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- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562030750
感想・レビュー・書評
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麻耶雄嵩の解説目当てに読了。作品自体はとても難しく、読み辛い。言語学がテーマの一つなので、翻訳が難しいというのもあるのだろう。作り上げられた奇妙な世界で本格推理を展開する作風は、確かに麻耶雄嵩に影響を与えているのがわかる。難解だが興味は持てるので、もう少し他の作品も読んでみたい。
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大好きな麻耶雄嵩氏が大好きな作家を読む。
ヘンだとかクセ者だとかの前評判をさんざん得ていたが、エキセントリックさはあまり感じなかった。むしろものすごく緻密に、怜悧に組み上げられている印象。その精密さたるや、架空の異国に住まう架空の少数民族のものとして、言語をひとつ作り上げてしまうくらいに。
なるほどこの作者なら、「キングとジョーカー」でifの英国王室史をでっち上げてしまえたのもむべなるかな。
驚嘆したのが、目が活字を追うにつれ、まるで映画を観ているようにあざやかに情景が浮かんでくること。
けっしてとっつきやすい舞台立てではないし、私はそういった能力はむしろ低いほうなのだが、これには本当に驚かされた。すべては、著者の筆力の賜物だろう。
解説者(麻耶雄嵩氏!)が書かれているように、推理小説としてのレベルはけっして高いものではないが、こんなにもお腹いっぱい満足できる「物語」を読んだのは稀有な経験だったと断言できる。
2014/1/6〜1/8読了
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