気になる部分

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 249
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560049334

感想・レビュー・書評

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  • とてつもない狂気を感じる。
    翻訳家という職業上か、文章はスマート。国語の教材みたいにちょっとお堅いけど、もちろん砕けた常体なので読みふける。そして、しっかり読んでいると、文章の中に「狂気」がじわじわと滲んでくる。
    「笑いどころ」がわからないというか、笑わせようとして書いているわけじゃないようにみえる。そこが怖い。本人が当たり前だと思っていることの半分は当たり前じゃない。だけど、「変わり者」と言うのもまたなんだか違う気がする。
    「なんの前触れもなしに、ひょいと現実と夢の敷居を越えてしまう凄さ、怖さは、ちょっと普通じゃないものがある」(p179)
    まるで他人事のようにぺろっと書いているけど、これそのまま岸本さん自身にそっくり当てはまるじゃないか……。
    「恋人よ、これが私の -1994年を振り返って-」の話は、そこはかとない彼女のユーモアのセンスを感じられるのでおすすめ。あと「日記より2」のシュレンコフ一家も、彼女の作風が臨めて面白い。洋書はあまり好きじゃないんだけど、『中二階』、読んでみようかなあ。

  • 「ねにもつタイプ」を気に入って、こちらも読んでみた。
    1作目とあって若干おとなしめと感じたが、やはり楽しめた。

  • こんなにおもしろいとは思っていなかったので、ちょっと他のものとか岸本さんが翻訳されたものも読みたくなってきました。
    変わっている人と言ってしまえばそれだけなのかもしれないけど、自分の周りのすべての事柄を放っておけない人なのかなぁと思いました。私なんかまだまだ甘いとも思ったけども(笑)

  • これ、電車で読んでは危険!ニヤリから爆笑まで、いろんな笑い満載。言葉を操る職の著者ならではの文体にいつのまにか引き込まれ、首肯しながらいつのまにか読了。

  • 自身の淋しい過去を自虐的に書いたエッセイ。自分にも当てはまるようで、可笑しくてちょっとせつない。

  • 「おかしな本棚」で、人に貸したら面白すぎて戻ってこないと嘆いていたのを読み、借りてみた。

    共感すること多数。
    面白くておかしくて、身につまされることがいっぱいあって。
    楽しかった。

  • 人は福袋が好きである、しかし、福袋を買った人は必ず怒る-『その袋に福はあるのか』-
    思わずクスリと笑ってしまうような、ネガティブでちょっぴり(だいぶ)不可思議な翻訳家の書いたエッセイ。


    物書き、中でも翻訳家と言う職業柄か、著者の言葉に対する感覚は鋭いと言うか独特と言うか。こんなことをここまで面白く!という筆力も流石。
    シュールで面白かったです。

  • 2010/12/18 「国際きのこ会館」は実在したらしい・・・。翻訳以外の本が二冊しかないのがもどかしい。

  • そういうことあるあると共感できるネタからの展開がぶっ飛んでて面白い。
    花畑の河童「私の健康法」 エレベーターとエスカレーターのイメージ「バグが出る」 敵四態「都市の兵法-電車編-」 きのこだらけの「『国際きのこ会館』の思い出」 ザンホの「六年半」

  • 「どーも読むたびにあなたの顔が浮かびます」と言って、
    友人から勧められた。

    開いてみると、
    眠れない夜に一人しりとりをし、そのために昼間は語彙力強化に努める話
    電車における現代兵法の分析
    ”流しのOL”になった自分をトイレの居眠りで思い描く姿
    新幹線の”鼻”には誰かが入っているという妄想
    そして、そんな自分は幼稚園の時代からそんな自分であったこと
    ……そんなことが綴られていた。

    悔しいが、友人の評は間違っていない。
    壁から毛むくじゃらの腕が伸び出るのを見たことがある。
    一軒家の下にある格子がはめられたあの場所は、トトロが入る以外の目的があるのか、いつも気にしていた。
    ソファの隙間から突然さかさギロチンが出てきたらどうしようと、いつも縮こまって座っていた。
    落としたお米を拾うとき、”千人の神様”を想像してしまって、その一粒がひどく重く感じられる。
    自分以外の人間は、自分が見ていないときは電源が切れているのかもしれないと想像したりする。
    ……そして、そんな自分は幼稚園の時代からそんな自分であった。

    ただ一つ言っておきたい。
    小豆枕の日本兵は絶滅したかもしれないが、
    そば殻枕の笠地蔵は、平成の世にも生きていると。

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著者プロフィール

翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、スティーブン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』など多数。編訳書に『変愛小説集』『楽しい夜』『居心地の悪い部屋』ほか、著書に『なんらかの事情』ほか。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2019年 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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