疾走中国 変わりゆく都市と農村 (現代史アーカイヴス)

  • 白水社 (2024年11月27日発売)
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (402ページ) / ISBN・EAN: 9784560091494

作品紹介・あらすじ

まだ自由に取材できた時代の貴重な記録

中国全土に高速道路網が整備されるのに伴って、それまで隔絶していた都市と農村が急速に近づいていった――。本書は、本格的なモータリゼーションが始まったばかりの中国各地をレンタカーで巡り、ときに長期滞在して、都市と農村に押し寄せる変化の大波を、市井の人びとの視点から描いたドキュメントである。

チベット高原に近い辺境の地で目にした「消えゆく村々」の歴史と現実、北京郊外の農村で生活をともにした魏一家の民宿ビジネスと泥沼の党書記選挙、浙江省麗水市の起業家が手がけた下着製造工場の盛衰など、昨日とはまったく違う今日を必死に生きようとする人びとの姿を、ユーモアを交えながら多角的・多層的に描く。目の前の問題をいわば即興で切り抜け、小さな交通違反を重ねる彼らのやり方は、日々めまぐるしく変化し、混沌とした社会を生き抜くための生活技術そのものだと著者は言う。

中国滞在十年、米国随一のチャイナウォッチャーが人びととともに暮らし、彼らの深層心理にまで入り込むことでなしえた「力技」の傑作ノンフィクション。解説=阿古智子(東京大学大学院教授)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1. 中国の運転免許取得プロセス
    - 外国人が中国で運転免許を取得するためには、試験と実技講習を受ける必要がある。
    - 著者が受けた試験は、特に静かな北京の街で行われ、試験官の態度や試験環境が印象的であった。
    - 合格後、著者は中国名の「何仰」で登録された運転免許証を取得した。

    2. 中国の地図と旅行
    - 中国の地図帳は、国の領有権を主張するためにスプラトリー諸島を掲載していることを示す。
    - 旅行計画の過程で著者は、中国の広大な地理と歴史に魅了され、特に西部地域への興味を持った。
    - 改革開放以降、農村から都市への人口移動が進行中であり、多くの人々が新しい生活を求めている。

    3. 農村の現状と文化
    - 農村部では、農作物が道路に並べられ、法律があまり守られない現実がある。
    - 著者は、村人たちとの会話を通じて、彼らの生活や文化について学ぶ機会を得た。
    - 文化大革命以降の農村の変化や、依然として残る伝統的な生活様式が描かれている。

    4. 遊牧民と定住民の関係
    - 遊牧民と農耕民族の歴史的な対立とその影響について論じられている。
    - 遊牧民の文化と生活様式、そしてそれに対する中国の支配層の対応が描写されている。
    - 遊牧民は物質的なものを求める傾向があり、これが文化的衝突を引き起こすことがある。

    5. 環境問題と都市化
    - 中国の急速な都市化とそれに伴う環境問題についての警鐘が鳴らされている。
    - 自然資源の枯渇や環境破壊が進行しており、これに対する政府の政策や地域住民の反応が述べられている。
    - 特に黄土高原における植樹プロジェクトや水資源管理の取り組みが紹介されている。

    6. 政府の改革と経済発展
    - 改革開放政策以降の中国経済の成長とその社会的影響が強調されている。
    - 経済発展がもたらした良い面と悪い面、特に地方と都市間の格差の拡大について言及されている。
    - 政府の役人たちが行っている数字に基づく政策決定の重要性が語られている。

    7. 人々との出会いと学び
    - 著者は、多くの村人や出稼ぎ労働者との出会いを通じて、中国社会の多様性と複雑さを理解することができた。
    - それぞれの人々が抱える希望や夢、困難についての深い洞察が得られた。
    - 著者の体験は、中国の現代社会を映し出す貴重な証言として記録されている。

  • 東2法経図・6F開架:302.22A/H53s//K

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1969年、米国ミズーリ州生まれ。2000~07年、『ニューヨーカー』北京特派員。2008年、《全米雑誌賞》を受賞。現在はフリージャーナリストして、『ニューヨーカー』や『ナショナル・ジオグラフィック』などに寄稿している。エジプト・カイロ在住。著書に『疾走中国』など。

「2014年 『北京の胡同』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ピーター・ヘスラーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×