装丁物語 (白水uブックス)

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 121
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560720899

感想・レビュー・書評

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  • イラストレーターでもあり『星新一』や『つかこうへい』氏なども装丁も手掛けてきた筆者が、デザインから容姿に至るまで、本の装丁に関することを語った一冊。


    私はよほどでない限り本は借りて読んでいます。一般小説の棚から毎回迷いながら選んでいたのですが、なんだか沢山の出会いを逃がしているような気がして・・
    で、昨年からジャンルも問わず、全ての棚を順に見ることにしました。それこそエッセーからハウツー本まで。こうなると全ての本に目を向けれると思うので、今まで迷っては戻していたようなものも気になったらとりあえず気軽に借りれるようになりました。
    選ぶときの基準となるのは、やはりタイトル。そして、装丁も大きな要素の一つです。そんなわけで『装丁』のタイトルが引っ掛かりました。
    特にこの方の装丁が気に入っていたという訳ではないもですが、非常に勉強になりました。装丁ってデザインするだけではなく、紙から何から色々なことを手掛けるんですね。今やほとんどの本にかかっているカバーとの関係とかも、あえて逆手にとって外した時に見えるデザインとか。本の綴じしろのところについている布が『花ぎれ』ということも初めて知りました、というかその存在を意識したのが初めてですが。

    借りる派の難点が一つ。カバーが張り付けてあるので、はずして表紙を見ることができない。通常は同じなんだろうけど、仕掛けがある場合もあるので、それはちと残念。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「仕掛けがある場合もあるので」
      帯(腰巻)も無理矢理、見返しに貼ってあるのも戴けない。
      でも無くすと淋しく思ったりして。。。
      「仕掛けがある場合もあるので」
      帯(腰巻)も無理矢理、見返しに貼ってあるのも戴けない。
      でも無くすと淋しく思ったりして。。。
      2012/05/30
  • バーコードのことで苦労されていたんですね。でもバーコードという規格も、いずれ使わなくなっちゃうんじゃないかな。

  • 終始穏やかな語り口で仕事としての、そして文化としての装丁につき思いつく限りのことを語った本。一貫して穏やかなのに、新書版で追補された最終章「バーコードについて」で一転、烈火のごとき怒りを顕にするのが衝撃的なまでに印象的。本来のデザイナーはこうなんだろう。文化の担い手としての矜恃を盾に戦い続けるものなんだろう。惚れる。

  • 和田さんが装丁の仕事をしているのは知っていましたが、こんなにたくさんの仕事をしているとは思いもよらず、少々驚きました。
    読んだことのある本が登場し、あ、これ和田さんの装丁だったんだ、と思うこともたびたびでした。

    これからは本を読むたび、装丁した人の名前も確認しようと思います。

  • 画材・素材から印刷までこまごまとしたこと、特定の作家やシリーズでの工夫など、和田さんのこれまでてがけた例をふんだんにあげながらの苦労話や自慢話。
    「バーコード」(この本が書かれた15年前はまだ移行期だった)についての安易な妥協をせずに信念をとおすところは和田さんらしい潔癖さで、よくみたら、おなじ白水uブックスでも他の本はカバーのうしろに刷られているのが、このところ続けて読んできた和田さんのシリーズに限っては、イラストがあって、バーコードは帯に刷られている。やっぱりしゃれててうつくしい。でもこれだって担当の編集者さんと相当な苦労の末に実現したのだろうなぁ、と改めて感心する。

  • 最後の章はバーコード問題。カバー全体をカンバスと捉えるならば、二段のバーコードは目障り。これを事前の相談もなしに便利だからと導入されたことに著者は抗議を唱え続ける。

  • うーん。
    静かな語り口が心地いいな、と思いながら読みました。
    しかし、自分の絵を人が使用するときの話や、バーコードの話になると、語気が荒くなっていくのですよね。やっぱりこれぞ主張をもったデザイナー気質だ!と感じました。

    内容は、10年以上前に書かれたもの。
    後書きですら6年前です。
    このエッセイが書かれた頃から今まで変わったこともたくさんあると思います。
    和田誠さんの高品質な装丁を楽しめるのは、普通のことではないということ。和田誠さん自身の、本へのたくさんの愛情と、それを発揮できる条件が揃ってようやく私たちの手元に届くんだなぁと思うと、これからも出版業界の変化と戦い、ぜひ装丁を続けていってほしいと思います!

  • 今更言うまでもなく、僕は本が大好きです。本というのは内容だけでなく、表紙やカバー、紙質から何から何まで全てあっての本なんですね。装丁家でありイラストレーターである著者が自身の仕事について語るこの本を読んで、しみじみそのことを感じました。装丁家としての自信と責任、拘りと思い入れ、楽しさと苦しさ、などなど全てが詰まっており興味深く読みました。

  • 2007年7月15日購入。
    2009年10月1日読了。

  • ほわりとしたペン描きのイラストレーションが素敵な、和田誠さんの装丁に関するあれこれのエッセイです。和田さん装丁の本は、国内外の作家さんの作品を問わず、ひと目でわかる独特のタッチ。装丁を手がけられたきっかけから、装丁自体と、装丁を依頼された作家さんについて話が進みます。星新一、谷川俊太郎、つかこうへい…読んだ、あるいは書店で見かけた本がたくさん紹介されており、そのお仕事の数は驚異的!デザイナーと依頼人という事務的な立場を超えて作家さんとその作品を理解し、装丁に生かそうとする真摯なお仕事ぶりがビシビシと伝わってきます。それに、和田さんといえば映画!毎年『本の雑誌』の年末号に「和田誠劇場」として往年の名画紹介イラスト+コラムを連載されていらっしゃるように、映画への愛が半端じゃないんです。映画の1シーンになぞらえたイラストや構図の装丁には、私のような映画をあまり見ない人間でも「はーっ!」と感心してしまいます。和田さん自身が全部手がけた装丁だけではなく、沢野ひとし画伯など、他のアーティストの絵で装丁する場合のことにも触れられており、ここでも「えーっ、あれも?」と素直に驚いてしまいます。また、画材や紙、編集者さんとのやりとり、ISBNバーコードによるデザインの制約など、デザイナーとして難しいと思うことも率直につづられており、ちょっと和田さんの味方をしてしまって(笑)。美しさとデータ管理は両立しないのかな…いい技術が開発されることを期待します。口述筆記のタッチがそのまま残されており、読みやすくて穏やかな筆致。和田さんのお人柄がよく伝わる本だと思います。ほとんど各ページに1作品、和田さんの装丁された作品の図版が掲載されているので、プチ「和田誠作品集」としても楽しめます。個人的には古山高麗雄『風景のない旅』の装丁が素敵だと思いました。文章だけだったら☆3つですが、図版の多さに思わずどの本も手に取りたくなってしまうので、この☆の数です。うーん、また本の「装丁:○○」をチェックしてしまうわ!

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著者プロフィール

イラストレーター、グラフィックデザイナー、映画監督、エッセイスト。1936年生まれ。多摩美術大学在学中に日宣美特選。ライトパブリシティ勤務後、フリー。1977年から『週刊文春』表紙絵を担当、昨年2000回を数えた。

「2018年 『定本 和田誠 時間旅行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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