- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560058589
作品紹介・あらすじ
非暴力や菜食主義で知られるインドの「聖人」。ガンジーとは、いったい、何者だったのか?本書は、彼の生涯の足取りをたどったうえで、その思想についてテーマ別に解説してゆく。スキャンダラスな言動をも明らかにしつつ、ガンジーを世界史上における重要な政治家として読み解いた、画期的な評伝。
感想・レビュー・書評
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非暴力・非服従のマハトマ・ガンジーについて人生と思想をコンパクトにまとめた本。本書は「実像」と謳っているだけあって、ガンジーをそこまで聖人扱いしていない。本書は俺が初めて読むガンジー本なのだけど、聖人というより狂信者と言ったほうが近いように思えてきた。ただ、狂信する対象は特定の宗教というより、ガンジー自身が作り出した信念である感じだが。
インターネットにおけるガンジーと言えば、「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」という慣用句である。これは「非暴力を訴えていたガンジーでさえ」ということだが、実際のガンジーはもっと過激な時期があったようだ。
第一次世界大戦の際、イギリスはインド人を兵士に加えようとした。その時に総督はガンジーに兵士徴用の協力を要請する。この要請にガンジーは応え、精力的にイギリス軍への勧誘活動を行った。勧誘の演説では「臆病者と見なされたくなかったら、武器をできるだけ上手に扱わなければならない」と述べ、これを非難した友人に対しては「暴力を放棄するのには、まず暴力を経験してみなければならない」と返したと言う。
このエピソードはガンジーの一側面にすぎない。だがガンジーはこういう一面もあったのだ。世界的に聖人と言われるような人でも、実際はこのように多面的である。そういうことが明確に分かるのが本書を読む価値だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フランス人作家によるガンジー伝は、「ハハン、所詮アジアの小男だろう?」的なムードが漂っている。冷徹。誇張もなければ矮小もない。等身大とまでは言わないが、ガンジーにまつわる新聞記事を読んでいるような気分になる。これはこれで可とすべきだろう。
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