ポール・ボウルズ作品集 1 遠い木霊

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560044940

作品紹介・あらすじ

官能的な雰囲気のなかで親子関係の壮絶な断絶を描く表題作、謎の婚約者のアパートで一夜を過ごすことになった女性の恐怖を描く「なんど真夜中に…」、ボウルズが完璧なまでの人間嫌いを発揮して描きつづける悲惨な夫婦の最初の例となる「コラソン寄港」など、いずれも幻想的な詩情とひそやかな暴力が織りなす世界。恐怖のなかに笑劇を宿した、軽妙にしてグロテスクな短篇の数々。

感想・レビュー・書評

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  • 遠い木霊、教学師、稲妻に導かれて、モフタールと死の夢、のみ読了。ロバート・ハリス「地図のない国から」を読んだら読みたくなり。簡潔で切れ味のいい作品を、と。簡潔は味わえたけど、切れ味はあまりわからなかった。唐突感。遠い木霊のアイリーンが母の友人にふるった暴力は、自分から母を奪ったという憤懣の矛先だったのか。モフタールが死の夢にとらわれて、実際に夢のとおりだ!といいつつ肉屋を手にかけたのを、群衆は無罪、警察は断罪というギャップ。教学師の、弟は教学師に従っただけといいつつ、解放された兄にどうしても恐れをぬぐえず…。稲妻に導かれての身勝手な動機と支配欲に駆られた一幕…など。「人生を何だと思っているの。あなたのために用意された終わりのないパーティじゃないのよ」(プルー)「遠い木霊」より

  • モロッコに帰化したアメリカ作家。
    近代的理性を持った人間が、異文化を彷徨した挙句、結局何も見出せず、自己さえも見失って崩壊していく。異世界浄化を逆手に取った、不気味で意地の悪いオチは全くのところ私好みだ。

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