イルストラード (エクス・リブリス)

  • 白水社
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本棚登録 : 51
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560090169

作品紹介・あらすじ

2002年2月、ニューヨークで活動を続けてきたフィリピン人亡命作家クリスピンが、ハドソン川にて死体で見つかった。彼の書斎からは、近代フィリピンを牛耳ってきた歴代の富と権力の内情を暴いた、執筆中の小説の原稿が消えていた。クリスピンの若き教え子ミゲルは、謎めいた死の真相を解明すべく、母国フィリピンへと旅立つ。師の足跡を追って奔走するミゲルだが、頻発する反政府デモ、テロ、停電、大洪水など事件や惨事がつぎつぎに起こり、師の知人たちとの会見も難航する。しかしそのような困難のなか、やがて師の人生を追うことの本当の意味に気づきはじめたミゲルは、迷宮を抜けだす道を求めて、飛行機で離島へ向かう…。

感想・レビュー・書評

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  • 地の文と、登場人物である小説家のいくつかの作品と、その小説家の伝記を書いている弟子の草稿が入れ替わり立ち替わり表われて、それでいて、話が錯綜するわけではないのですが、最期がよく理解できませんでした。って、結経ダメじゃん(爆)。結局、小説家が死んで、その謎を追う弟子ではなく、死んだのは弟子の方で、小説家がそれを小説に仕立てていた、という理解でよいのでしょうか?

  • フィリピン文学なんて初めてだ…。
    でも不思議と英米文学と日本現代文学の間の子?ってくらい、違和感はなかったな…。
    雰囲気もテンションも文体?も。

  • フィリピンを離れアメリカの大学でクリエイティブライティングの勉学を経て、アデレードの大学院にも通ったというフィリピンを離れ参加活動を続けているミゲル・シフーコ氏の作品「イルストラード」を読了。最近フィリピンに関わり始めているので、本棚に眠っていた本書を手に取った。フィリピン人の作家と聞いてまず???と思ったし、フィリピンという国の歴史をスペイン、アメリカ、日本に支配されながらも独立を勝ち得た国であるのだがまだまだ発展途上のままのちょっとゆったりした国というイメージくらいしかまずなかった。仕事で関わり始めてから支配層、富裕層と多くの国民との大きすぎるギャップ、ビジネス発展の立ち後れともなっている国家戦略、政治の稚拙さといったところと、逆に平均年齢の圧倒的な若さ、日本のオリンピック後のようなエネルギーを感じるところと残念な部分とポテンシャルを感じる部分があいまった国であるのは確かで、sのあたりの複雑なところが主人公の海外にいる若きフィリピン人作家の行けども行けどもフィリピンの姿が見えないという焦りとあきらめのような彼の足取りが、いまのフィリピンそのものであるような感じがした。かといって暗い物語ではない。無理矢理明るく語っている部分もあるのだが、フィリピン人の気質なのかどこかに冷ややかなあきらめも感じられる。作者の自らのルーツを探る旅でもこの著作はあったのではなかろうか。
    最後のどんでん返しは、予測もしてはいたが「まあね!」といった笑いを与えてくれたので翻訳物で読むのはつらかったがよしとしよう。

  • [ 内容 ]
    2002年2月、ニューヨークで活動を続けてきたフィリピン人亡命作家クリスピンが、ハドソン川にて死体で見つかった。
    彼の書斎からは、近代フィリピンを牛耳ってきた歴代の富と権力の内情を暴いた、執筆中の小説の原稿が消えていた。
    クリスピンの若き教え子ミゲルは、謎めいた死の真相を解明すべく、母国フィリピンへと旅立つ。
    師の足跡を追って奔走するミゲルだが、頻発する反政府デモ、テロ、停電、大洪水など事件や惨事がつぎつぎに起こり、師の知人たちとの会見も難航する。
    しかしそのような困難のなか、やがて師の人生を追うことの本当の意味に気づきはじめたミゲルは、迷宮を抜けだす道を求めて、飛行機で離島へ向かう…。

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    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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