魔法の夜

制作 : 柴田 元幸 
  • 白水社
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本棚登録 : 273
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560092415

感想・レビュー・書評

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  • 「小説の魔術師」といっても良いくらい、幻惑的な世界を作り上げることにて定評があるスティーブン・ミルハウザーの中編作。翻訳はもちろん柴田元幸先生。

    「月の光でお読みください」と書かれた帯のコメント通り、真夏の夜を舞台に、家をそっと抜け出して街中を徘徊する少女、静かに動き出す人形たち、密かに動くマネキンの女性とその美しさに恋をする男、深夜に茶会を繰り広げる中年ニートと彼の同級生の母親の奇妙な邂逅・・・など、それぞれの登場人物が過ごす真夏の一夜の様子が幻惑的に描かれる。

    ふと、自分が最後に真夏の夜を徘徊したのがいつだったかを思い出し、そのちょっとした冒険をまたしたくなる気持ちになってくる。

  • ミルハウザーのマジカルな言語センスで綴られるまさに「魔法のよう」な神秘の夜。眠らない夏の一夜が、幻想的な映像のように色や音や姿を持って浮かび上がる。南の国の海辺で経験した煌々と明るい月夜を思い出しつつ、久しぶりに「ミルハウザー節」を楽しんだ。
    しかし出版は1999年。後書きで柴田さんは「未訳のものは今後毎年1冊出す」オースターやミルハウザーや、色々積みあがって柴田さん大変そうだな。楽しみなような、ミルハウザーで驚いたのは今は昔、柴田さんには新しい作家を紹介して欲しいような。

  • 夜、部屋にじっとしていられない人やものが月光の下に躍り出る。
    昼間はそれぞれ別の世界に住むような人物たちが、夜の幻想的な空気の中、少しずつ重なりあう仕掛けに引き込まれる。
    変質者とか不法侵入とか、時々現実にハッと引き戻されるのもいい。

  • 夜の魔法。

  • あとがきにもあるように絶好の『ミルハウザー入門』の書。描写が美しい。
    個人的には、39歳独身のハヴァストローを主人公にした話しを読みたい。

著者プロフィール

1943年、ニューヨーク生まれ。アメリカの作家。1972年『エドウィン・マルハウス』でデビュー。『マーティン・ドレスラーの夢』で1996年ピュリツァー賞を受賞。邦訳に『イン・ザ・ペニー・アーケード』『バーナム博物館』『三つの小さな王国』『ナイフ投げ師』(1998年、表題作でO・ヘンリー賞を受賞)、『ある夢想者の肖像』、『魔法の夜』、『十三の物語』がある。(以上、柴田元幸訳、白水社刊)ほかにFrom the Realm of Morpheus 、We Others: New and Selected Stories(2012年、優れた短篇集に与えられる「ストーリー・プライズ」を受賞)、Voices in the Night がある。

「2019年 『私たち異者は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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