カフカ小説全集 (3)

著者 :
  • 白水社
3.33
  • (5)
  • (5)
  • (23)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 82
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560047033

作品紹介・あらすじ

『失踪者』『審判』につづく長編三部作の掉尾を飾る作品。カフカ畢生の大作。池内紀による清新な個人訳で贈る新校訂版全集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 津村の読み直し世界文学の1冊である。完結していない中断でカフカが死亡してしまった小説である。城はシンボルであり、実際は居酒屋が舞台である。Kとその居酒屋の女性が中心である。Kは測量士という立場であるが仕事は行っていないという不思議な状態である。
     翻訳で残念なことに、一人の人物の会話のスタイルが一致していない(とくに語尾が)ので、会話のやり取りで誰の発言かわからなくなることがあるので、それは意訳でもしてきちんとしてほしかった。

  • 読むのがとてもしんどかった。

    新しい人物が現れる度にその人独自の「常識」をまくし立てられ、反論には耳を貸してくれず、こちらが全てを飲み込んでいかなくてはいけない。
    そんなことばかりの繰り返しでとても心がすり切れた。
    わたしに生きている世界ととても似ていて、わたしも誰かにとっては独自の常識を押しつける1人なのだろうと想像できるから、ゾッとする。

    こんな心が疲れる小説はもう読みたくない。
    心が疲れるのは現実世界だけで十分。

  • 借り物

  • この読んでいるという話をしたら、和歌子さんから、
     「カフカは『城』で何を言いたかったのでしょうかね」と、質問が来ました。
     カフカは『城』で、何かを言いたかったかというと、
    何も言いたくなかったと、私は思います。
    何か言いたかったら、口に出して言えばいいわけで、
    小説なんか書かないでしょう。
     『城』でカフカが実際に描いた事以外の、
    抽象的な、「絶望」だとか「焦燥」だとかの概念を、
    カフカは描きたかったとは思えないのです。
     『城』を、まるのまま読むことで得られる体験こそが、
    カフカが意図したものでしょう。
    カフカに「言いたい」ことがあるとしたら、
    最初の行から最後の行まで読んでみて、
    その結果、読んだ人が見つける何物かです。
    カフカの『城』だけでなく、小説は全部、そうしたものです。
    丸ごと、味わう。

  • 研究論文を書くのに読んだ、(気がする)

  • 未完成の作品。友人の卒論がカフカだったので興味を持ったのが始まり。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

ツイッターやインスタグラムで恋に悩む女性にむけて優しく背中を押す言葉を投稿している。著書に『だから、そばにいて』(ワニブックス)、『好きでいて』(セブン&アイ出版)、『何度も諦めようと思ったけど、やっぱり好きなんだ』(KADOKAWA)などがある。ツイッター @kafuka_monchi インスタグラム @kafuka022

「2020年 『だから、そばにいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カフカの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×