ジョヴァンニの部屋 (白水Uブックス 254)

  • 白水社 (2024年8月19日発売)
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本棚登録 : 70
感想 : 4
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  • 本 ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560072547

作品紹介・あらすじ

ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊!
LGBTQ文学の傑作

アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。

小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。
「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より)

感想・レビュー・書評

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  • 『ジョヴァンニの部屋』ジェームズ・ボールドウィン | coffee & paperbacks の読書会(2015年4月4日)
    https://books.kotomomo.com/archives/book13/index.html

    “分断は「愛」で埋める”没後30年、現代社会に再評価される黒人作家ジェームズ・ボールドウィン――連載「アメリカ、その心の生まれるところ~変革の言葉たち」新元良一|本がひらく(2021年10月29日)
    https://nhkbook-hiraku.com/n/nbb1ba21863e0

    「人種差別問題」の歴史とその本質[前篇]『ジェイムズ・ボールドウィンのアメリカ』|じんぶん堂(2023.09.21)
    https://book.asahi.com/jinbun/article/15010501

    ジェイムズ・ボールドウィン — Google Arts & Culture
    https://artsandculture.google.com/entity/m017_pb?hl=ja

    U254 ジョヴァンニの部屋 - 白水社
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b649840.html

  • はじめてのボールドウィン。
    少し身構えたけど、読みやすかった。
    独特なリズムで、気づくとそのドライブ感に身を委ねている。
    決して明るい話じゃない。身を削られるような話。
    でもずっと読んでいたくなる文章。
    読了まで時間がかかったけど全然イヤじゃなかった。

  • 自分に違和感を覚え、何か満たされない者たちが惹かれ合って依存してしまい、その先に破滅が待っていると知りつつも刹那的な愛と美しさを求め合う。
    ジェームズ・ボールドウィンの小説にこんなにも感銘を受けるのは、自己の探究を深いところまで激しく描いているからだ。時に息を呑むほど美しく詩的であり、時に読むものに恐れを抱かせるほどに激しく徹底的に正直に。それはやはりボールドウィンが黒人作家であり同性愛者であったからであり、常に愛と人間の尊厳を最も尊び語ってきたからだと感じさせられた。

  • 若く美しい青年2人がパリで出会い深く愛し合った永遠のような数ヶ月を見事に封じこめた美しくも哀しい小説だった。2人の愛には結婚や子どものようなわかりやすい終着地がない。その愛の不毛ゆえに苦しむ2人の心の機微を描いて鮮やかだ。

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