わたしはこうして執事になった

制作 : 新井 潤美  新井 雅代 
  • 白水社
3.80
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本棚登録 : 164
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560095270

作品紹介・あらすじ

華麗なる時代の最後の輝きの日々
 登場するのは、『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことアスター子爵家のエドウィン・リー、ニューヨークの英国大使館執事を務めた「執事の王子」チャールズ・ディーンら業界の名執事たちに、途中で他業界へ移ったひとりを加えた5人。
 彼らはみな、18世紀後半〜第二次大戦前のイギリスで、地方の労働者階級の家に生まれて10代前半から働きはじめ、それぞれ異なるキャリアをへて執事への道を歩む。執事になってからの、大邸宅の日常や豪華な大イベントを取り仕切る責任者としての、驚くような仕事内容と、責任にともなう孤独な立場。チャーチル首相や王家の人々との関わり。そして、20世紀社会の激変に翻弄されながら、華麗な貴族の時代の終わりを目の当たりにする哀しみ……。華やかなまま引退する者もいれば、悲運に見舞われた雇用主一家にあくまで忠義を尽くす者、〝旧時代の雇い主〟の要求と〝新時代の部下〟という現実の板ばさみになって苦しむ者など、その結末はさまざまだ。
 5人それぞれが一人称で語る人生の物語は、楽しい読み物であると同時に、20世紀イギリス史の貴重な記録である。

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んで大変に面白かった
    「おだまり、ローズ-子爵夫人付きメイドの回想」
    の作者、ロジーナ・ハリソンがお屋敷奉公仲間に
    インタビューしたもの。

    「おだまり、ローズ」を読みながら
    図書館へ予約を入れたのが2月、
    やっと順番が回ってきました。

    それでもまぁまぁ予約が入っていても
    気長に待てば借りられるんだな、と思った。

    (今回はほかにも読みたい本が
    身近にたくさんあったので買わずに待っていられた)

    執事界のレジェンド、エドウィン・リーをはじめ、
    執事の王子 チャールズ・ディーン、など
    5人の男性のお屋敷や仕えたご主人の思い出や
    仲間とのエピソードがどれもこれも興味深く
    あっという間に読了してしまった!

    仲間同士ではざっくばらんにしていても
    いざ本番となれば、かっこいい制服を着て、
    身のこなしもエレガントに登場、

    でもそういう時ですら、ゴードン・グリメッドは
    ふざけてくるみたいで、
    本人のエピソードも愉快だし、
    リー氏のお話の中の「この私でも笑いを堪えることが
    難しかった」と言うエピソードに出てきて、
    本当に剽軽な人なんだな、と
    なんだか嬉しくなった。

    どの人も自分たちが誇りをもってやってきた仕事や
    とりまく環境、また人材も遠い過去のもの、と言って
    寂しがっている。

    この本の書かれた当時から(1976年)
    沢山の使用人を雇うと言うのも無いし、
    お屋敷もどんなにお金持ちでも維持するのが難しいので
    みな手放したり、
    観光地として一部開放してなんとかやっている
    というような状況だったみたい。

    お屋敷の主人、奥様、招待客、
    執事から下男、女中やシェフ、またボーイに至るまで
    自分の役割を楽しく演じている印象。

    色々裏話やお屋敷奉公あるあるも満載で
    とても楽しめた。

    「おだまり、ローズ」のときも思ったけれど
    主従を越えた信頼関係と言うのがうらやましい、

    だからこそ、雇われている人が「やめたい」と言ったときに
    主人側が「裏切られた」と思って怒る気持ち、と言うの、
    これがすごくわかる気がする。

    例えば雇われている人はそれを忘れることは無いけれど、
    雇っている側は尽くしてもらっているのを
    すべて「愛情」と思ってしまうようになるのかな?と。

    今はエドウィン・リーがモデルと言われている、
    カズオ・イシグロの「日の名残り」を読みだしています。
    (やり過ぎ?)

  •  ダウントン・アビーを見ていて興味がわいたので読んでみた。
     非常にいいレビューがあるので、そちらをご覧ください。

    『わたしはこうして執事になった』のレビュー ロジーナ・ハリソン (abraxasさん) - ブクログ : http://booklog.jp/users/abraxas/archives/1/4560095272

  • 割とつい最近までこんな世界があったのだ。
    クリスティの世界みたいだった。
    でも、割と適当なとこもあり
    滅私奉公ではないんだなー。

  • 保守的な考えには同調できない部分もあったけれど、当時の人々の暮らしや心情を興味深く読めた。

  •  「お黙り、ローズ」に出てきた名執事リー氏をはじめ、アスター家に一時でも仕えた男性達の語る自らの立身出世、上流階級の人々との交流や同僚達の思い出。
     皆一様に下っ端から始め、お仕着せを着る様になり、やがて緑のラシャカーテンの向こう側一切を取り仕切る執事へと駆け上がっていくのですが、その間に幾つものお屋敷を渡り歩いてスキルを上げ、人脈を作っていく様子は現代の転職事情にも通ずるものを感じました。

     

  • 2018年12月15日に紹介されました!

  • おだまりローズの続編。
    今回は、アスター家に関係していた男性使用人の話で、執事になるまでのことが書かれている。
    分厚かったけど、読めば読むほど興味がわいてきて、あっという間に読み終わった。写真も少しあって当時の様子を想像する助けになった。もっと写真があったら良かったなぁ。

  • 階級制度があって、上流階級を支える人々の中にも、厳格な職業意識=職業的階級があって、そういう人たちがいないと成り立たない社会がある。どんな家に生まれるのかによって、持って生まれた生活環境に不公平感を感じることもあるけれど、人間社会が進化していく過程として、なくてはならない時期であったと思えば良いのかも。
    読みやすい章とそうではない章があるので、飛ばし読みしました。

  • まえがきと一番最初の話が面白くなくてどうしてくれようと思いましたが、その後どんどん面白くなりました。

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著者プロフィール

1899年イギリス、ヨークシャーに、石工の父と洗濯メイドの母の長女として生まれる。1918年、18歳でお屋敷の令嬢付きメイドとしてキャリアをスタート、1928年にアスター子爵家の令嬢付きメイドとなり、同年、子爵夫人ナンシー・アスター付きメイドに昇格する。以後35年にわたってアスター家に仕えた。1975年に『おだまり、ローズ――子爵夫人付きメイドの回想』、76年に本書を刊行、1989年没。

「2016年 『わたしはこうして執事になった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ロジーナ・ハリソンの作品

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