- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560047033
作品紹介・あらすじ
『失踪者』『審判』につづく長編三部作の掉尾を飾る作品。カフカ畢生の大作。池内紀による清新な個人訳で贈る新校訂版全集。
感想・レビュー・書評
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津村の読み直し世界文学の1冊である。完結していない中断でカフカが死亡してしまった小説である。城はシンボルであり、実際は居酒屋が舞台である。Kとその居酒屋の女性が中心である。Kは測量士という立場であるが仕事は行っていないという不思議な状態である。
翻訳で残念なことに、一人の人物の会話のスタイルが一致していない(とくに語尾が)ので、会話のやり取りで誰の発言かわからなくなることがあるので、それは意訳でもしてきちんとしてほしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
借り物
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この読んでいるという話をしたら、和歌子さんから、
「カフカは『城』で何を言いたかったのでしょうかね」と、質問が来ました。
カフカは『城』で、何かを言いたかったかというと、
何も言いたくなかったと、私は思います。
何か言いたかったら、口に出して言えばいいわけで、
小説なんか書かないでしょう。
『城』でカフカが実際に描いた事以外の、
抽象的な、「絶望」だとか「焦燥」だとかの概念を、
カフカは描きたかったとは思えないのです。
『城』を、まるのまま読むことで得られる体験こそが、
カフカが意図したものでしょう。
カフカに「言いたい」ことがあるとしたら、
最初の行から最後の行まで読んでみて、
その結果、読んだ人が見つける何物かです。
カフカの『城』だけでなく、小説は全部、そうしたものです。
丸ごと、味わう。 -
研究論文を書くのに読んだ、(気がする)
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未完成の作品。友人の卒論がカフカだったので興味を持ったのが始まり。