まれ、フランス南西部のポーで育つ。大戦中はレジスタンス活動に関わり、戦後アルベール・カミュに誘われて「コンバ」紙の記者としてジャーナリストのキャリアをスタート。その後、ラジオの放送作家などを経て、1963年よりパリの老舗出版社ガリマールの編集委員を半世紀以上務めた。1972年、長篇『シネロマン』でフェミナ賞受賞。1985年にはそれまでの作品全体に対してアカデミー・フランセーズ文学大賞が授与された。刊行したタイトルは50以上あり、とりわけ短篇の名手として定評がある。邦訳は『編集室』『別離のとき』(ともに短篇集)、『黒いピエロ』(長篇)、『ユリシーズの涙』『写真の秘密』(ともにエッセイ)など。亡くなる直前までほぼ毎日ガリマール社内のオフィスで原稿に向かっていたが、2017年、98歳でこの世を去る。本書は生前最後の短篇集。

「2023年 『長い物語のためのいくつかの短いお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ロジェ・グルニエの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×