サミュエル・ベケット (白水Uブックス)

著者 :
  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560721322

作品紹介・あらすじ

第一人者によるベケット入門
 「ぼくがこれから辿ろうとするのは、『まじめという野獣』におびやかされつつ果てしなく裸形化していく一人の特異な道化の宿命である。ぼくが描こうとするのは、一作ごとに変貌していきながら根本的には同一の輪郭を保ちつづける一人の道化の肖像である。」(本書より)
 ゴドーとは何者なのか。ベケットの半生とその時代を辿りつつ、〈道化〉の誕生から終末までを代表作を中心に読み解く。
 祖国喪失や使用言語の問題、第二次世界大戦時に参加した抵抗運動の影響について、チャップリンの道化やデカルトとの違いなど、要点が押さえられている。『ゴドーを待ちながら』の着想と小説三部作(『モロイ』『マロウンは死ぬ』『名づけえぬもの』)との関連も詳述され、ベケットの全体像がよくわかる。著者によるベケット追悼文と吉岡実の関連エッセイを併録。解説・宇野邦一。

感想・レビュー・書評

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  • レポートの為に読んだ。ある程度ベケットがどういった意思をもって創作していたのか分かっている上で読むと面白かったし、更に謎が深まった。
    坂口安吾の『堕落論』を読んだ時の衝撃に近いものを感じた。ここからベケットの小説を読んだりこの本を読み返したりしたいと思う。

  • ベケット研究の第一人者による解説者であり,ベルクソンやジョイスなどといった補助線を引きつつ「道化」の中身に迫る。

  • 史上最もおそろしい作家。

    「さあ行こう」「ああ行こう」(2人は動かない)

    「想像力は死んだ 想像せよ」

  • サミュエル・ベケットの入門編とも言うべき評論集。
    もう少し作品の方をしっかり読んでから読むべきだったか、と思うのだが、今、新刊で入手可能なものが少ないというジレンマ。あああ……。

  • 今のワカラン不条理な日々を、乗り切るヒントがあるかも、、、

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    ゴドーとは何者なのか。ベケットの半生とその時代を辿りつつ、代表作と「道化」の誕生から終末までを読み解くベケット入門。
    http://www.hakusuisha.co.jp/book/b313202.html

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著者プロフィール

1932-2002年。東京都生まれ。英文学者、文芸評論家。東大英文科卒業。東大名誉教授。日本英文学会、日本シェイクスピア協会会長などを歴任。『エクスタシーの系譜』『ノンセンス大全』など著訳書多数。

「2022年 『不思議の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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