- Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560046746
作品紹介・あらすじ
傷ついたオオカミの心をいやす少年の瞳。人間と動物との共生、未来への希望をこめた、愛と友情の物語。
感想・レビュー・書評
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「子どもを本好きにする10の秘訣」>「生き物・自然」で紹介された本。
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4-560-04674-3 169p 2000・6・5 4刷
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不思議な雰囲気の話だった。
嫌いじゃない。 -
片目のオオカミ ダニエル ペナック 白水社
誇り高い北極の青いオオカミが一頭動物園の檻にいました
そ檻の前にはいつもアフリカと呼ばれている孤児だった少年が一人立っています
青いオオカミは少年を無視していましたが
ある日とうとうテレパシーで語りかけてきました
オオカミと少年は友達になり生い立ちからここに来るまでの道程を
回想しながら語り合いました
その根底には自然破壊と欲と争いと愛の出会いがあります
優しさに包まれた広い心を持っている少年と心を交わしたものたちが
何かと引き換えることでこの動物園に買い取られていました
青いオオカミ以外は皆アフリカの知り合いだったのです
少年自身も引き取られた親と一緒に開発で消えていく森から
街に引っ越してきたところでした
自己主張で角を突き合わせるよりも
あるがままの中で楽しめてきた少年が織りなす
愛を感じながら生きる物語ですが
読みようによっては少しだけ皮肉ともとらえられる
エコロジー問題がベースになっているようです
墨の挿絵がとてもすがすがしくてきれいです -
前に図書館でぱらぱら読んだ。
片眼の狼をじっと見つめていた少年が、片眼を手で覆うシーンを覚えている。
どんな境遇でも心は自由でありうる。
心の中で笑うこと、夢を見ることはできる。 -
フランスの作家ダニエル・ぺナックのこの作品は、若い読者(児童というより青少年か)に向けて書かれたものということで、平易な文章で、簡潔に語られている。
しかし、優れた児童向け作品の例にもれず、大人にも読み応えがある内容だ。行間からも、静かに語りかけてくるような深みがある。
動物園の片隅で、過去に人間に傷つけられ、心を閉ざしている片目のオオカミ。それを、来る日も来る日も、ただじっと見つめている少年がいた。全てのことに興味を失っていたはずの誇り高いオオカミも、気になり始めると、この少年は片方の目をつぶった。彼らは片目でお互いを、静かにゆったりと見つめ合い、やがてゆっくりと心を分かち合っていく…。
アフリカ出身のこの少年は、不遇な育ちだったが、お話の才能があり、豊かな感性と優しい心を持っていて、先々で出会ってきた動物たちと心の交流があったのだ。
背景となっている、さまざまな現実社会の問題提起もさることながら、とにかく、あらゆる生命との(自分自身とも)、静寂な内面を通して本質を見る純粋な語り合いが、今の時代こそ必要とされているように感じる。
こちらも、「カモメに飛ぶことを教えた猫」と同じく、白水uブックスシリーズで新書版も出ています。 -
人間に傷つけられ、生きる気力も失っていた片目のオオカミは、限りなく優しい心の少年によって再び生きる力を取り戻す。人間と動物との共生、未来への希望を託す、愛と感動の物語。
読み終わった後はホッとする反面、何だか考えさせられます。