台湾生まれ 日本語育ち (白水Uブックス)

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 186
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560721339

作品紹介・あらすじ

三つの言語の狭間で育った東京在住の台湾人作家が、自らのルーツを探った感動の軌跡。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作の増補新版!

感想・レビュー・書評

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  • 2020年 66冊目

    3歳の時に東京に移住した台湾人の著者が言葉に真摯に向き合っています。

    日本語、中国語、台湾語の狭間で自分のアイデンティをとても真摯に考えていると言う印象を受けました。

    私は日本人の両親の元に生まれ、日本で育ちました。両親は高校の同級生同士で結婚したし、転勤をするような仕事でも無かったので、転校をした事もありません。

    全く、自分のアイデンティなんて考えたことが無く、当たり前に日本人で当たり前に日本語を話して来ました。

    でもそれが当たり前じゃない人もいる。

    著者が真摯に自分と向き合う姿に心打たれました。

  • 日本にはいろんなルーツを持つ人がいるということを頭ではわかっているけれど、子どもの頃から付き合いを重ねて、その事実を語ってくれる友人は数えるほど。阪神間に生まれ育った私は、まだその機会が少しはあったかもしれないが・・・

    温さんの文章は、文字通り、にほんご、たいわんご、ちゅうごくごが入り交じっていて、最初は面食らったが、読み進めていくうちに、彼女が言葉について立ち止まり考えてきた様子が手に取るようにわかった。

    私の祖父は戦後、台湾バナナを輸入する会社に勤めていた。まだバナナが高級品の頃の話だ。祖父からは何も聴いたことがないが、遺品の中に「台日貿易」の写真帳があった。台湾と日本の関係についても遡って知る必要があるなと、その写真帳を見るたびに感じていた。そのきっかけを作って、背中を押してくれたのがこの本である。

  • 言語とアイデンティティについて、その結びつきを考えたこともなかった。楽であることは単なる幸運でしかない。だから楽であることは、考えなければならないことでもあるなあ。私とは違う形で日本語を思考の杖とする温又柔さんが編む物語を読むのが楽しみだ。

  •  タイトル通り、台湾に生まれたが日本に移って日本語に囲まれて育ったことや、ずっと日本で日本人と同様に暮らしてきたにも関わらず、紙面の上では外国人として扱われることへの違和感、政策によって〝国語〟を文字通り叩き込まれた両親・祖父母世代のことなど、母語や母国というものへの疑問や、これからもそれらへ向かい合っていくことへの決意を感じる内容だった。
     最近、中国や韓国の歴史、日本語学の講義を受けたばかりだったのだが、それらについて更に深く考えるきっかけになりそうだと感じた。

  • 何でか分からないのだけど、温さんの文章は、私が抱えてるもやもやした感情にとてもよく馴染む。

  • 私は同じ植民地でも朝鮮が専門で、台湾のことは不勉強なことも多く、温さんの祖父母の「ことば」にまつわる話に考えさせられ、もっと勉強しよう…と思いました。

  • 台湾人の両親のもと台湾に生まれながら小学生の頃に日本に来て以来、ずっと日本で暮らし日本語や日本の生活になじんでいる著者のエッセイ。書題のとおり「日本語育ち」で日本語を自らのアイデンティティだという著者に、柔らかなたくましさを備えた正直さが感じられる一方で、台湾と日本の間ではあり得るだろうけど、韓国と日本の間ならどうだろうと思いながら読んでいた。
    著者自身も李良枝を卒論のテーマに選んでいたようだから自分の立場を自覚し、また朝鮮半島の人たちの場合との違いを考えているだろうけど、著者がすんなりと日本語へのなじみ感を綴れるのに対し、(自分が寡聞なせいかもしれないけど)たとえば在日韓国・朝鮮人のこういうスタンスってなかなか見聞きできない。もちろん、この本の著者と同じスタンスで生きている人は多くいるだろうけど、それを表立って言わない・言えない雰囲気があるという意味で。

  • 渡邊太先生  おすすめ
    63【専門】914.6-O

    ★ブックリストのコメント
    台北で生まれ、3歳から東京で育った著者による、自身のルーツをめぐるエッセイ。台湾語、中国語、日本語のあいだで揺れるアイデンティティ。コトバについて考える書。

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著者プロフィール

温又柔=作家。 著書に『魯肉飯のさえずり』『台湾生まれ日本語育ち』など。

「2022年 『読書人カレッジ2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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