サミュエル・ベケット短編小説集(新装復刊)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560084250

作品紹介・あらすじ

待望の復刊! 収録作品=短編と反古草紙(追い出された男/鎮静剤/終わり/反古草紙)/死んだ頭(断章[未刊の作品より]/たくさん/死せる想像力よ想像せよ/びーん)/なく/人べらし役

感想・レビュー・書評

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  • これを読むと「ゴドー待ち」はまだ大衆的なんだなという気がしてくる。不条理と脈絡の無さはまた別の物だということが私の中で浮き彫りになった。不条理から意味を引き出すことは案外容易で、それはカフカに対する無数の解釈が証明しているが、ベケットの脈絡の無さは意味づけそのものを拒否している。あるいは有/無、0と100の両方を包括する視点を要求しているか。ともあれおよそ地上的な視点にはいない人である。
    ブラックホールの地平線より向こう側へ人類が歩を進めるようになった頃、あるいはそうでなくなった頃、ベケットもまた理解できるような気がする。

  • 白水社創立100周年記念復刊。但し旧版に収録されていた戯曲2編は、戯曲全集に収録されるため割愛された。
    『ゴドーを待ちながら』にも見られた圧倒的な『ワケの解らなさ』が短編ではより凝縮されている。この眩暈がするような『ワケの解らなさ』というのはやっぱり魅力で、ぼんやりと作品世界に浸っていられるような気がする。不条理小説というとカフカ、カミュ、シュルツ……等々の名前が浮かぶが、不条理であるだけに、誰もが独自の世界を確立していて、そういうものを読んでいるときの幸福感は得がたい魅力がある。
    ベケットの戯曲全集、買おうかな……。

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著者プロフィール

1906年アイルランド生まれ。小説家・劇作家。『モロイ』『マロウン死す』『名づけられないもの』の小説三部作や、戯曲『ゴドーを待ちながら』を発表。1969年ノーベル文学賞受賞。1989年没。

「2022年 『どんなふう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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