エウロペアナ: 二〇世紀史概説 (エクス・リブリス)

  • 白水社
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本棚登録 : 267
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560090350

感想・レビュー・書評

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  • 期待に反して空虚な一冊。全編不定人称文で書かれたような、歴史の教科書の形式を模した本で、一作毎に辞書形式・クロスワード、前後から読めるなど工夫を凝らしたミロラド・パウ゛ィチの如く奇をてらったものだったが、内容は薄かった。

  • スクラップブックのような本だった。
    論文から新聞記事や雑誌の切り抜き、手書きのメモがランダムに貼り付けてあるような。
    内容もライトからシビアまで軽重さまざまなものが隣り合っている、そんなスクラップブック。
    それを文章でやっているのだから凄まじい。
    ヨーロッパの20世紀史概説という副題なのに随分薄いんだなと不思議に思いながら読んだが、確かに。
    色々なものが絡まり合うことで人間が作った時間の重厚さと軽薄さを同時に感じた。
    繰り返しも効果的。
    いや凄いな…。

  • ヒストリー・ストーリー。「歴史」というのは事実ではなく後世のとある人の解釈によって変わるもの。事実とは…?と考える。
    本自体はとてもユーモラス!だからこそ解釈とは恐ろしいな、とも感じる一冊。

  • 20世紀に起こったさまざまな事象を歴史的事件からパーソナルな出来事まで数珠つなぎに叙述。所々で時系列を錯綜させ、単線的な時間軸と歴史観に一石を投じている。

  • 不思議な本。歴史書のような小説のような。人の記憶のウネウネが、そのまま本になった感じ。妙にはっきりしているところやぼんやりしているところ、繰り返しがあって、振り回される。また読んでみたい。

  • 副題にあるように20世紀、ヨーロッパを中心に振り返った歴史書のような小説。
    ただ、独特な語り。20世紀の出来事を単に振り返るのではなく、語る順番が前後し、時には何度も繰り返し同じことがでてきたり、固有名詞と実話と虚構が入り交じる。その文体に惹かれる。語りの構造、全体の構成に惹かれる。

    特定の人物名が一切出てこず、不思議な感覚。

    そして、この物語を語る語り手の存在も不思議。

  • 文学

  • 『二〇世紀史概説』と副題にありますが第一次世界大戦、共産主義とナチズムをメインに書かれています。
    時系列に沿うわけでもなく、段落ごとに時代が繋がっていなかったりテーマが全く違っていたりとばらばらではあるものの先に読んだ内容を別の視点から語っていたり同じ内容が何度か出てきたりとゆるりとした繋がりができていました。
    具体的な数字、地名が挙げられていることが多いので二十世紀前半の激しさをリアルに感じられる内容でした。

  • 殺戮、迫害、ナチのユダヤ人、各地でのユダヤ人に対する迫害、ソ連の特殊収容所、劣等分子、反社会分子、精神病患者、アル中、有色人種、あらゆる少数への迫害、差別
    第一次世界大戦での被害、死んだ人の数、断種。
    語り口ミラン・クンデラに少し似てる気がした。本当恐ろしいな…と身震いしながらあっと言う間に読んでしまった。

  •  チェコ共和国の作家による、第1回日本翻訳大賞を受賞した作品。
     20世紀のヨーロッパ史を66の段落にまとめて書き表している。
    それら段落は2~5頁以内に収まっており、時系列に忠実に並べられているのではなく、シャッフルされた形式で並べられている。
     日本に関しては原爆とヒロシマに言及されている。
     いわゆる堅苦しい歴史書ではなく、とてもアイロニカルで、風刺に富んだ、ブラック・ユーモア的な箇所もあるが、ふざけている訳ではなく、かなり辛辣な内容にもなっている。
     20世紀とは戦争とジェノサイドの世紀であり、精神分析と性の解放の世紀であり、ナチと共産主義者の世紀であり、差別と民族間対立の世紀であり、民主主義と消費社会の世紀であり、バービー人形と馬用のガスマスクの世紀である、といったところか。
     ちょっと冗長な印象を受ける場面もあったので、僕は一気に読むことをせず、いくつかの段落を読んだらしばらく時間を空ける、といった読み方をした。

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著者プロフィール

1957年、チェコ人の父とイタリア系フランス人の母の間にプラハで生まれる。1984年フランスに渡り、チェスの講師として働いたのち、雑誌編集や辞書の編纂に携わりながらチェコ語で創作を開始。2001年、『エウロペアナ』でデビュー。他にチェコ語/フランス語の双方向の翻訳を多数手がけている。パリ在住。

「2014年 『エウロペアナ 二〇世紀史概説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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