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Amazon.co.jp ・本 (182ページ) / ISBN・EAN: 9784560091159
作品紹介・あらすじ
寄居、いちょう団地、石岡、城ヶ島……有名な観光地でも“映え”スポットでもない、人々に忘れ去られそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ──
外出や旅行が憚られたコロナ禍の2020 年。漫画・エッセイ・絵画・音楽等多方面に活躍する著者は、どこにも行けないのならと家に籠り、わずかひと月の間に過去の旅の思い出を漫画と文章で甦らせ、『旅の本』という書名で自費出版、大きな反響を呼んだ。これを大幅に加筆・修正し、さらにPR誌「白水社の本棚」連載「偶偶放浪記」や書き下ろし四篇を加え、新たな旅の本としてまとめたのが本書である。
宿も食事も想定外、なぜか巻き込まれる奇怪なアクシデントの数々、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する自らの記憶……笑いと哀感が入り交じり、読後はふらっとどこかへ行きたくなること必至の、珠玉の旅漫画+旅エッセイ集。
「私も小指さんの目と、耳と、鼻を借りて、今すぐ旅に出たい。近くて遠い、異界の入口をのぞいてみたい。しみじみと、最高です」 ──岸本佐知子
「どうでもいい町を歩く楽しみが、どうでもいい人生を楽しむ極意を教えてくれる」──都築響一
感想・レビュー・書評
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コミックはあまり読まないが、本の雑誌年間ベストで紹介されている物は割合と目を通している。
絵のタッチはどことなく、つげ義春を思わせる。少し蛭子能収も入っているかもしれない。小指の感性は嫌いじゃないのだが、吹き出しの中の自筆文字が小さく読みずらい。年をくっている私には判読不可能なところも多くストレスが少々溜まった。
取り上げている町は横浜市や神奈川の町の話題が多く、知っている所も多かったので、「ふむふむ」と感情移入しながら楽しめた。もう少し大きい版形で読めたら星の数も多くなったかな。
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こういう本大好き!
グレゴリ青山とテイストが似てるけど、小指さんの方がハードテイストな場所がお好きのようだ。
路地にぶらりと入り込み、寂れた街、忘れられた街に住む人たちと交流する。
こんな旅がもしかして一番贅沢なのかも。 -
『私は、中華街の表通りにある観光向けの中華屋よりも、路地にあるようなわざわざ人に見せないB面の中華街が好きだ。かつて中華街には、売っている野菜がすべて腐っているという奇跡の八百屋があった。ちょっと傷んでいるとかそういうレベルじゃなく、見ているだけでこっちの目までやられてきそうな末期的な傷みなのだ。そのため、そこの野菜の値段は鯉の餌より安かった』―『横浜中華街にまつわる掌編』
岸本佐知子氏推薦の小指氏の書籍第二弾、ということで衝動的に入手。こちらはアマゾンでも入手可能な白水社刊。掲載内容の一部が白水社のPR誌に連載されていた流れか。但し、ほとんどは同人誌「旅の本」に寄稿されたもの。時にルポルタージュ風の漫画であったり、岸本さんの「死ぬまでに行きたい海」風のエッセイであったりするが、どれも本当に行き当たりばったり的に訪れ(てしまっ)た所にまつわる話となっている。タイトル「偶偶放浪記」に偽りなし。
放浪と言えば一人旅のイメージだと思うが、小指氏の放浪の旅には同行者が伴う。しかし放浪の旅の行く先を決めるのはもっぱら小指氏の気まぐれ。相談もしているようだが、主な二人の同行者にはものごとを決定する強い意志はない。もし何の予備知識もなく本書を読んだとしたら、なんてお人好しの同行者(たち)なんだろうと思ってしまうかも知れないが、POCKET ROADSIDERSから出版されている「宇宙人の部屋」を読んでからこちらを読むと、はあはあ、あの人がこの人で、この人があの人で、と繋がり、お人好しなのはむしろ著者の方なのだということが解る。そして、あの人やこの人との道行きにも、こんなほのぼのとした時間もあったのだな、と妙な感慨も同時に湧いてしまうこと必至。因みに漫画にもしばしば登場する鬼殺しのパックが出て来る当たりの悲惨さは、本書では描かれていない。
それにしてもこの人の好奇心の旺盛さは常軌を逸しているようにも思えるが、そんな風に常識に縛られていないからこそ見えて来る(思わず見つけてしまう)面白さ(それをついつい思わず「ものごとの本質」と呼んでしまいそうにもなる)が本書の全編を通して描かれている。そして、その好奇心は一つところに収まらず、ふらふらと漂いがち。その漂い加減は、吹き出し以外にも夥しく漫画に描き込まれた文字の羅列を見るだけでも感じることができるだろう。余白に書き込まれた作家のコメント的な文言を読んだり筋と関係ない遊びを読むのは決して嫌いではないけれど、本書で全ての情報に触れて行こうとすると、入力過多で頭が麻痺しそうになる。
訪れる場所は、何処も彼処も変わっていて、可笑しくて、驚くような奇人変人が居て、でも、そのほとんどが過去の出来事で、と判ってくると、しんみりとした気分もじわじわと侵入してくる一冊。「おわりに」に入れそびれたという「どんな人にも無駄な旅が楽しめて、のんびりと幸せを噛み締められるような日が、一日も早く訪れますように」という一文が、いやが上にもそのしんみりとした気分を高揚する。思わず芭蕉の一句「おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉」が記憶の底からよみがえって口を衝く。 -
「白水社の本棚」に毎号掲載されている「小指の偶偶放浪記」。家に届くと毎回一番にチェックするほど気に入っていて、単行本化したと知り手に取りました。旅行記がすきで、それは自分の知らない世界がまだまだあることを痛感させられるからなのですが、著者が訪れる街は、レトロな(というか相当古い)店だったり、閑散とした商店街だったり、ヤバそうな場所だったり、見たことも聞いたこともないような場所ばかりで面白いです。最後に関西編があり、神戸にも来られていてワクワクして読んだら、まさかの新開地?!となりました。旅行者が訪れるのは稀で、わたしが大学生の頃は「新開地は治安が悪いから行くな」と人によく言われたものです(現在はしりません)。そんな街にも小指氏好みのステキな喫茶店はあるのですね。一風変わった旅行記を求めている方におすすめしたい漫画です。
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食欲と、未知のものへの好奇心。
ムサビ出身の女性漫画家?が、山谷だの西成だの、いわゆる怪しいところに行き、
(一応一人ではなく誰かと一緒)奇妙な出会いをし、美味しいものを食べる。
それを事細かな絵で表現する。単行本では字が小さくてごちゃごちゃして読みにくい
が、その分余計に雰囲気が伝わる。楽しい。
何より旨そう。汚い店の料理。思わず食べログで探すが、たいていもうない。
ここ10年の記録だそうで、コロナやら主の高齢化などでやめているとか。
残念。
いやしかしこの女性。腹が座ってる。根性がある。
あるいは単にリスク管理ができていないだけか?
でもある意味羨ましい。
楽しい本だ。
はじめに
登場人物紹介
いちょう団地の思い出
寄居旅行記
城ヶ島奇譚
ほら穴
神々の集う島 神津島
まぼろしの町 石岡
天下茶屋散歩日記
近所のチベット 笹山団地
大阪遠征 西成さすらい編
山谷のアーケード遺跡
沖縄のアサヒ食堂
横須賀の奇人「アトム爺」
横浜中華街にまつわる掌編
子安という町
京急線と奇妙な長屋群
関西旅行記
偶偶放浪記[第1~7話]
おわりに
初出一覧 -
前作「旅の本」に触発されて、このまえ寄居に行ってきた。
日帰りのつもりだったのに、寄居の空気に冒険心がくすぐられ、隣町(小川町)で一泊して帰ることに。
当日の予約でも快く迎えてくれる宿主の優しさだったり、シュールな看板を見つけた時の笑いや、ふらっと入った居酒屋が当たりだったときの嬉しさは、定番スポットではあじわえない。
旅は余白があるほど楽しいことに、32歳になってやっと気がつけた。
この本を読んで、またそんな旅に出たいと思った。 -
ノスタルジック!昭和!描き込みがすごい
どんな人が描いてるのかなと思ったら、現代的な美人だった。モリブタさんの描き方酷いなと思ったけど、実物写真見たら似てた。 -
旅先の選択がハード志向。西成や山谷。
伊豆大島の回がよかった。 -
本の雑誌・年間ベストから。かなりニッチなお出かけが題材で、自分でも行きたいとはあまり思わないんだけど、話を聞く分には楽しい。
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神奈川県内の話が数件。
小指の作品
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