流刑地にて―カフカ・コレクション (白水uブックス)

制作 : Franz Kafka  池内 紀 
  • 白水社
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560071564

感想・レビュー・書評

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  • 処刑道具について語っているだけなのに痛々しかった

  • フランツ=カフカの短編集。
    判決、流刑地にて、観察、火夫が収められている。

    今更ながらにまともにカフカを読んだ。
    当時の世相に不満や疑問を抱き、人と壁を作って生きている感じを受ける。
    小説が書かれて20年程後に、ナチス・ドイツが誕生。
    ユダヤ系のカフカが書いた小説も当時、殆ど人目に触れることはなかっただろう。

    本タイトルにもなっている「流刑地にて」
    処刑の機械の描写が細密で、科学実験の様なイメージ。
    誰が定義した道徳と非道徳の狭間にかけられる人間性をつかさどる奇妙なからくり。
    旅行家が流刑地に足を踏み入れた段階で、すでにその場で起こる結末は決まっていたのだろう。
    将校の(本人も予期しなかっただろう)酷い死に様。
    そもそも死に美など存在しない。
    実際に起こる淡々とした死に比べると、
    ひとびとが過剰に恐れ抱いているものの虚しさを感じる。


    喪失感と虚無、そして人間のにおい。


    個人的に印象に残っているのが、「観察」の中の「不幸であること」
    私(カフカ自身だろう)が夜に小さなこどもの幽霊と遭遇する話。
    カフカの人間臭さを感じる。

  • 変身よりもむしろ、こちらの印象が一番深く刻まれています。このお方の作品は。

著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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