「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか

著者 :
  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560082829

感想・レビュー・書評

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  • 日本独特のデモクラシーがどのような背景で成立し、その中で「空気」というものがどのような機能を果たしているのかを説明している。明治維新や江戸時代、あるいは先史時代からの分析も踏まえて、象徴的な権威と実質的な権力が分立し責任の所在が曖昧になった日本の社会構造を論じる内容。
    山本七平や丸山眞男の著作からの引用も多く、学びの多い内容だった。

  • 新卒で病んでた時になぜか上司に勧められた本。なお、病んでたこととは全く関係ない。

    日本人はなぜ物事を決められないのか、なぜ愚かな洗濯ばかりをしてしまうのかということをこれまでの歴史的背景や日本人論、国民性に関する研究などをもとに分析した割とまともな本。

    意思決定者の存在をあいまいにすることで、責任の所在をはっきりさせず、何となく全体的な空気感で物事が決まること、
    明確な目標を設定していないがために、やってる途中で何をやっているのか、なんでやっているのかだんだんわかんなくなる、
    みたいなところが日本の組織、意思決定プロセスの特徴らしい。

    うーん、あかんなこれは。

    本書で触れられていた、失敗の本質という本もぜひとも読んでみたいと思いました(小並感)

  • ふむ

  • ”池田信夫さんのブログはときどき読んでいたが、著書を読むのは初めて。
    サブタイトル「日本人はなぜ決められないのか」が気になる。

    <キーフレーズ>
    “引用”

    <きっかけ>
     大ボスのおすすめ。

  • 【由来】
    ・気に入らないけど気になる存在、池田信夫。紀伊国屋でR.グラットンの本を探している時に目についてパラパラと眺めてみたら、そこそこ、面白そうだったので。

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 新宿

  • 一度は読んでおきたい
    池田信夫の代表作
    4.5点

  • 官民問わず意思決定不全による失敗を繰り返してきた日本の歴史を神話や古事記の時代から振り返り、丸山真男や山本七平といった過去の学者や思想家による論考も引用・解釈しつつ、「空気」という概念を軸に問題の本質を明らかにした集大成的な日本人論。

    著者は、日本が地政学的な特性によって、歴史的に外部からの侵略をあまり受けることなく技術や文化の吸収に成功した一方、農村共同体に端を発するボトムアップ型利害調整メカニズムも時代を越えて温存されてきたため、国や企業がタコツボ型・部分最適思考に陥り、責任の所在が曖昧な「空気」による意思決定が今日もまだ横行していると主張する。

    その解決策として、著者の持論である自由主義経済に基づく労働人口の流動性向上といったマクロ的施策も提案されるが、「空気」の存在自体を否定できないならば、個人として「空気」を変える、或いは新たな「空気」を“つくる”にはどうすべきかといった点も踏み込んで考えてみたいと感じた。組織や社会の「空気」と戦う準備として読む価値がある一冊。

  • 最近、テレビにも出る池田信夫による、古来から日本を支配する「空気」の構造を分析する一冊。

    色んな角度から分析するのは素晴らしいし勉強にもなるのだけど、結論は割とありふれた感が。

  • 決められない日本の政治と、グローバル資本主義の中で大胆な事業再構築のできない日本企業。両者に共通する欠陥は?


    いずれも中枢機能が弱く、小さな問題は決められるが、利害の対立する大きな問題は決められず、先送りすること。役所も日本企業もタコツボ的な自律性が強い。人々がまわりの空気を読んで行動するため、責任の所在が曖昧で、中枢機能が弱い。平和な時はうまく行くが、有事の時には日本の意思決定の遅さでは犠牲者を増産してしまう。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本放送協会(NHK)に入局。報道番組「クローズアップ現代」などを手掛ける。NHK退職後、博士(学術)取得。経済産業研究所上席研究員などをへて現在、アゴラ研究所代表取締役所長。著書に『イノベーションとは何か』(東洋経済新報社)、『「空気」の構造』(白水社)、『「日本史」の終わり』(與那覇潤氏との共著、PHP研究所)、『戦後リベラルの終焉』(PHP研究所)他。

「2022年 『長い江戸時代のおわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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