- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560094020
感想・レビュー・書評
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多くのコントが、人間の営みの ある断片を切り取って成立している。
人間は、生きて行動していること自体が、奇妙で滑稽なのだ。
「人間は喜劇的存在である」
かつて演劇は悲劇が主流で、皆がみんな悲劇で感動していた。
喜劇は亜流、寸劇と呼ばれ軽んじられてきた。
「人間は悲劇的存在である」
しかし今日、全体を全体として見通す手がかりがない。
身近な生活も、多くの断片をつなげて、何とか辻褄を合わせている。
つまりコントの世界そのものだ。
今やコントをモザイクのように組み合わせて世界を体験することが可能な、
というよりそれしか可能性がないような時代になりつつあると思われる。
コントは人生の縮尺ではない。人生の部分でもない。
コントは昆虫の一本の足の細密画のようなものである。
拡大しても集合しても昆虫にはならない。
にもかかわらず、それを手がかりに人生を予感することができる。
考古学者が一片の化石から巨大な恐竜を思い描くように。
コント作家は「笑い」を誘い出す手練手管を良く知っている。
ただし「笑いとは何か」を知っているのではない。
「どうすれば笑わせられるか」を知っているだけなのである。
もしかしたら「どうやったら笑わせられるか」という作業を通じて
とめども無い彼方の「笑いとは何か」を遠く探ろうとしているのかもしれない。
(以上、文中より抜粋)
日本劇作家協会主催の「戯曲セミナー」「コント研修会」での優秀作品等、
35のコント作品を収録。2008年初版。
基本に忠実で、一見オーソドックスなコントの中に、
各々の作家の個性や得意が強く出ていることが面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『コント教室―不条理な笑いへのレッスン』 http://booklog.jp/users/donaldmac/archives/4560035792 の続巻。こちらは具体的なコント台本作例。
お笑いネタ作り手側としては別役ナンセンス理論を忠実になぞる示唆に富む凡例集になっています。
けれど市井の客へこの本のコントを上演しても、ウケるかなぁ。観劇ユーザーってもっと程度の低い下世話なところで笑っているんじゃないかと。
あと別役さんの寸評、いらないです。著者名の冠の都合上、何かひとこと必要だったんだろうね。“別役実・編”ってすればよかったのに。 -
ふじきみつ彦はぼくのヒーロー
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とても面白い!こういうことを考えつけるようになりたいもんです。
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関係のメカニズム 半関係的関係