本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560045633
感想・レビュー・書評
-
右手の損傷により一時的にも利き腕の機能を失った詩人が左手にペンを持ち替え、覚束ない筆跡で記した日記への注釈的例言。右手が回復した後も左手日記は継続する。日記自体の収録はない。書かれた内容もさることながら、右ページを全て白紙にするといった意匠を凝らした装幀が詩人の企みに加担しているのは言うまでももなく、読み手に左右のバランスを意識させつつ狂わせるといった身体感覚への揺さぶりをかけてくる。しかし言葉が端整であるがゆえに不思議と心地よい。隻腕のピアニスト、ヴィトゲンシュタインと作曲家ラヴェルとの挿話が心に残る。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示