イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
3.47
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本棚登録 : 2038
感想 : 566
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562037612

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、信じていた世界が、たった一言でひっくり返ってしまった、というような経験をしたことがあるでしょうか?

    人がコミュニケーションをとる中で言葉の存在は絶対です。どんなに信頼を得ていても、どんなに仲がよくても、たった一言で取り返しのつかない溝ができてしまう、そのような経験は誰にでもあると思います。たった一言で総理の座を去った政治家も過去にはいました。それだけ言葉の力というのは破壊力を持つものでもあります。それは小説の中でも同じことです。主人公が発した一言によって感情を動かされていく登場人物たち、そんな言葉はページの上から飛び出して読者の心にも深く刻まれていく、読書を趣味にされるあなたは、そんな経験のために読書を続けていらっしゃるのではないでしょうか?

    一方で、言葉は、場面を一気に転換する役割を果たすこともあります。小説の作者は読者の頭の中に描かれるであろう世界を当然に意識して作品を生み出されています。”これは電車の中で読んだらアカンやつや”というような涙なくしては読めない作品に涙する読者は、作者の術中にすっかりハマっているともいえます。まあ、そんな風に世の中を斜めに見るのもどうかとは思いますが、小説がフィクションである以上、作者はその作品が読者に与える影響を考えるのは当然のことだと思います。

    さて、ここに明確に読者をハメようとして書かれた作品があります。”最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する”と宣伝文句に謳われたこの作品。初々しい恋のはじまりが描かれていると思ったその先に、まさかの驚愕の真実が浮かび上がるこの作品。それは、『絶対なんて言葉はないんだよ…。それがわかって初めて大人になる』という言葉の先に、目の前に見えていた世界がひっくり返るのに驚愕するあなたの姿を見る物語です。
    
    『今夜これから飲み会があるんだけどさあ、急に一人来れなくなっちゃったんだけど。おまえ今日これから…大丈夫?』とゼミの友人の望月に誘われたのは主人公の鈴木。『世間的には「合コン」』と言われるその飲み会に気乗りがしないものの『出席することを承知した』鈴木は『マツモトユウコっていうのが、オレの連れだから、彼女はダメだから』『他の三人の中からいいのを選んでくれ』と釘を刺されます。夕刻の指定された時間に店へと入店した鈴木は、『掘り炬燵ふうのテーブルがある小座敷』へと通され、やがて男女四人ずつが向かいあう形で座りました。望月の彼女と思われる女性の隣に座った『ショートカット』の女性に『僕の目は瞬間的に吸い寄せられ』たという鈴木は、『印象はいたって地味なのだが、自然体な感じがして、僕には好感が持てた』と、彼女のことを意識します。そして、『ひと息ついたところで、自己紹介が始ま』りましたが、『合コン』が初めての鈴木は、『えー、趣味は読書でー』と話を続けることができません。『鈴木くんは合コンが、今日が初めてで…』と望月にフォローされて助かった鈴木は、『「鈴木 ー 何ていうの?下の名前は」と短髪の彼女』に訊かれ『あ、鈴木、夕樹って言います』と返すと、『彼女はにっこりと微笑』みました。『ナルオカマユコです』と自己紹介する彼女は『歯医者さんで、歯科衛生士をしています』と続けます。『ナルオカはたぶん「成岡」と書くのだろう』と推測し、『全員大学生ってわけでもないのか』と職業を聞いて驚く鈴木。全員の自己紹介が終わり、談笑が始まりました。そんな中『マユちゃんは…カレシがいるんですか?』と二つ隣に座った大石の質問に『全身を耳にし』た鈴木は『え?いないですよ』と成岡が答えるのを聞きます。『じゃあその指輪は』と続ける大石に『自分へのご褒美ってことで。先週の木曜日が ー 七月の二日が、私の誕生日だったんですよ』と答える成岡。その後慣れない席で『手持ち無沙汰でどうしようもなくな』った鈴木はトイレに立ちました。そんなところに『あの、鈴木さん?』と成岡に声をかけられます。この後カラオケに行こうという話が出ていて『鈴木さんも一緒に行ってくれますよね?』と訊く成岡。『その手の誘いは断』るのが常の鈴木でしたが『「あ。はい」と反射的に答え』ると、その後の時間を『大いに飲み、大いに喋って過ごし』ました。カラオケも終わって家に着き冷静になった鈴木は、『さっきまでの出来事がまるで夢のように』感じます。『今日のようなことは、もう二度とないのだ』と思う鈴木。そして、『合コンから一週間経った週末に、また望月から電話が掛かってき』ました。『おまえ来月の二日って、何か予定とか入ってる?』と訊く望月は『海行かねえ?何かこの間のメンツで…』と続けます。『いいよ』と了承した鈴木は電話を置いた後、『また彼女にあえる』と興奮を抑えられません。そして、『この一週間、折にふれて彼女のことを考えていた』という鈴木。そんな鈴木は、二週間後に出かけた海で成岡と再会します。そして…と、鈴木と成岡の恋がゆっくりと成就していく物語が初々しく描かれていきます。

    『子供から大人になるための儀式』=『イニシエーション』という言葉。それを恋愛に見立てて『大人になる』ことを『わからせてくれる恋愛』のことを、登場人物の一人である石丸美弥子が『私ふうにアレンジ』した「イニシエーション・ラブ」という言葉をそのまま書名にしたこの作品。そんな作品を手にした私は目次でまず手が止まりました。『side-A』と『side-B』という二つのパートに分かれて記された目次にはそれぞれに1から6までの章題が並んでいます。そして、それらは〈君は1000%〉、〈木綿のハンカチーフ〉、そして〈ルビーの指輪〉など、どこかで聞いた言葉ばかりです。これはなんだ?と思い調べてみると、『1か月ごとに1曲タイトルを付けようと考えました』という乾くるみさんのインタビューを見つけました。『A面、B面の2部構成にするアイデアが浮かん』だと続ける乾さん。上記した曲はそれぞれ1986年、1975年、そして1984年という時代にそれぞれ発表された、当時を代表する曲たちです。『80年代を舞台にしたのは、そのころ大学生だったからで、当時流行った曲は、やっぱり胸にキュンとくるんですよ(笑)。そういう曲にインスパイアされて物語を書きました』とその理由を説明される乾さんが描かれる物語は、まさしくそんな時代を直球に映し取っていきます。幾つかご紹介しましょう。

    ・〈君は1000%〉: 『サングラスを掛けて杉山清貴を気取ってみようか』、『まるでフィーリングカップル五対五みたいな状況だよね』、『それなら「男女7人夏物語」だろう』

    ・〈Yes-No〉: 『富士通です。コンピューターの会社の。FM-7とかオアシスとかの』

    ・〈ルビーの指輪〉: 『ラジオではBOOWYのニューアルバムの収録曲が紹介されて』

    と言った感じで当時を象徴するものが登場します。他の小説でもその時代を表現するために当時を象徴するものが登場することはよく在りますが、この作品で上手いと感じたのは、『そういう曲にインスパイアされて物語を書きました』と乾さんが語られる通り、その曲の歌詞に描かれる世界観を物語に上手く落とし込んでいるところです。このインタビューを先に読んだこともあって私はこの作品を読むにあたってこんな工夫をしてみました。

    ①章題を読む前に章題の曲名を確認する

    ②”①”の歌詞を探して、まずそれを読んでその歌詞の世界観をイメージする

    ③”②”を元にして、曲の世界観との同一性を意識しながら読書する

    これを各章で繰り返しました。そうしたところ、特に〈揺れるまなざし〉、〈木綿のハンカチーフ〉、そして〈ルビーの指輪〉など、これらの曲名を章題とされた乾さんの主旨にとても納得感を感じる物語がそこには描かれていました。こんな読書の仕方をされる方が他にいらっしゃるかわかりませんが、小説の世界観が広がるという意味でご参考までにお勧めしたいと思います。

    さて、そんなこの作品、レビューが非常に難しい作品でもあります。なんと言っても読者をハメるために書かれた作品ですから、下手な一言がそのままネタバレになりかねません。そして、この作品はネタバレで読んではその面白さが半減以下になってしまう懸念があります。”甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説”と宣伝文句に謳われるこの作品。そんな作品の前半『side-A』では、『なるほど「合コン」とはこういうものなの』かと生まれて初めての『合コン』参加に戸惑う主人公・鈴木夕樹のある意味初々しいまでの姿が描かれていきます。そんな彼の心を〈揺れるまなざし〉の歌詞そのままに『僕の目は瞬間的に吸い寄せられた』と、気持ちを持っていかれることになったのが成岡繭子との出会いでした。『まさか彼女のほうでも、僕に好意を持ってくれていた』と感じ、デートをして『成岡さんが ー マユちゃんが面白いと思うだろうと』と、下の名前を初めて呼んでみる場面。そして『僕は今、彼女の部屋にいる』、『ブラジャー以外に何もつけていない彼女の上半身が僕の目の前にあった』と二人の関係が深まっていく様が章を追って着実に進展していく物語は、宣伝文句そのままのまさしく、”ザ・恋愛物語”といった面持ちです。それが、『side-B』に変わってどこか引っ掛かりを感じる物語が続いていきます。何かおかしい、何かが違う、そして何か引っかかるという中に展開していく物語は、その真実を探りたいという気持ちとの葛藤の中で”ページを捲る手が止まらなく”なっていきます。そんな物語について上記した宣伝文句には次の言葉が続きます。”と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する”。そう、上記したこの初々しいまでの物語は、この宣伝文句の通り最後の最後でその印象が一変します。さまざまな小説で”どんでん返し”ということを宣伝文句にした作品は多々あります。作者が用意した罠に見事にハマってしまう読者、しかし、それこそが作者の意図だとしたら、見事にハマればハマるほどに、読者はその作品を満喫できるとも言えます。この作品に用意された罠は非常に巧妙です。読んできた世界観が反転してしまう最後の二行の宣告。しかし、あまりに巧妙すぎて、実のところ私は読後ポカンとしてしまい、数多の解説サイトを見まくって、ようやくこの作品の全貌を理解することができました。宣伝文句にある”必ず二回読みたくなる”という感覚から、少し気になった箇所を読み返してみましたが、読書中どこか違和感を感じていた部分に、やはりその違和感が正しかったということが確認できました。ただ、この作品はやはり”ハマってナンボ”の作品だと思いますので、あまり違和感を気にしたりせずに乾さんの術中にまんまとハマって、最後の二行目で驚愕するのが幸せな読書なのではないか、そんな風に思いました。

    『初めて恋愛を経験したときには誰でも、この愛は絶対だって思い込む。絶対って言葉を使っちゃう』という私たちの恋のはじまり。そんな初々しい恋愛物語が『この世の中には、絶対なんてことはないんだよって、いつかわかるときがくる』という意味を深く感じる物語に変容するこの作品。乾さんが”やっぱり胸にキュンとくる”とおっしゃる80年代に流行った曲を中心に、その歌詞の世界観を元に描かれたこの作品。”どんでん返し”を知った上でも、改めて読み返して答え合わせをしたくなる、そして凝りに凝ったその構成にすっかり魅了される、そんな作品でした。



    ★おことわり: 私、さてさては”プロフィール”に記載の通り、”女性作家さんの作品を読む”と強く宣言しています。この作品を読み終えて、乾くるみさんの人となりを調べて驚愕しました。”日本の小説家・推理作家…男性”。うううっ、やっちまったー。嗚呼!僕は…取り返しのつかないことをしてしまった…ということで、乾さんの性別を勘違いしてしまい、本来読むことのなかったはずの本作を結果論で読んでしまいました。「イニシエーション・ラブ」という本作の最後の二行目の記述には驚愕しましたが、私にとっては読後に知った乾さんの性別にこそ、まさに”驚天動地”、”古今未曾有”、そして”オーマイガー!”な衝撃を受けました(笑)。ということで例外的に男性作家である乾さんの作品のレビューを書かせていただきました。さてさてのレビューとしては極めて希少価値の高い男性作家さんの作品のレアなレビューをお楽しみください(笑)

    • さてさてさん
      しろコシオさん、こちらこそいつもありがとうございます。
      そうなんです。今の世の中において、人を名前だけで判断するという過ちを犯した罰だと思...
      しろコシオさん、こちらこそいつもありがとうございます。
      そうなんです。今の世の中において、人を名前だけで判断するという過ちを犯した罰だと思っています。しかし、もし知っていたら読むことのなかった作品を読めたのはある意味ラッキーだったかもしれません。そう考えると、女性作家さんのみに限定していることで、随分と読み漏らしているのだろうなとも思いました。
      この作品、お書きいただいた通り80年代がとても色濃いと思います。確かに読者を選ぶ作品かもしれませんね。改めてなるほどと思いました。最後の二行だけでない、乾さんの試行錯誤を感じます。続けて読んだ「リピート」も凝ったつくりで乾さんの作品作りがよく分かりました。そういう意味でも結果論ですが読めて良かったです。

      こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
      ありがとうございました。
      2022/05/27
    • ふくろうさん
      さてさてさん、はじめまして!夜分遅くに申し訳ありません。 いつもいいね!ありがとうございます。 とても嬉しいです。

      そうですよね、 男性作...
      さてさてさん、はじめまして!夜分遅くに申し訳ありません。 いつもいいね!ありがとうございます。 とても嬉しいです。

      そうですよね、 男性作家さんなんだと知った時のこ の破壊力たるや。 しばし呆然としました。 さてさてさんは女性作家さんのみの読書やレビューですもの ね、心中お察しします。

      確かに、行為の描写は完全に男性作家さんの表現だろうなと思いました。 女性作家さんも書かない訳ではないでしょうが……。 正直、少し辟易したのは事実です。もちろん、 乾さんには何の罪もありませんが。

      長々と失礼致しました。さてさてさんのように定期的にはレビューできないと思いますが、 私も読書の秋を自分なりに楽しみたいと思います。 レビュー、楽しみにしております。 こちらこそ今後ともよろしくお願い致します。
      2022/10/04
    • さてさてさん
      ふくろうさん、こちらこそありがとうございます。ふくろうさんも同様に女性作家さんと思われていらして、同志がいて嬉しいです!
      やはり、男性作家さ...
      ふくろうさん、こちらこそありがとうございます。ふくろうさんも同様に女性作家さんと思われていらして、同志がいて嬉しいです!
      やはり、男性作家さんと女性作家さんでは表現に差異がありますよね。私は女性作家さんばかり読んでいるので、そういう意味でも男性作家さんの小説の読み味を結果論で体験できたのは良かったかもしれません…と思うことにします(笑)。

      こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします!
      2022/10/04
  • 2020/09/08読了
    #このミス作品47冊目

    "騙される"の評判を頭に読み終えて、
    「え?どこで?」
    と思ってネットでネタバレ解説読んで
    度肝を抜かれた。。
    これは、、週末に2周目読みます。


    ちなみに1周目私が騙されたのは、
    鈴木夕樹が2股かけて
    清楚可憐な繭子を捨てて美弥子を選ぶも
    実は美弥子に2股かけられてた。
    というオチかと思ってましたが、
    全然違った。。

    確かにめっちゃ違和感のある伏線が
    イッパイあったよな。。

  • 私はだいたい面白いなぁと思った本もときが経つとほとんど覚えていないのだが、このイニシエーションラブに関しては2年近く前に読み終えたにも関わらず覚えていた。
    A面とB面でたっくんの性格の違いであったり、どこかしら違和感を持ちながら読むも、なんとなく最後までダラダラ読むと、最後に、えーっ‼︎?
    全ての違和感が1つにまとまる瞬間が訪れます。色んなことを全て計算した上で作られた作品の中。なるほど、叙述小説を探そうと思うと必ず名が出る名作。
    映像化もどうやって作るのか楽しみにしていたが、なるほど上手にできている。小説も映画も両方楽しめる稀な作品。

    • hs19501112さん
      叙述トリックものは好きではないため、(自分の本棚のレビューでは)低評価としていますが・・・読後の衝撃度と、作者の技法に感動したのは本物でした...
      叙述トリックものは好きではないため、(自分の本棚のレビューでは)低評価としていますが・・・読後の衝撃度と、作者の技法に感動したのは本物でした。

      コメントありがとうございます。
      絵本・・・これは名作だ!!!と思えるもの、たまにありますよね。

      いもとようこ「しゅくだい」なんかも大好きです。

      子供に読み聞かせるために図書館で借りたのだけど、大人(自分も妻も)も大好きになったために、即日わざわざ書店へ走りました。
      2017/10/26
  • 王様のブランチでUVERworldのTAKUYA∞が「二度読みたくなる本」として紹介していたので、読んでみました。

    ありがちな話が淡々と進み…。
    きっと最後にどんでん返しがあるんだろうなと思いながら読みました。

    最後の2ページで「あれ?そうだっけ?」と思ったけど、そのまま読み進め、ラスト二行で「え??」意味わかりませんでした。

    他の方のレビューを見て初めて理解できました;

    しばらくしてじわじわと面白さがからだじゅうにひろがってきました。

    これから二度目に入ります。
    ネタバレに触れるのは絶対避けてください!

  • 読み終わって頭が???ポカンとしちゃう感じ。
    マユとの知らないエピソードだ・・・名前が違う・・・

    なんでたっくんとマユは土日に会わないのかな~?って思ってた。
    そういう事だったのか(ネットでいろいろ調べてみました)
    騙された~~~素直に読んじゃったよ。

    夕樹をたっくんなんて呼ぶようにしたマユの策略(なのか?)
    どのみち、辰也も同じじゃん。マユの方が一枚上手だけど。
    石丸さんは好きじゃないな。

  • ネタバレ解説サイトが面白かったです。

  • 最後の1ページを読み終えた後、びっくりしすぎてイスから転げ落ちて後頭部を床に強打した。

  • 1980年代の恋愛の話…と思ってたら騙された!昭和の歌謡曲のタイトルが章のタイトルになってるのだけど、その中の「木綿のハンカチーフ」に引きずられてしまった…。鈴木くん、都会に行って染まってしまったなーって。読み終わった後、頭の中が混乱してたので、ネタバレサイトで答え合わせしました。なんだかんだ面白い小説でした。

  • とても面白かった。
    どんでん返しの凄い小説であるという前評判の
    真偽を知るべく読んだが、震えた。
    最後の2行で本当に全てがくつがえる
    奇妙で愉快な傑作だった。

  • 題名は知ってたけど、こんなに以前の小説とは知らなかったので、ディテールの古さに一番気を取られてしまった。
    読みながらサイドAとサイドBの鈴木が同一人物とは思えなかった。時系列もなんだか分かりづらく、なんだか違和感だらけ。
    まさかミステリーだったなんて。道理で何かおかしいと思った。
    知ってたらもう少し注意深く読んでたのに………。
    夕樹の恋愛イニシエーションだね。
    次の恋愛では、夕樹に合う人に出会ってほしい。

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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