変身 (白水Uブックス 152 カフカ・コレクション)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560071526

感想・レビュー・書評

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  • 最近、なぜかハマってしまったカフカ。

    大昔に読んだカフカ「変身」を池内訳で読んでみる。

    と、これりゃまた、不条理でもなんでもないや。これは現代社会、家族の縮図ではないか!

    いやー、いたい話だ。

  • ある朝起きたら誰もが悲鳴を上げるほどの毒虫に変身していた青年と、その妹と父母の話。
    家族の為に勤労に勤しんできた青年が、虫になったことで家族から邪魔者扱いされ気味悪がられる。
    最後まで家族を愛でる気持ちは伝わらず、一人(1匹)で息絶え、家族は安心する。
    突然虫になる導入部分、虫としての本能に徐々にのまれていき、食べ物や行動の好みが人ではなくなっていく様子、またその中でも心はその様子を否している様子が興味深かった。
    家族が青年を見離すのがあまりに乱暴、突然だったことがリアリティに欠ける気もしたので、星3つ。

  • 今更、初読了。
    毒虫の姿を想像するとかなり気持ち悪いのに…なぜか可愛い。
    毒虫になった事自体の家族の対応は悩ましいくて、責められるものではないけれど…憤りは感じる。あぁでも精一杯だよな…
    毒虫を哀れには思うが、家族も哀れに思う。
    早く読んでおけばよかったな。

  • 解説がついているのがよかった。
    主人公が虫になり、しかしそれには驚かず、仕事のことで驚くとは…なんとも奇妙。虫になった途端に家族から厄介者、害虫として扱われ、主人公がいなくなった後も家族はなんとも思わず、寧ろ晴々としている。現代社会でもそのような場面があるのではないだろうか。重なる部分があるからこのカフカの変身は長い間読み継がれているのかもしれない。

  • グレーゴルが自分の変身を
    冷静に受け止めていることにまず驚く。
    私だったら無理であろう。
    もしかしてグレーゴルは心の奥底で
    普通の生活に飽きていたのかもしれない。
    そしてカフカはこの話の主人公である
    グレーゴルと自分を重ねていたのかもしれない

    カフカが何を思い、この"変身"を
    書こうと思ったのか。
    その経緯を想像するのも
    この本の楽しみ方の一つであるような
    そんな気がした。

  • 初っ端の虫に変身している主人公の描写が面白い。虫になったにもかかわらず冷静に仕事の事を考える主人公。真面目な家族思いの良い人なのに、家族に見放されてしまう、可哀想すぎ。

  • ある朝、目が覚めると
    一匹の虫に変身していた男の物語。


    湿度 や 歪み。
    チェコという国の持つ
    このザラザラとした感触。

    救いは無いけど さらりと読めます。
    神保町のオメガで買いました。
    解説付きなのでちょっぴりお得。

  • 話の内容はとてつもなく暗い。
    暗いだけではなく、救いようもなくただ淡々と文章が展開していく。
    ちょっと、「月の影 影の海」にも通ずる様な―ただ、あれよりも文章が淡白だが―暗さが漂う。

    虫になってしまったグレーゴル。
    それなのに、彼は今をしっかりと受け止めていたように感じる。
    私がもし、グレーゴルのようになったら、きっと死を選んでしまいそうだから。

  • 小学生の時読んだな~と思いつつ久し振りに。「虫」に変身した途端この扱い(いや、自分も大事な人が「虫」になったら流石に触れないけど)働く気力もなかった家族の変貌。葬られることもない、ラストの清清しさ。家族のために頑張っていたはずの主人公の存在って、一体なんだったんだろう。

  • 朝起きたら虫になっている衝撃。

    虫になった理屈はなく、ただ虫になってしまった主人公の話。
    なぜこの作品をカフカは書いたのか、とても気になります。

    もしかしたらカフカが自分自身を描いただけなのかもしれません。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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