- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560081815
作品紹介・あらすじ
「知恵の鳥」は賢くない?最古の鳥類とも言われる鳥は、どのように人間の目に映り、崇められ、忌避され、愛されてきたか?洞窟壁画から「ハリー・ポッター」まで、『裸のサル』で知られる動物行動学者がその謎と魅力を解き明かす。カラー・モノクロ図版多数。
感想・レビュー・書評
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テーマ史
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知恵、邪悪、死や頑固さの象徴、神の使い、あるいは魔女の使い魔など、実に多様な面をもつフクロウ。また、その体の各部位は、古くは様々な病の薬として、信じ難いほど広い地域で用いられたといいます。
不思議な姿かたちを含め、魅力あふれるフクロウについて、歴史・文化・生態の観点でつづった一冊。 -
アイヌの守り神としてのシマフクロウは知っていたし、最近いろいろな語呂で人気のフクロウ。
個人的にも好きな鳥であるが、歴史的に見ると文化として、忌み嫌う存在だったり、世界的にも神・神の遣いとしてあつかわれていたり両極端な存在だったのだとわかった。
フクロウの特徴にやたらと回転する首と正面を向いた両眼があるけれども、エジプトの象形文字の頃から、体が横、顔が正面という構図で描かれていたとは、人とフクロウの関わりの長さ、とらえ方の普遍性を感じた。 -
題名通り、フクロウについて様々な面から掘り下げていて飽きない1冊。
装丁がいい。カバーの質感、本文・見返し・扉の色合い、さりげなく添えられたイラスト。図版もたくさんでキレイ。小さめの文字サイズで、組版も良い! -
新聞の書評で見かけて気になったので購入。
ファンタジー小説はよく読むけれど(そして自然科学も好きだけれど)、フクロウをピンで取り上げた本ってまだ読んだことがなかったな…… という程度のフクロウ初心者なので、フクロウという鳥の生態を、各方面からとりあげたこの本は非常に読み応えもあったし面白かった。
個人的には、「キャラクター」あるいはアイコンとしてデザインされたフクロウの項目がお気に入り。そういえば、長野五輪のラクガキ……でなかった、スノーレッツとかいましたね……。 -
少なくとも六千万年前から存在し、少なくとも三万年前から人間と関わりを持ってきたフクロウ。本書は古代から物語や芸術、工芸品のモチーフとして、迷信として人間がどうフクロウを捉えてきたかを集めて紹介している。
不思議なことに、世界中で良いフクロウ悪いフクロウと、対極の意味づけがなされている。強い・賢い(実際は賢くない)・物静か・神の使いとなるフクロウ、一方死を告げる・不幸をもたらす・魔女の使い魔としてのフクロウなど。単にフクロウとしてのモチーフは少ないようだ。
そんな意味を知ってか知らずか、実家にもフクロウの工芸品がたくさんあった。
お陰で今でもフクロウにはちょっと特別好意的な感情がある。
とは言え、正直同じような話を各年代各地方各カテゴリーごとにされるのもさすがに食傷気味になるので、この本は九章(その歴史・文化・生態の生態の部分)までは流し読みでいい気がする。食傷気味になりすぎてただ生き物としてのフクロウが愛おしくなってしまうのだ。
富士花鳥園に行きたい。 -
フクロウについていろいろな角度から調べたフクロウ好きにはこたえられない一冊。図版も多くて楽しかった。
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ふくろうの歴史、文化、生態について「裸のサル」の著者が世界中から情報をあつめて紹介している。どの民族の神話でも、賢い聖なる鳥と不吉で邪悪な鳥との正反対の象徴とされている等興味深い話がたくさん出てくる。実際のふくろうは、あまり賢くなく、カラスより相当劣るようだ。教材として使われるふくろうのペリット(吐き出された未消化物)を集める専門の会社があるなどイギリスのふくろう文化の奥深さも知ることが出来た。著者のふくろうに対する愛情が素直に伝わってくる素晴らしい本である。