アントナン・アルトー著作集 5

  • 白水社
3.63
  • (2)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560046081

作品紹介・あらすじ

1943〜46年、ロデーズの精神病院に収容されたアルトーは、自らの身体を戦場として、西欧の歴史・国家・言葉・神…と闘いつづけた。幾度となく電気ショック療法を受けつつも鍛えられてゆくアルトーの思考。類いまれなるネルヴァル論をも導く「狂気との対決」。その熱く生なましい言葉が、ついに解凍される。晩年のアルトーを知るうえで最も重要な書簡集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『Les Chimeres (邦題:幻想詩編』中のアンテロス(=エロスの双子兄弟にして、恋の復讐をする神)、ネルヴァルはこれに 反エロス/神秘的反逆者/愛されざるもの”の意を強調し、“アンタイオス種族の出”として、後の作品に直結させる。ロデーズ精神病院に収監されたアルトーは この詩句について“発声法”を根拠とする。全く同意だ。語りえないものを語るとき 人々は狂気という簡単な烙印で封印してしまう。その行為は半熟の狂気でしかない。アルトーの芸術に深い理解を示した主任医師ガストン・フェルディエール博士に敬意を。

    『詰め込み、吹き出し、盛り上げること、それは歩く身体が、つねにますます多くの身体をめざして吹き出すその身体の測り知れない魂が、ついに一つの存在として存在し、その全身において魂となるための働きなのです。そのときその身体は魂でしかない。身体であるものは魂なのですから。』

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1896-1948年。「思考の不可能性」を思考するフランスの詩人。「残酷劇」を提唱する演劇人。西洋からの脱却を必死に試みて、後年、精神病院へと監禁される。激烈な生涯と『演劇とその分身』『ヘリオガバルス』等の著書によって巨大な影響を与え続けている。

「2019年 『演劇とその分身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アントナン・アルトーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×