キリスト教一千年史:地域とテーマで読む(下)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560084588

作品紹介・あらすじ

発展と多様性の歴史
 本書は1世紀のナザレのイエスから西暦1000年ごろまでのキリスト教世界を、章ごとに人物、地域、重要な概念をテーマとして、広大な地域・長大な時間軸をわかりやすくまとめたものである。
 教会の中心的な信仰の定式化、独特な慣行の発展、最も長続きしている制度の確立は、最初の5世紀間に起こった。さらなる500年でこの宗教は、はるか遠方まで到達する一方で、かなりの地域がイスラームの支配下に入るという激動も経験した。
 教会の歴史は単なる一宗教共同体の歴史ではなく、古代世界のさまざまな文化を作り替えた。アルメニア文字のように、聖職者が生み出した文字が現在まで使われている言語もある。教会は各地で隣り合う王国間のパワーバランスによって揺れ動き、また民族の独自性に寄り添い異なる形で発展していった。よく知られる正教会よりも東にはシリア語圏の教会が存在し、アジアへの伝道に大きな役割を果たした。初期のキリスト教美術はどんなものだったか、現存するシステムはどのように成立していったか。波瀾の歴史を語る36章!

感想・レビュー・書評

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  • 主に古代キリスト教を専門とする著者による,1世紀のナザレのイエスから西暦1000年ごろまでのキリスト教世界をまとめた本。内容自体は世界史の知識の延長線上で読むことができ,そこでは見過ごしてきた出来事やものを知ることができる。

  • 下巻。やっぱり人物名がぜんぜん頭に入ってこないんだけど、大まかな流れはつかめてきた感じがする。この先の歴史は何を読もう…。

  • 988年のキエフでのルーシ人ウラジーミルの洗礼までの歴史を詳述する。まず5世紀初めのネストリウス(コンスタンティノープル司教)とキュリロス(アレクサンドリア司教)の神人論の対決から。教理の確立するまでの論争が、当時はいすれも信仰者として尊敬されていた当事者間で行われたことが、今では信じがたい。この本では遠隔地でのキリスト教の伝道が詳しい。エチオピア(アラビア半島から海を渡って直ぐ!)、インド、アルメニア、グルジャ(ジョージア)、そしてスペイン、イギリス等。北方のキリスト教化という困難な任務を主に担ったのが、勇敢で忍耐強い修道士と司教だったとは励まされる説明である。イスラムの勃興の中で、北アフリカなどのキリスト教会の苦難が語られる。シリア語がキリスト教会にとって重要な言葉だったとは、今の内戦を知る状態では悲しい限りである。キリスト論の論争が詳しいが、教会の東西分裂について詳しく書かれていないのだけが、やや肩透かしだった。西ローマ帝国の滅亡などと大事件のように書かれるが、実際にはゲルマン人オドアケルとの政治的な駆け引きレベルの話だったとは皮肉な話。

  • イエスの誕生と死から千年間の歴史を、ヨーロッパからインドや中国まで、かつてない地理的な広がりのなかで、わかりやすく語る。

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著者プロフィール

1936年生まれ、シカゴ大学でPh.D.を取得。ヴァージニア大学名誉教授。元アメリカ宗教学会会長、現北米教父学会会長。邦訳は他に『ローマ人が見たキリスト教』(ヨルダン社、1987年)、『古代キリスト教思想の精神』(教文館、2014年)。

「2016年 『キリスト教一千年史(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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