もうひとりのぼくの殺人

  • 原書房
3.11
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本棚登録 : 29
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562032914

感想・レビュー・書評

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  • 昔の作家さんのファンになって何が悲しいって、二度と新作が発表されないこと。マローンシリーズにハマって手に入る作品は全て一気に読み尽くしてしまい、次はもうないと気が付いて愕然とした時から私の積ん読が始まりました。楽しみな本ほど熟成させてから読む。この作品は積ん読山の中でも古株でした。
    「幻の女」を彷彿とさせる記憶喪失物。結構無駄な動きをしてるし、明らかに重要な手がかりを見逃してるし、端正なミステリとはいえません。けれどシカゴならではの背徳的でユーモラスな価値観、欠点は多くとも魅力的な人物描写、サスペンスに満ちたストーリー展開が面白く、ずっと読んでいたい、解決するまでもっと時間をかけてほしいと思ってしまいます。やがて判明する事実はフェア氏でなくても気が重くなるものですが、ドライかつシニカルな要素を含み、エピローグでは明るい材料も見せ、決して嫌な読後感にならないのはさすがクレイグ・ライス。だからまた新しい作品が読みたくなる。
    今までに読んだ作品の記憶だけ無くせないかなぁ、そしたら初読の楽しみがまた味わえるのになぁ、などとくだらないことを考えてしまいました。

  •  ジキル博士とハイド氏のような二重人格もの。ドッペルゲンガーなども加えればこの手のプロットは珍しくはないか。知らないうちに殺人犯に仕立て上げられていて、その謎をみずから解くために警察の捜査をかいくぐりながら奔走するというあたりは泥棒バーニイものを思わせる。単身殺人現場に乗り込んで関係者たちと対決するというのはあまりにも無謀にも思われるが、仕組んだ側にしても人がよすぎるというか、意外な黒幕の正体が明らかになり幕となる。ストーリーとは直接関係ない登場人物の回想シーンが随所にはさまるのがうるさいようでいて、それはそれでその人となりが浮き彫りにされるという効用もあり、著者の工夫がしのばれる。さすがにライスは並の作家ではない。

  • マイケル・ウェニング名義の〈メイヴィル・フェア〉シリーズ2作目。

    違う名義で出してるからか、ライスの他の作品と比べると“笑い”が控えめなのが残念。

    事件そのものよりも、メルヴィルを雇った人物とその目的に驚いた。

    シリーズ1作目も読みたい。

  •  うーん、主人公の行動に感情移入できず(指名手配されているのに列車で偶然会った男に助けを求める、しかもその男が名探偵だと知っているならまだしも名前以外何も知らない)、更に話の途中で主人公から他の登場人物(容疑者)に視点が移り変わりその人物の過去が明かされるという手法がテンポ悪く感じられ、楽しむことができなかった。
     おまけに肝心の真相が……京極堂の後に読んだせいで全く驚きも感心もできなかったという最悪のタイミング。クレイグ・ライスは興味のある作家さんなんだけど、前読んだ「スイート・ホーム殺人事件」も(結末は好きだったけど)話に入れなかったし、肌に合わない作家さんなのかなあ。

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著者プロフィール

Craig Rice

「2006年 『ママ、死体を発見す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

クレイグ・ライスの作品

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