- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560081112
作品紹介・あらすじ
ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督のもと、世界で戦う選手たちを「食」で支えてきた専属シェフの奮闘記。初めて明かされる、W杯からアジア杯優勝の舞台裏。
感想・レビュー・書評
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読んでいて、正直、胸に熱いモノがこみ上げた。選手や監督のみがスポットライトを浴びている中、それを支える裏方スタッフの奮闘ぶり、苦悩、選手達との触れ合いなどあり、そして背番号24を背負ったシェフコートを着て、裏方もチームの一員として闘うという姿勢に感動した。ちょっと泣けた。そして本書中に、かつてコンサドーレ札幌のスタッフだった津村さんが代表スタッフとなり奮闘されている姿にも触れられていて、元気にやってるんだなと嬉しくなった。サッカーのまた違った一面を知るための良書。
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タイトルからも分かるとおり、サッカー日本代表をこれまで7年間にわたって
支えてきた専属シェフである著者の初めての本。
ドラマティックにするための、事実を誇大に表現するような記述は一切無い。
初めて日本代表の遠征に帯同を依頼されてから、アジアカップやW杯を
選手や監督、サポートスタッフと共に頑張ってきた日々を淡々と紹介する内容。
サッカー好きには、日本代表の舞台裏を「食」の観点から知ることができて面白い。
料理に関心がある人には、スポーツ選手を相手にすることの大変さや
やり甲斐を知ることができてきっとタメになるだろう。
淡々と、と書いたけど、事実には物語を超える力もありまして。
思わず胸が熱くなってジーンと来る部分がある。
南アフリカW杯やカタールでのアジアカップで熱狂の日々を
送った方には特にそうだと思う。
違った角度でサッカーを見ることが出来る上に、
巻末には西流最強レシピまで付いてる嬉しい一冊。
なお、著者は福島の方ということで、この本を書き上げて出版する直前に
震災に遭っている。そんなこともあってか、この本の印税はすべて義援金
として使われるとのことです。ご本人もきっと大変だろうに。
初めてこのように本という形を残したというのに、報酬を受け取らないなんて。
著者(出版社も?)の心意気には、ただただ感心させられるばかり。 -
サッカー日本代表の専属シェフのお話。日本代表を食の面から支える人の舞台裏がわかり、とても面白かった。オススメ!
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ただ単に食事を提供するレストランの出張シェフではなく、選手たちが100パーセントのパフォーマンスを発揮するためにサポートするチームスタッフの一員として調理師が実践した「食事学」の記録。東日本大震災の直後に出版されたという経緯もあって、あとがきには白水社からの心のこもった追記があり、また印税の全額が被災者の義援金に当てられるということに、サッカー代表チームに対して著者が抱いているリスペクトを含めたこの本の誠意を感じました。
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カテゴリーはスポーツの所にあったが、料理本としても使える本だと思う。
著者は福島出身であり、Jビレッジができる頃にJヴィレッジの専属料理人となり、日本代表の試合の専属シェフとして同行した経験をもつ。
ジーコジャパンのアジアカップ、ドイツW杯、オシムジャパンのアジアカップ、岡田ジャパンのWカップとシェフとしてどのようなメニューを出したのか、現地での苦労や、現地の厨房のスタッフとどのような交流があるのかを書いている。「食」という面から日本代表を支えると同時に、ストレスの大きい代表選手を陰ながらサポートしていることを感じた。また、他国の代表の料理の状況なども知り得るところで書いており、いろいろと学ぶことが多かった。
やはり日本代表も裏方も、経験というのは財産だなあと深く感じる本だった。巻末に代表的なレシピが載っており、著者の印税は全て、東日本大震災の義援金となるようなので、ぜひ購入して読んでみてほしい。 -
サッカーワールドカップ日本代表選手および、監督やスタッフたちを「食」という分野で支え続けた一人のプロフェッショナルの手記です。彼は福島出身だと伺っていますので、この場を借りてお見舞い申し上げます。
僕ははっきりいって、サッカーには余り興味はありません。しかし、この本はすごく面白かったです。僕が本当に読みたい話はこういうものだったんだと読んだあとに思わずつぶやいてしまうほどでした。この本はサムライブルーことサッカーの日本代表を「食」という分野で支え続けた一人の料理人の「もうひとつのワールドカップ物語」とも呼ぶべき本です。
南極料理人こと西村淳さんの本もそうですが、極限下で戦い続ける男たちのエネルギーとなるものはやっぱり「食べる」ということで、南極とワールドカップ。ピッチと厨房。戦うフィールドは違えど、世界の料理人と料理で火花を散らしながらサッカー日本代表メンバーやそのスタッフを支え続けた姿にプロフェッショナルとして、心底尊敬の念を持ちました。
世界各国の厨房で料理をするので、現地のスタッフともやっていかなければならない。しかし、彼らにも料理人としてのプライドがあって、最初は容易に心を開かないのですが、筆者の料理の腕前と、お互いの国の料理を教えあったりしてコミニュケーションをとりながら、親交を深めていく姿が読んでいて好感をもてました。そして、世界各国で行った「ライブクッキング」も選手たちには好評だったようで、こういう料理が食べたいなと思い、唾液が口からあふれてしまったことを思い出します。
そして、南極料理人のときもそうだったんですけれど、異郷にあって日本を思い起こす料理として、「しょうゆラーメン」がそれに当たるという話で、筆者が選手たちに振る舞い、選手や監督やスタッフ。最終的にはほかの国のスタッフや料理人にたるまで、彼の作るラーメンのファンになってしまったというくだりは、あぁ、どこにいてもラーメンなんだな、という共通の思いでしみじみとしたものを感じました。
ほかにも、異国で感じた苦労話やいつもは笑顔を絶やさない岡田監督がワールドカップの間はずっと眉間にしわを寄せていたという中に、彼らの中にあるプレッシャーを感じることができました。サッカーに興味のある方はもちろんのこと、もうひとつのワールドカップとしてこういう一人一人のプロフェッショナルたちがいるからこそ、あの夢舞台があるのだなということを感じていただきたい方には、ぜひ読んでいただければと思っています。 -
サッカー日本代表の舞台裏が垣間見えて興味深い。料理そのものよりも食材調達についてがおもしろかった。イングランドだとさらに大所帯だそうで、多人数競技の遠征や大会はこれは、金がかかるなと変に感心した。
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2011/7/30読了。
サッカー日本代表という表に立って活躍する人の裏には、それ以上に沢山の人が働いているということを実感できる1冊。