山の上ホテル物語

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 58
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560049488

作品紹介・あらすじ

「良質のものは、いつも少ししかない」ということを肌で感じる、知的でオシャレで小さな山の上ホテル。創業50年を迎えるこのホテルの裏方たちを訪ねて知る、静かで深い良質へのこだわり。多くの作家に愛される特別なホテルの50年。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマ「名建築で昼食」を見て山の上ホテルに行ったので。

    アール・デコ調というには華麗さが足りないきもするが、
    抑えめな装飾が可愛らしいホテル。

    残念ながら建築や室内装飾についての記述はあまり無かったが、
    その歴史や文筆家たちの姿が知れて良かった。

    部屋にバスルームがなかったとか、
    横浜港からはしけで乗客船に乗り込んでお客をとってきたとか、
    池波正太郎の通帳を作ってフロントで預かっていたとか。
    社員が研修としてヨーロッパのホテルに泊まりに行った話も面白かった。

    いつか写真がのっていたスイートに泊まってみたい。

  •  御茶ノ水駅近く、明大横に建つ山の上ホテル創業者・吉田俊男の伝記。老朽化に伴う休館のニュースをきっかけに手にとった。従業員たちへのインタビューで主に構成されており、広く愛された方だったことが伝わってくるが、今だったらパワハラとされるような振る舞いと言動にあふれていて、読んでいて胸が苦しくなる箇所が多かった。1991年に亡くなっている方なので、そういう時代に愛された方なのだろうと思いつつ読み終えた。休館をセンチメンタルにとらえる人が多いようだけれど、ホテルも人も時代とともに変わっていっていいと思う。

  • 憧れのホテル。お昼やお茶で入ってみたい

  • 先日、泊まる機会があったので読んでみた。

    創業者・吉田氏がどんな仲間と、どんな考えでホテルを作り上げてきたかを知ることができる。

    個人的には、あの「山の上」の落ち着いた雰囲気と吉田氏のキャラクターは繋がらなかった(読んだ限りでは、吉田氏は昔ながらの熱血社長タイプに見えたので)が、早くから社員に欧米のホテルを研究させたことなどが今の「山の上」に繋がったのかな、と思った。

  • 山の上ホテルの流儀の素となった本だと思われます。
    同じようなエピソードが出てきます。
    常盤晋平さんもファンだったようですね。

  • 東京駿河台にある山の上ホテル。川端康成、井上靖、松本清張、吉行淳之介、小林秀雄、三島由紀夫、池波正太郎等大作家に愛されたい。その理由は社長の吉田俊夫にあるのか、素晴らしい従業員にあるのか、その料理にあるのか、心を癒すホテル雰囲気にあるのか。社長はかなり厳しい、それも時に理不尽厳しさを持っていたようであるが、従業員を惹きつける魅力があった。現存する現役のホテル。是非泊まってみたいものだ。

  • 数多くの作家に愛される特別なホテル。西洋のホテルの良さと日本の旅館の良さを兼ね備えたどこにもないホテル、今度泊まってみよう。そして「天ぷら山の上」「ノンノン」を訊ねよう。常宿にしていた池波正太郎さんの画も楽しみだ!

  • 通っていた大学のすぐそばにあったけど、気にはなっていたけど入れなかった・・・。というよりこのホテルの素晴らしさを知る由はなかった。
    一回ご縁あって宿泊&朝食を頂いて、開眼。
    すぐにこの本にもめぐり合って、お客様のサービスとは?ということについて真剣に考えさせられた一冊。

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著者プロフィール

1931-2013。岩手県生まれ。長年にわたってアーウィン・ショーなど現代アメリカ小説やニュージャーナリズム作品を数多く紹介してきた名翻訳家。86年、自伝的小説「遠いアメリカ」で直木賞受賞。洗練されたエッセイにも定評がある。

「2022年 『新版 O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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