ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件 (白水Uブックス/永遠の本棚)

  • 白水社 (2024年9月17日発売)
2.57
  • (0)
  • (0)
  • (5)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 134
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (274ページ) / ISBN・EAN: 9784560072554

作品紹介・あらすじ

黄道十二宮を用いたイスラム教の加入儀礼の最中に宗派の導師が殺され、容疑をかけられた新聞記者。急行列車内で起きたロシア皇女のダイヤをめぐる犯罪に巻き込まれた舞台俳優。パンパの大草原を望むテラスで雄牛の行進を眺めつつ刺殺された農場主。下町の安ホテルに集う人々に新来の田舎者がもたらした波紋とその結末。雲南奥地の至聖所から盗まれた宝石を追ってブエノスアイレスへやって来た中国人魔術師の探索行……。身に覚えのない殺人の罪で投獄され、服役中の元理髪店主イシドロ・パロディが、面会人が持ち込む数々の難事件を対話と純粋な推理のみで解き明かしていく。熱心な探偵小説ファンでもあるボルヘスとその盟友ビオイ=カサーレスがH・ブストス=ドメック名義で合作。二十世紀文学の最前衛に位置する二人の作家のもうひとつの貌を教えてくれる、奇想と逆説と諧謔に満ちた探偵小説連作集。

みんなの感想まとめ

さまざまな難事件を独房から解決する元理髪店主の物語は、探偵小説の枠を超えた独特の魅力を持っています。著名な作家二人の共作によるこの連作短編集は、事件の背後にある人間ドラマや饒舌な相談者たちの語りが印象...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』(岩波書店) - 著者:ホルヘ・ルイス ボルヘス, アドルフォ ビオイ=カサーレス 翻訳:木村栄一 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS(2023/08/24)
    https://allreviews.jp/review/3169

    ひとでなしの猫 ボルヘス/ビオイ=カサーレス 『ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』 木村榮一 訳
    http://leonocusto.blog66.fc2.com/blog-entry-1320.html

    I problemi di Don Isidro (TV Series 1978) - IMDb
    https://www.imdb.com/title/tt0469712/

    ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b264477.html

    U255 ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件 - 白水社
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b651081.html

  • ボルヘス好きなのだが、うーんこれは面白……みを感じづらかったな。
    というのも、パズラー式に情報の提供と解明が行われるわけでもなく、依頼人がダラダラと喋りまくり、パロディが推理、というよりは「説明」していく。
    申し訳ない、ほとんど流し読みになってしまった。
    「簡潔なご説明をお願いできますか」
    「はい、一切の隠喩を差し挟むことなく直截な表現を試みてまいりますが、私のごとき描写の才に欠けた者の見聞きしたことで本当にお眼鏡にかなうものでしょうか、ところでウェルギリウスの同伴者でもあったかの才に長けた作者の言葉を借りれば」云々、
    みたいなお喋りキーワードが時々出ていて、そこを探すのが面白かった。

    解説に、ボルヘスの惹かれたプロットは三つに分けられる、〈(1)推理小説仕立ての作品。(2)ナイフ使い、ならず者を主人公にした作品。(3)聖なるもの、超越的なものをテーマにした作品〉とあった。
    私含め少なからぬ読者は(3)を求めるのだが、実は(2)を通じて〈ヨーロッパ的な古代、中世の英雄叙事詩が欠けているアルゼンチンに英雄叙事詩、あるいは英雄物語をよみがえらせようとしたひとつの試み〉なのだと。
    なるほどな……これって中上健次が初期に「世界はいつまでもギリシャ悲劇を演じ続けている」と書いた上、延々中本の一統を描いたことにも通じるんじゃないかしらん。



    [目次]
    ◇H・ブストス=ドメック
    ◇序文
    ※身に覚えのない殺人の罪で投獄され、服役中の元理髪店主イシドロ・パロディが、面会人が持ち込む数々の難事件を対話と純粋な推理のみで解き明かしていく。
    ■世界を支える十二宮
    黄道十二宮を用いたイスラム教の加入儀礼の最中に宗派の導師が殺され、容疑をかけられた新聞記者。
    ■ゴリアドキンの夜
    急行列車内で起きたロシア皇女のダイヤをめぐる犯罪に巻き込まれた舞台俳優。
    ■雄牛の神
    パンパの大草原を望むテラスで雄牛の行進を眺めつつ刺殺された農場主。
    ■サンジャコモの先見
    勲章受勲者の一人息子と婚約した娘はなぜ毒殺されたのか。
    ■タデオ・リマルドの犠牲
    下町の安ホテルに集う人々に新来の田舎者がもたらした波紋とその結末。
    ■タイ・アンの長期にわたる探索
    雲南奥地の至聖所から盗まれた宝石を追ってブエノスアイレスへやって来た中国人魔術師の探索行。
    ◇訳者解説 木村榮一

  • 大作家2人の共作、しかもミステリーということでワクワクしながら読んだのですが、割と難解で読むのに時間がかかってしまいました。

    身に覚えのない殺人の罪で服役中のドン・イシドロ・パロディのもとに様々な依頼人がやってきて話をし、彼が独房から出ることなく事件を解決していく連作短編集。

    とにかく相談者たちがみんな饒舌。大袈裟な話し方をしたり、見栄を張ったり、脱線しまくったりで、肝心の事件の全貌が分かりづらいのです。各短編は事件編と解決編に分かれているものの、事件を解決するのを楽しむというよりかは彼らのお喋りをどれだけ楽しめるか(耐えられるか)、みたいな感じの作品でした。

    収録されいる中では電車の話とホテルの話が好きでした。

  • トリックよりも、変幻自在の語りに引き込まれる。
    殺した男の口に宝石を詰める話は、なかなかよかった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1899年ブエノスアイレスに生まれる。教養豊かな家庭に育ち、年少よりヨーロッパ諸国を移り住んだ。六歳の頃から早くも作家を志望し、驚くべき早熟ぶりを示す。アルゼンチンに帰国後、精力的な文学活動を開始。一九六一年国際出版社賞を受賞。その後、著作は全世界で翻訳されている。20世紀を代表する作家の一人。
驚異的な博識に裏打ちされた、迷宮・鏡・円環といったテーマをめぐって展開されるその幻想的な文学世界は、日本でも多くの愛読者を持ち、全作品のほとんどが翻訳出版されている。一九八六年スイスにて死去。
小説に『伝奇集』『ブロディーの報告書』『創造者』『汚辱の世界史』(以上岩波書店)『エル・アレフ』(平凡社)『砂の本』(集英社)、評論に『続審問』『七つの夜』(以上岩波書店)『エバリスト・カリエゴ』『論議』『ボルヘスのイギリス文学史』『ボルヘスの北アメリカ文学史』『ボルヘスの「神曲」講義』(以上国書刊行会)『永遠の歴史』(筑摩書房)、詩に『永遠の薔薇・鉄の貨幣』(国書刊行会)『ブエノスアイレスの熱狂』(水声社)、アンソロジーに『夢の本』(国書刊行会)『天国・地獄百科』(水声社)などがある。

「2021年 『記憶の図書館 ボルヘス対話集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×