審判―カフカ・コレクション (白水uブックス)

制作 : Franz Kafka  池内 紀 
  • 白水社
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本棚登録 : 219
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560071540

感想・レビュー・書評

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  • 審判というか告発のイメージ。
    この本少しずつ色んなものがずれてくように描かれていて、だから怖い。不正を「汚らしい、間違ったこと」として描くのはその前提に「綺麗な、正しいこと」が存在してる、っていうのがあるからで、その前提すらないところに現代社会を見ました。私たちが生きている「社会」にはきっとこういう世界が必ずあるし、ある意味で誰もが実際こういうことの中にいるんだと思う、気づかないか気づかないフリをしているかってだけで。

    私たちはみんな裁判に関わってる。

    本気で鬱になりましたがこれはものすごい本でした。カフカが現代世界文学の最重要作家の一人だってこと、心から納得。色んなことを考えたし、ナチスを、資本主義を思い浮かべたし、なんかもうひたすら凄まじい。

  • 「・・悪事をはたらいた覚えがないのに、ある朝、銀行員ヨーゼフ・Kは逮捕された。」
    ここから小説は始まり、最後は処刑、夜。主人公Kは審判にかけられていく。
    職務を続けながら短い審理が続き、いっこうに無実を晴らせない。
    虚偽と不条理で動いている検事、判事、弁護士などが次々と登場し、Kは、有利に裁判を進めるにはそういう人とも交渉し味方を作らなければならないと悟る。
    それでも理由は何一つつかめなかった。
    このKという人物に作者自身を描いたのではないかという説がある。
    作者自身、忙しさに翻弄され何とかしなければならないという孤独や不安、焦りといった葛藤があったのだろう。
    不条理な社会とその中で生きていく不安などを描いた作品であり、現代にも通じる話にも思えて怖いが、なぜかもう一度読み返したくなる。

  • 未完の長編。『変身』なんかと比べると、あまり悲愴な感じがしない。むしろ、ドタバタな不条理劇として楽しむのが正解なのかも。

  • 怖いっつーか、ヤバイ。
    未完なところもまた恐い。

    アバンギャルドとはまた違うんでしょうな。そんな印象を受けたけども。

    小さい子には読ませてはいけません。トラウマになります。

    日常がちょっとずつちょっとずつズレて壊れて狂っていく様子がヤバイ。だって仕事場で何気なく物置のドアを開けたら人が鞭打たれてるんすよ。わけ分からん。

    そんな裁判所ねーよ、と言いたい。でもKさんにとってはそれが現実。朝起きたらこんな状態になっているのは絶対にイヤです。やっぱ理由は知りたい。

    不安、不条理、孤独感満載。

  • 結局、カフカコレクションを全部よんでしまった。『審判』がなかでも一番だと思う。印象的だったのはホコリっぽい迷路のような事務所に入ると、力が抜けて一人では出てこれなくなる所である。あるシステムに組み込まれると人間は力を奪われてしまう点が象徴的に書いてあった。

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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