山の上ホテル物語 (白水Uブックス 1091)

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 134
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560720912

作品紹介・あらすじ

多くの作家に愛され、数々の名作を生み出す影の力となった、すてきなホテルのすてきな物語。創業者をはじめ支配人たちが語る作家たちの素顔を通して、50年にわたる文壇の一面を浮き彫りにするとともに、特別なホテルを目ざすスタッフたちの情熱を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いです。
    そうかそうか、このような伝説の社長と伝説の従業員によって山の上ホテルは作られたのだなあと。

    先日ここで結婚式を挙げて、建物も調度品もアンティークであたたかみがあり、そして何よりスタッフさんのホスピタリティの高さに感動したので、社長(創業者)の吉田俊男さんの「もし、人が他人に与へられる最高のものが誠意と真実であるなら、ホテルがお客様に差し上げられるものもそれ以外にはないはずだと思います」という言葉を読んで、それらのすべてに納得がいった。

    あとがきで、江村清正さんという方が2007年時点でフロントの顔として働いておられると書かれていますが、あ!いつもフロントにおられるあの男性かな?と思いました。
    2007年時点で50歳なので、現在58歳ということになります。
    結婚式の打ち合わせのとき、わたしたちが調度品のお皿など眺めていると、すっと近づいてこられ、押しつけがましくない様子で、エミールガレのお皿だと説明してくださいました。
    このホテルの歴史を作っていく人たちと触れ合えたのだわー。うれしく思います。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/758718

  • 2022年1月読了。

  • 2020/3/28購入

  • ホテルの昔ばなしだけど、こう言うのは良い。
    35年位前に泊まるチャンスがあったときに、泊まっておけば良かった。

  • 文学

  • 一度泊まってみたいホテル。現在・過去の従業員などホテルに関わった方々が語っています。
    語り手の方々=ホテルを形作っている方々も個性豊か。ただ、全体としては、ホテルの物語というよりは、彼らをとおしての吉田氏についての物語。
    ホテルについては、良質なんだろうけど、昭和40〜50年代なイメージが強く、このイメージであってるんだろうか?とかえって疑問がわいてしまった。
    実際に泊まってみて自分で確かめるしかないですね。

  •  文芸作品を読んでいるとちょくちょく登場する老舗ホテル。一度泊まってみたくて泊まってみた。なんとなくだけど、この本に書いてあるホテルの哲学のようなものが接客から伝わってきた。
     
     創業者の吉田社長と古参の従業員たちが、一からホテルをつくる情熱のようなものが綴られている。吉田社長はホテル経営のド素人。しかし人間的な魅力に溢れた人で慕われた。良くも悪くもこのホテルは創業者の想いが根底にあり、それに応えた従業員が形をつくる徒弟制度のような経営を積み重ねてきた。それについていけずに去って行った従業員もたくさんいる。トイレ掃除は便器の奥まで手をつっこんでやるという記述があるが、そんなこと、嫌な人が大半だろう(自分は嫌だ) それでもやめなかった人は、やっぱり根性があるというか、一流になりたいという夢があったのか、熱いものを感じる。
     社長は従業員を海外の一流ホテルにどんどん視察に行かせる。修行もさせる。ド素人ということを恥じずに、良いところは貪欲に学ぶ姿勢もホテルが発展した要因だ。そんな創業者に共感できた人だけが残った。だからどこか家族経営のような温かみがある。文豪たちはそこが気に入ったようだ。

     この吉田社長という人のホテル経営方針は、「お客様第一」ということなんだと思う。いかにお客様にとって都合の良いホテルに徹することができるか。ありふれている経営哲学だけど、徹底して実践できるところは、そんなにない。たぶんこの哲学を実践するには、これくらいの規模が適当なんだろう。

     池波正太郎が愛したという和朝食、とても旨かった。これを食べるために泊まるのも「あり!」だ。

  • 良質なものごとに触れて安らぎたいとき用

  • 常盤新平さんの語り口で山の上ホテルを読むと文化を思わざるをえない。

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著者プロフィール

1931-2013。岩手県生まれ。長年にわたってアーウィン・ショーなど現代アメリカ小説やニュージャーナリズム作品を数多く紹介してきた名翻訳家。86年、自伝的小説「遠いアメリカ」で直木賞受賞。洗練されたエッセイにも定評がある。

「2022年 『新版 O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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