サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 308
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560081112

作品紹介・あらすじ

ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督のもと、世界で戦う選手たちを「食」で支えてきた専属シェフの奮闘記。初めて明かされる、W杯からアジア杯優勝の舞台裏。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからも分かるとおり、サッカー日本代表をこれまで7年間にわたって
    支えてきた専属シェフである著者の初めての本。
    ドラマティックにするための、事実を誇大に表現するような記述は一切無い。

    初めて日本代表の遠征に帯同を依頼されてから、アジアカップやW杯を
    選手や監督、サポートスタッフと共に頑張ってきた日々を淡々と紹介する内容。

    サッカー好きには、日本代表の舞台裏を「食」の観点から知ることができて面白い。
    料理に関心がある人には、スポーツ選手を相手にすることの大変さや
    やり甲斐を知ることができてきっとタメになるだろう。

    淡々と、と書いたけど、事実には物語を超える力もありまして。
    思わず胸が熱くなってジーンと来る部分がある。
    南アフリカW杯やカタールでのアジアカップで熱狂の日々を
    送った方には特にそうだと思う。

    違った角度でサッカーを見ることが出来る上に、
    巻末には西流最強レシピまで付いてる嬉しい一冊。


    なお、著者は福島の方ということで、この本を書き上げて出版する直前に
    震災に遭っている。そんなこともあってか、この本の印税はすべて義援金
    として使われるとのことです。ご本人もきっと大変だろうに。
    初めてこのように本という形を残したというのに、報酬を受け取らないなんて。
    著者(出版社も?)の心意気には、ただただ感心させられるばかり。

  • ぼんやりとは知っていたけれど、食事のもたらすいい効果がたくさん綴られている。サッカーを観るようになってからはまだ日が浅いけれど、前回W杯のあたりは記憶に新しく、知っているだけに思い返しながら読み進めることができた。食事学・栄養学も学んでみたいと思うし、料理にも一瞬だけど(笑)意欲が沸いた。
    また西さんの故郷愛にも触れておきたいと思う。この本の購入が義捐金として寄付されることも嬉しく思う。

  • カテゴリーはスポーツの所にあったが、料理本としても使える本だと思う。

    著者は福島出身であり、Jビレッジができる頃にJヴィレッジの専属料理人となり、日本代表の試合の専属シェフとして同行した経験をもつ。

    ジーコジャパンのアジアカップ、ドイツW杯、オシムジャパンのアジアカップ、岡田ジャパンのWカップとシェフとしてどのようなメニューを出したのか、現地での苦労や、現地の厨房のスタッフとどのような交流があるのかを書いている。「食」という面から日本代表を支えると同時に、ストレスの大きい代表選手を陰ながらサポートしていることを感じた。また、他国の代表の料理の状況なども知り得るところで書いており、いろいろと学ぶことが多かった。

    やはり日本代表も裏方も、経験というのは財産だなあと深く感じる本だった。巻末に代表的なレシピが載っており、著者の印税は全て、東日本大震災の義援金となるようなので、ぜひ購入して読んでみてほしい。

  • 読んでいて、正直、胸に熱いモノがこみ上げた。選手や監督のみがスポットライトを浴びている中、それを支える裏方スタッフの奮闘ぶり、苦悩、選手達との触れ合いなどあり、そして背番号24を背負ったシェフコートを着て、裏方もチームの一員として闘うという姿勢に感動した。ちょっと泣けた。そして本書中に、かつてコンサドーレ札幌のスタッフだった津村さんが代表スタッフとなり奮闘されている姿にも触れられていて、元気にやってるんだなと嬉しくなった。サッカーのまた違った一面を知るための良書。

  • サッカーワールドカップ日本代表選手および、監督やスタッフたちを「食」という分野で支え続けた一人のプロフェッショナルの手記です。彼は福島出身だと伺っていますので、この場を借りてお見舞い申し上げます。

    僕ははっきりいって、サッカーには余り興味はありません。しかし、この本はすごく面白かったです。僕が本当に読みたい話はこういうものだったんだと読んだあとに思わずつぶやいてしまうほどでした。この本はサムライブルーことサッカーの日本代表を「食」という分野で支え続けた一人の料理人の「もうひとつのワールドカップ物語」とも呼ぶべき本です。

    南極料理人こと西村淳さんの本もそうですが、極限下で戦い続ける男たちのエネルギーとなるものはやっぱり「食べる」ということで、南極とワールドカップ。ピッチと厨房。戦うフィールドは違えど、世界の料理人と料理で火花を散らしながらサッカー日本代表メンバーやそのスタッフを支え続けた姿にプロフェッショナルとして、心底尊敬の念を持ちました。

    世界各国の厨房で料理をするので、現地のスタッフともやっていかなければならない。しかし、彼らにも料理人としてのプライドがあって、最初は容易に心を開かないのですが、筆者の料理の腕前と、お互いの国の料理を教えあったりしてコミニュケーションをとりながら、親交を深めていく姿が読んでいて好感をもてました。そして、世界各国で行った「ライブクッキング」も選手たちには好評だったようで、こういう料理が食べたいなと思い、唾液が口からあふれてしまったことを思い出します。

    そして、南極料理人のときもそうだったんですけれど、異郷にあって日本を思い起こす料理として、「しょうゆラーメン」がそれに当たるという話で、筆者が選手たちに振る舞い、選手や監督やスタッフ。最終的にはほかの国のスタッフや料理人にたるまで、彼の作るラーメンのファンになってしまったというくだりは、あぁ、どこにいてもラーメンなんだな、という共通の思いでしみじみとしたものを感じました。

    ほかにも、異国で感じた苦労話やいつもは笑顔を絶やさない岡田監督がワールドカップの間はずっと眉間にしわを寄せていたという中に、彼らの中にあるプレッシャーを感じることができました。サッカーに興味のある方はもちろんのこと、もうひとつのワールドカップとしてこういう一人一人のプロフェッショナルたちがいるからこそ、あの夢舞台があるのだなということを感じていただきたい方には、ぜひ読んでいただければと思っています。

  • 南極料理人の本もそうだったけど、限られた状況で料理を工夫する才は近い性格からくるのだろうか。語り口が似ている。
    各国で食材の調達できる状況が多種多様で興味深く読んだ。
    南アフリカは中国系の進出で意外と調味料があるとか、東南アジア圏は厳しいとか。

  • サッカー日本代表の舞台裏が垣間見えて興味深い。料理そのものよりも食材調達についてがおもしろかった。イングランドだとさらに大所帯だそうで、多人数競技の遠征や大会はこれは、金がかかるなと変に感心した。

  • 2011/7/30読了。

    サッカー日本代表という表に立って活躍する人の裏には、それ以上に沢山の人が働いているということを実感できる1冊。

  •  サッカー日本代表専属シェフの西芳照さんによる、ノンフィクション。世界と戦ってきたプロ選手たちの食事を裏で支えてきた料理人の世界を描いている。

     選手たちが万全の体調で試合に出られるよう、どんなに環境が劣悪でも、単に栄養素を満たすだけの食事を用意するのではなく、リラックスしてたくさん食べてもらえるようなメニュー作りや目の前で調理するライブクッキングなど、ソフト面での工夫・努力に心を砕いている姿に頭が下がる。

     世界の舞台で活躍するサッカー選手もプロなら、その選手たちの体調を管理する料理人である西さんもプロ。お互いをプロと認めた者同士の、職種を超えた交流が感動的で、思わず目頭が熱くなったシーンが何度かあった。

     また「楽しく食事をする」ということが、スポーツ選手の栄養管理だけにとどまらず、ふだんの我々のQOLに密接に関係していることを考えさせられる本だった。

  • そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。
    おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを食べてみたい、とか、はずれてもそれはそれで思い出、とか、楽しく巡る時間や気持ちの余裕があるわけじゃない。

    環境のまるで違う土地へ行き、プレッシャーとストレスの中、勝たねばならない試合を闘ってくるのだ。
    国の代表としてベストのパフォーマンスをするために、コンディションを整えなければならない。

    代表が海外遠征でどんな食事をしているのだろう、なんて、そういえば考えてみたことがなかった。ただ漠然と、ちゃんと用意された、何かおいしいものを食べているのかな…と思っていたくらいで。
    スポーツ選手として、普段から食事は大事なはずだけれど、ひと月やふた月近くになる長丁場、なおのこと食事はとても大事になってくる。おなかを壊したり体調を崩したりしてはいいプレーは出来ないし、食事でリラックスすることも必要だ。
    シェフを帯同するのは当然とも言える。

    その帯同シェフ・西さんのエッセイで垣間見る、苦労とやりがい。
    そうだよねえ、すべての食材を日本から持っていくにはお金もかかる、現地で調達出来るものは極力して、知恵と工夫でおいしくバランスのとれた食事を用意する。そのためには事前に調べたり、何を持っていくか考え、現場では困難にも対処し。。。
    自分の料理で、選手の体重を減らさせない!ベストのパフォーマンスを出させてあげたい!という、24番目のメンバーとしての熱意と誇りが、みしみし伝わってくる。


    追記
    イングランド代表が試合後のスタッフルームで暖かい料理を食べていたこと、セルティックが試合の終わった帰りのバスのなかで暖かいパスタを出すことなどに、さすがサッカー先進国と感じました。(根性だけでは勝てません、経験と理論に基づいた準備とケアと積み重ね。)

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著者プロフィール

1962年福島県生まれ。2004年以降、サッカー日本代表の専属シェフとして海外遠征試合に帯同する。著書に「サムライブルーの料理人 サッカー日本代表専属シェフの戦い」など。

「2014年 『サムライブルーの料理人 3・11後の福島から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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