エンジョイ・アワー・フリータイム

著者 :
  • 白水社
4.12
  • (6)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560080535

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 微妙な立場の設定が、微妙なのに変なんだけど3作とも確立しているおもしろさ。「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」は繰り返し繰り返し進んでいるのかいないのか読んでいる者を多少いらつかせながら、3つのトピックが結局のところきちんとまとまったラストシーンとして幕を閉じる。これは演じるとしたら役者さん大変そう。でもある意味正解のないものでいいような気もするので、舞台でも観てみたい。

    「フリータイム」は、冒頭と終わりに、「フリータイムが始まる、終わる」「フリータイムを始める、終わる」必然のか、偶然なのかという表現が、内容にも反映している。もしかしたら舞台上の人だけが、始めたわけでも終わったわけでもないかもしれません。

  • 「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」「フリータイム」「エンジョイ」の三編。最近書かれたものから時代をさかのぼるような順番に並ぶ。
    戯曲というより小説に近い感じで、だんだんそういう方向になっていったのかなぁと想像する。

    「ホットペッパー」
    >僕今日ほんとこれたまたまなんですけど、ホットペッパーを持ってきてるんですよ
    リフレイン芸みたいな、このフレーズが出てくるたび笑う。

    実際どういう感じなんだろう。実際、劇で見たときにどういう風になるのかなって興味は残る。視点というか、これはセリフを述べている役者さんが変わっているのかな?とか。()ってあるけどこれ思ってるのって誰なんだろう?とか。あとがきにあるけど、演出者によってどうにでもなっちゃうような遊びの部分を多く残しているから、結果的に戯曲としての完成形は舞台の上にしかないのかな、とか。

    派遣とかフリーターとかの話なんだけれど、あくまで人間味ってところが、いいよなあ。

  • やっぱり「フリータイム」が僕は一番好きだなぁ、と思った。彼らを一番最初に知ったのもあれだったからか。やっぱり、あれが一番面白いなぁ、と。「ホットペッパー~」に関しては、この前見た時にどうしても第3部が鼻についたということで、そこを重点的に読んだけど、戯曲集として読むと、違和感はない。やっぱりトーンの問題だろうなぁ。(10/6/7)

  • チェルフィッチュみたことあるから、「上演される戯曲」としても想像はつくけれど、敢えての人称ズラシ等を楽しむことができ、「読む戯曲」として新鮮&発見。

  • 面白かった!『フリータイム』がすき。最近ののほうが好きだけど。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1973年、神奈川県生まれ、熊本県在住。演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。主宰する演劇カンパニー、チェルフィッチュでは2007年に同作で海外進出を果たして以降、世界90都市以上で上演。海外での評価も高く、2016年よりドイツを始め欧州の劇場レパートリー作品の作・ 演出を複数回務める。近年は能の現代語訳、歌舞伎演目の脚本・演出など活動の幅を広げ、歌劇『夕鶴』(2021)で初めてオペラの演出を手がけた。2023年には作曲家藤倉大とのコラボレーションによる音楽劇、チェルフィッチュ×藤倉大withクラングフォルム・ウィーン『リビングルームのメタモルフォーシス』をウィーンにて初演。小説家としては2007年にはデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を発表し、2022年『ブロッコリーレボリューション』(新潮社)で第35回三島由紀夫賞、第64回熊日文学賞を受賞。

「2023年 『軽やかな耳の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡田利規の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ポール・オースタ...
朝吹 真理子
川上 未映子
高橋 源一郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×