• Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560046586

作品紹介・あらすじ

イタリア統一の波乱の時代を生きた文豪マンゾーニとその家族の生涯を、膨大な書簡を通して事実が自ら語るにまかせて描く。『ミラノ霧の風景』の著者が、秀麗な訳にて贈る現代イタリア文学の傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 2014/8/3水中書店で800円

  •  おびただしい数の手紙をかわした家族たち。一家の中心人物アレッサンドロ・マンゾーニという人は、イタリアでは学校の教科書に必ず出てくる偉い作家先生だそうです。教科書に載る偉人だなんて、正直うんざりですわ★

     というマンゾーニ氏の、書簡をもとに再構築した評伝的な本なのだけど、彼の著作をろくに知らないため(こ、これから読みますよ!)、先入観の呪縛がない日本人読者である私の感想を披露します。イタリア人なら言えないような無責任なことが書けます!

     手紙を地道に細かくつなぎあわせて、そのまま使うと流れが不自然になる場合は境目がはっきりしないよう、うまく切り貼りして仕上げた一家の物語です。手仕事のような趣がありました。
     それも女性の手仕事を思わせます。引用される手紙の差出人は、その多くが女性なのです。女たちは偉大な手紙作家です。彼女たちときたら、御大マンゾーニよりも大量に書いているのです。

     そういえば、私たち(現代の女性たち)もメール魔ですね。自分の行動を事細かに報告し、相手を絶え間なく気遣い、ぬかりなく質問をくり出して、返事をほしがります。男性はうっとうしいだろうなぁ★
     マンゾーニ本人の手紙は短いくらいだけど、ちょっとした一言で充分ずっしり来ます。本を書く人は、書くことについてよりも書かないことについて学ぶべきですね。

     見ものは妻二人の対比。「天使のよう」に従順で模範的だった先妻エンリケッタ。対、病気がちで自分の病状をくどくど述べる後妻テレーサ。

     テレーサはマジで暗い。体調のせいもありそうですが、「性格が曲がってるのでは」と思わせる文だらけ。
     ところが、良妻エンリケッタと過ごした頃のマンゾーニは、すごくぴりぴりして神経質な印象だし、宗教に対する態度もアヤシさぷんぷん。テレーサと結婚してからマザーコンプレックスから解放されている辺りも興味深い。
     悪妻は役立つ……?

  • 決して面白く読める本ではないです。
    病気の経過、金の無心、返事をくれない親友への哀願 etc... という手紙のやりとりがひたすら続く、この長い本をどうやって読み切ることができたのでしょうか。

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著者プロフィール

1916~91。シチリアのパレルモ生まれ。『ヴァレンティーノ』でヴィアレッジョ賞、『ある家族の会話』でストレーガ賞。ほかに『モンテ・フェルモの丘の家』『マンゾーニ家の人々』など。エッセイや戯曲も多い。

「2018年 『小さな徳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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