アルゴールの城にて (白水Uブックス)

  • 白水社
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本棚登録 : 53
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070796

感想・レビュー・書評

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  • これが処女作なんて、すごい。
    比喩が一文の中にもたくさん繋がっていくので、このリズムに慣れるまでは読むのに時間がかかりました。
    うまく映像化してほしい。

  • ゴシック小説かもしれないが、
    独特の文体からシュルレアリスムのカテゴリに入れられるらしい。
    登場人物は三人、男二人=アルベール,エルミニアンと、
    エルミニアンの同伴者である女=ハイデ。
    平たく言えば三角関係の物語だが、
    「 」(鍵括弧)で括られたセリフが一度も出てこないので、
    読んでいて、それこそ作品の舞台である
    城を内包する深い森に迷い込んだ気分を味わわされ、
    ウロウロ、キョロキョロしているうち、破局に至る。
    が、例えば、前後の脈絡があるようでないような、
    細部の辻褄が合っているようでいないような、
    目覚めて思い出す夢の内容を
    綴って読み返すことができたなら、
    こんな気分になるのかもしれない。
    但し、出演者は美男美女に限る(笑)

  • 幻想的な音楽会にひとり とても特別に招かれて 心地良さに つい 眠ってしまう…、そういう楽しみ方でよかったのかな。物語、ストーリーを追う事よりも グラックの言葉が奏でる旋律に身を任せる、多層の風景に微睡む。読む季節を変えたり こちらのコンディション次第で 読後感が変化すると思う。時を置いて また 読もう。

  • よく考えずに、感じることを最優先に読んだ。
    いつもそうなのだが。
    しかしこの本は、時間を置いて何度も読みたいと思う。
    鮮烈なイマージュを展開させる、緻密な比喩。
    それでいて曖昧で難解な部分もある。

    この本を理解したいとは思わない。
    飲み込んで、浸透させたいと思う。
    私の目指すところに非常に近い一冊。

  • 過剰に華美で装飾的な文体を用いているが、どれひとつとして無駄ではなく、一文一文が異常な説得力を持っている。特異な文体だけど、それはグラックがリアル以上にリアルなものを描こうとした必然的な結果であるということが読めばわかる。アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム文学はジュリアン/グラックに帰結される」と称したのも頷ける作品でした。

  • グラックが若い時に書き上げた『アルゴールの城にて』は、ウォルポールから継承されているゴシック・ロマンとポーの城館に夢幻性を加え、同類の美意識を共有するものである。

  • アンドレ・ブルトンをして「シュルレアリスムの帰結するところ」と言わしめた、ジュリアン・グラックの処女小説。
    森ふかくにある古城、アルゴールにやってきた貴族の末裔アルベール、彼の親友で不思議な魅力をもつエルミニアン、そしてエルミニアンが連れてきた美しく聡明な女性ハイデ。三人の長いヴァカンスがはじまる。
    会話のない、迷路のような文体。執拗に積層される比喩が生む、白濁した空気。高熱に浮かされたうわごとのような言葉の荷重で、物語はゆっくりと旋回し、悲劇へと傾いていく。
    小説というよりも長大な散文詩。しかしてその実は強姦小説でもある。このようなたぐいの本を、この値段で売り出す白水社の男気に最敬礼したい。

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