アナトール・フランス小説集 7

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560048870

作品紹介・あらすじ

端麗な文章と軽妙な諷刺で人間の愚かさといとおしさを鮮やかに描き出す、フランス文学の最高峰。真の小説好きの味読に堪える珠玉の短篇を集めた愛蔵版選集。

感想・レビュー・書評

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  •  私はアナトール・フランスの作品をこの本を除いて読んだことがない。名前は知っていて、岩波でもちょくちょくみかけはしたが、さほど読者数もいるわけではなく、そこまでフランス文学史において高名というわけではないので後回しにしていた。そしてモームも「読書案内」において、「そこまで大したことはない」と述べていた。

     私がこの「螺鈿の手箱」を読みにあたった理由はモームの「読書案内」において推薦本の一冊として紹介されていたからである。といっても大々的に紹介していたわけではなく、どちらかというと余禄としてちょっと紹介されていた程度なのだが・・・・・。

     それで私はこの作品を読んだ。というより二回読もうと心掛けたといった方が正しいか。一回目は20代後半の時に読み、最初の数作品(言い忘れたがこの作品は短編集である)を読んでそのまま読むのをやめた。というのも宗教的な作品だったため、自分には肌が合わないと感じたからである。
     それから5年経ちもう一回読んでみようと思い、手に取った。あれからまた自分の考え方、世界観が広がり、今回は途中で読むのを辞めることなく、最後まで読み終えた。まあ読み終えたということはそれなりには面白かったということだろう。

     さて、この作品の感想になるのだが、問われれば正直首をかしげる。よかったといえばよかったし、読む必要がなかったといえばそうだ。収められている作品は良くも悪くも繊細であるという印象を受けた。感受性、空想力はそれなりにある。印象に残った作品もいくつかあるが、かといってインパクトを残したというわけでもない。作者に才能があるのか、ないのか正直よくわからない。ノーベル賞もらっているからあるのだろうが・・・・。

     それなりには楽しめたが、再読することはないと思う。他人に推薦はできないが、文学作品を一通り読んでいる人がいればどうぞ。

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著者プロフィール

1844-1924年。パリ生まれ。高踏派詩人として出発、その後小説に転じて『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『神々は渇く』などの長篇でフランス文学を代表する作家となる。ドレフュス事件など社会問題にも深い関心を寄せ、積極的に活動した。アカデミー・フランセーズ会員。1921年、ノーベル文学賞受賞。邦訳に《アナトール・フランス小説集》全12巻(白水社)がある。

「2018年 『ペンギンの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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