アノニマス (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
2.20
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本棚登録 : 15
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562036967

作品紹介・あらすじ

小説教室講師覗木毒助は生徒たちに生き残りを賭けた"作者不詳"ゲームを仕掛け、生徒たちは噂で覗木にゆさぶりをかけ、黒い影が周囲をうろつく。すべては三十年前の出来事から始まっていたのか?"生き残る"のは講師か生徒か。-そんななか、一人の生徒が覗木の目前で墜死を遂げた。輪廻する怪奇幻想ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 匿名は不特定多数にまぎれる事だ。個人の存在を消すことだ。ただし匿名等形によって誰かに見つけて欲しいという気持ちも裏に存在する。多数のものから正解を見つけること、多数の中に紛れ込んでも自分の存在を声高に叫びたいもの、影の中の黒、光の中の白、それぞれは個としての価値は(この本においては表現者としては)E=mc2乗の法則にのっとり、価値=個人の器としての入れ物の大きさ、cは妄想と定義する。最初は価値の最大化のために進んでいた話が、途中から徐々に価値は一つになり、その価値を存在させるために、薄れていく入れ物としての個、それを補う妄想の値が大きくなる。
    残念ながら僕は文系なので、物理は苦手だが、大先生と思っていた主人公が小市民となり、その小市民を大きく見せるのが妄想×妄想という図式は、もしかすると表現者にとってはちょっと真理にかすっているところもあるかもしれない。外れといえども遠からず。
    この小説もその通り。勧めるかどうかといわれれば、勧めないけれど、酷い本だったかというとそれほどでもない。★2以上はあると思う。
    ぐるぐる回った迷路のゴールはスタート地点の横に出てくるように終わってみれば読み終えた安心感と最後のおちの脱力感に襲われる。それはそれで「本を読んだ」というエネルギーを使った心地良さはのこるが。

  • ようやく読了、20点+α。

    中表紙より粗筋?抜粋
    ビッグニュースです。
    いまあたしはとんでもないメールを講師から受けちゃいました。
    クラスには、センセイの血を引くお方が一人いるそうなんです。
    若い時のあやまち。年齢は三十歳前後。
    困っちゃいますね。みんなあてはまります、年のころなら。
    男か女かもわかんない。隠し子。捨て子。だれなのかわからない。
    でも見つけなきゃならないそうです。
    もしかしてアノニマス・ゲームってセンセイによる子捜しのひとつの手段かもしれない。
    そういう可能性も出てきたと思いません?

    図書館でタイトルに魅かれて借りようかどうしようか、と判断に迷ってた時期があったせいで、
    粗筋を中途半端にうろ覚え、おかげで自分の中では
    ・舞台は小中学校、担任教師が隠し子を捜す
    ・そこからいじめやら学級紛争に繋がるんだ!
    などとそういう妄想が、、、本当に妄想としか言えない程の本作品とのギャップですが。


    さて本作の印象を端的に言えば「山なし落ちなし意味なし」です。
    ミステリーリーグというレーベルから出てはおりますが、決してミステリーではありません。
    作中には古典ホラー作品に関する言及が非常に多いですが、読んだ人間としては怖さが一切感じられなかった以上ホラー小説だと認識することも出来ません。
    妄想あるいは電波な小説というところでしょうか?

    作品を通して出来事、イベントが非常に少なく、クドクドと登場人物の考えによって文章が浪費されていく、とでも言えばいいのか
    思考の積み重ねによって話が展開していく類の小説ともまた別。

    読んで良かった事を強いて挙げれば自分はこういう小説が駄目なんだねってことを再認識できた点。
    ここ5年ほどの中でトップ3に入るダルさでした。

    点数で評価を保留する部分として、古典ホラーを読み込んだ上でこの小説を読むとひょっとしたら作品に隠された伏線なんかが見えてくる可能性も、僅かにあるのかなと、そのあたり。
    作中に出てくるホラーは多くが海外作品で、たぶん今後10年は触れる機会が無さそうなんですが。

  • ミステリというより、幻想小説っぽいなあ。個人的にはホラー論がかなり興味深く読めました。とりあえず、ここで紹介されている数々のホラーを読破しなくちゃ、と思います。
    ハーヴィーの「炎天」は、たまたま最近読みましたが。なるほど、そういう解釈で読む手もあるのね、と目からウロコ。

  • 読んでる途中はある程度楽しく読んだ、けど・・・。
    結局、夢オチみたいな感じ?全ては本人に無断で勝手に書かれた自伝・・・めいたもの?
    とにかく、最後まで読んでもなんだかよくわからなかった。
    読み終わってから、この主人公の名前「覗木毒助」も作者の名前のもじりなのだと気づいた。
    作中のペンネームが全部(たぶん)実在する作家のもじりネームなんだよね。
    約440ページという分厚い本を読んだけど、残るものは特にない・・・。

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著者プロフィール

1947年、東京都生まれ。ミステリ作家、文芸評論家。著書『ミステリで読む現代日本』(青弓社)、『ミステリを書く!10のステップ』(東京創元社)、『アメリカを読むミステリ100冊』『これがミステリガイドだ!』(ともに毎日新聞社)、『日本探偵小説論』(水声社)、『高村薫の世界』(情報センター出版局)ほか多数。

「2012年 『山田風太郎・降臨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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