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- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560057414
作品紹介・あらすじ
ときに病的でありときに華麗な、精神の働きの表現。想像力に扉を開き、生の「夜の側」へと関心を向けた幻想文学。本書は、ホフマン、ノディエ、ポーを経て、ウィリアム・バロウズやスティーヴン・キングにまでつらなる古今東西ファンタスティクな作家の系譜を、精神史のなかで捉えた好著である。
感想・レビュー・書評
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海外の細かな作品への言及はそうなのかなと思うしかなく、幻想文学について語った時の枠組みと目次のようなものに触れたかなという感じ。読み通すことで自分が好きな要素の大枠を知るきっかけにはなるかもしれない。
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「幻想文学」を概観するのにちょうどよい本。
前半では理論的考察が中心となり、「幻想」というジャンルを確立する上で、SFやファンタジーとの違いを考察している。
簡単に言えば、ファンタジーが完全に異世界を舞台とし、脅威の中に入り込む一方で、幻想文学はあくまでも日常における違和感、不条理を恐怖をもって描く。またSFは舞台そのものをより未来に置いており、好奇心や探究によってそれを描く、ということ。
後半では実際に作家を参照しながら、前半での流れをたどり直す。その過程で、それぞれの作家における「幻想」の在り方の違いを浮かび上がらせる。幻想という枠組みの中の、広大な裾野を描き出している。
わかりやすく、作家も豊富に参照されており、これを元に関心を広げていけるという点でよい本だ。また、翻訳がよく、読みやすい点でもおすすめできる。
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