もしもし (白水Uブックス 118 海外小説の誘惑)

  • 白水社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560071182

作品紹介・あらすじ

全編これ二人の男女の電話の会話からなるおかしなおかしな「電話小説」。しかもこの電話は会員制のセックス・テレホン。二人は想像力の限りをつくして自分たちが何にいちばん興奮するかを語り合う!全米でベストセラーとなった本書のテーマは、いわば想像の世界における究極の「H」。

感想・レビュー・書評

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  • ITメディアとネットの発達でポルノはすっかり画一化されてしまった。そこにあるのは高度に合理化・商品化された性の記号であり、システム化された快楽に想像力の余地はもはや失われていくばかりだ。貴方の感じる欲望は本当に貴方自身のものだろうか?ニコルソン・ベイカーが本作で描いたのはもはや失われた文化である、ダイヤルQ2で知り合った二人のテレフォン・セックス。限られた知覚で快楽を刺激する為の想像力の競い合いを、微に入り細に入るお得意の文体でじりじりと炙り出す。表紙絵はエロスとタナトスの裂目そのものであった岡崎京子。

  • ドストエフスキー的、わかるようなわからんような。

  • 図書館

    著者のエッセイがとても面白かったので借りてみる。
    なぜか気がのらなくて、まともに読めず断念....

  •  地の文なしのテレフォンセックスによる会話劇。とはいえ端的なエロ小説ではなく、お互いに心を開き、相手を心地よくさせてあげようと思いやり、そのために多大な想像力とボキャブラリーを駆使して言葉を発し合うことで、肉体的興奮だけでなく精神的にも連帯感を紡いでいく様子はスリリングかつ面白かった。ディテールにこだわった非常に緻密な描写は著者の持ち味らしく、とても癖になった。

  • 初ベイカー。電話小説。ミクロな視点。

  • 非常に不思議なのですが,一冊丸ごと,単にテレホンセックスをする男女の会話のみで成り立っている本が,実に魅力的なのです。会話の中身はもちろんそっち系であったりしますが,しかしずばりのエロではない。へー!そこ!みたいなところに感じるエロティシズムの意外さを打ち明け合ったり,共感したり,感心したりという,その雰囲気のなんと豊かで率直なこと。そしてユーモアも。いい本だなぁ。さすがこのモチーフにしてなお白水Uブックスではある。

  • 5/17 読了。

  •  テレフォンセックスをしている男女がお互いの性的な趣味について語り合う小説。全編会話文だけで書かれているのが特徴。

     「中二階」で発揮されたような超微細な視点とユーモアを、性という極めてキャッチーなテーマの中で発揮した小説であると思う。私は非常に読みやすく面白いと思った。一気読みも可能。ちょっとえっちで、ちょっと笑えて、とそんな小説。

  • 男女が電話でフェティシズムや妄想を共有する話。
    冗談を交えながら互い性欲を話す
    男女の電話を盗聴しているみたいな気分になる。
    品位を落とさないところが凄い。

  • 爽やかにエロス。
    エロ本の読み方や夕暮れ時の風景に関するちょっとした錯覚など、自分しか知らないだろう、思ってないだろうとか感じていたことがずはり書かれていて、「みんな思ってたんだ、知ってたんだ!」と目を開かれること度々。

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著者プロフィール

1957年ニューヨーク州生まれ。イーストマン音楽学校、ハヴァフォード大学で学ぶ。1988年、『中二階』でデビュー。他の邦訳に『室温』、『もしもし』、『フェルマータ』『ノリーのおわらない物語』(以上白水社刊、岸本佐知子訳)がある。本書の執筆時(32歳)にはまだ駆け出しの若手作家だった。

「2018年 『U & I』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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