- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562038558
感想・レビュー・書評
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島田荘司さんが生み出した名探偵・御手洗潔と誰もが知るシャーロック・ホームズを題材にしたパスティーシュ小説。
書籍のタイトルどおりの対決は書き下ろしの中編「巨人幻想」で、ホームズ、御手洗ともに2編ずつの短編を収録。
ホームズの作品は小学生の頃から読んでいますが、独特の文体というか翻訳時のクセがあるんですよね。あれがちょっと苦手なんですが、慣れ親しんだホームズとワトスンなので、物語への没入はしやすいですね。
個人的には短編は御手洗潔の2編の方がお気に入り。「シリウスの雫」は「御手洗潔パロディ・サイト事件」に収録されていた作品なので既読なんですが、提示される巨石建造物の謎を鮮やかに解き、現れる景色が印象的です。
御手洗潔とシャーロック・ホームズの時空を超えた対決は古典作品っぽい巨人の怪奇現象とトリックで楽しく読むことができますが、それよりも読み終えた後に収録されている御手洗潔生みの親の島田荘司さんの解説「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」に爆笑。
なかなか楽しい作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
柄刀一による、パロディ本。
御手洗の短編2作と、ホームズの短編2作、御手洗とホームズ夢の共演が1作。
何の説明もなくホームズとワトソンが日本に現れてるところに最初は違和感がすごかったけど、読んでいるうちに、こまけぇことはいいんだよ!という気持ちになりました。ノックス探偵社とか小ネタにふふっとなった。
「青の広間の御手洗」の板倉父は権威で人を値踏みするような、御手洗が一番嫌悪するようなキャラだろうに、柄刀さんの描く御手洗は本家よりもかなり優しいなと思った。
最後は島田荘司寄稿による、ワトソンと石岡君の往復書簡。
お前ら喧嘩すんな(笑)
御手洗対ホームズってなんやねん…と思って怪しげだから読まずにいた一冊ですが、それなりに楽しめました。プロの二次創作ってすごいな。 -
今までこんな作品がある事を知らなかったので今読まなくてどうする!と早速読みました。笑
ホームズと日本のホームズとして名高い御手洗潔がコラボです。
「巨人幻想」はかなり面白かった。
両方が好きなら本家と比べて云々ではなくて普通にパロディとして楽しめると思います。
ワトソンvs石岡君の「うちの相方の方がすごいんだぞ」対決が面白すぎました。(これは島田先生が書いてます)
ホームズも御手洗も大好きな私には嬉しい限りの作品でした。 -
(収録作品)青の広間の御手洗/シリウスの雫/緋色の紛糾/ボヘミアンの秋分/巨人幻想
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恐るべし柄刀一!
文体も内容もキャラ造形も、まるで島田本人が書いたかのような出来ばえ。
傑作。島田ファンは必見。読んで損なし。面白い。巻末の解説で島田荘司も保証ずみ。
全5編。
1、ノーベル賞授賞式に列席する御手洗-石岡コンビ。脳科学による友人・板倉への熱き友情。
2、同コンビ物。イングランドにある巨石遺跡の逆さ階段を歩く妖精と老人の逆さ死体の謎。
3、ホームズ-ワトスン物。ある研究所での拳銃による密室殺人。緋色の文字の謎。
4、スペイン大使の密命とからくり時計の死体。ホームズへの挑戦。凶器隠滅のトリック。
5、演繹的推理法の御手洗と帰納的推理法のホームズのコラボレーション。両ファン必見の推理合戦。石岡とワトスンの心理戦(笑)。…霧の中の巨人の出現。少年失踪。池の中の人面。屋根の上の死体。足跡の遺跡の謎。トリックの奇想。名探偵同士のこれでもかの真相の解明。ぜひとも映像化してほしい。
時間のないかたは本編「巨人幻想」だけでも読まれることをオススメします。 -
御手洗潔とシャーロック・ホームズのパスティーシュ短編集。いや、別に「対決」させなくっても、と思うのは私だけなのでしょうか(笑)。
一番見事なのはやはり両者が対決(協力?)する「巨人幻想」。事件の派手さ、きっちりと納得のいくトリック、普通に「御手洗もの」を読んでいる気がしました(ホームズについては未読なのでなんともいえないけど……)。御手洗ファンが読んでも怒り出すようなことはないかなあ。 -
『青の広間の御手洗』
ノーベル賞授賞パーティーに招かれた御手洗。友人の治療のための芝居。
『シリウスの雫』
逆さに歩く妖精を見た石岡君。発見された紫のペンキをかけられた死体。
『緋色の紛糾』
横浜に現れたホームズ。ある事件の調査のため筋肉の収縮を調べていた科学者の死。密室状態と「玉」のダイイング・メッセージ。電極の秘密。
『ボヘミアの秋分』
『巨人幻想』
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御手洗モノは、ちょっと前の御手洗短編という印象を受けた。
まあつまり、作者による御手洗賛美短編というか。
ホームズモノの方はなかなか面白い。
お互いの競演は最高だった。
推理合戦をするところなんか背筋ぞくぞく。
謎とトリックも、この作者の魅力に違わない怪奇な謎がちゃんと解かれていて好印象。
あと、あとがきのワトソンと石岡君の丁寧な喧嘩がとても良い。 -
ミステリ好きには有名なシャーロック・ホームズ、御手洗潔の2人が競演するパスティーシュ作品です。
ホームズと御手洗の特徴をよく把握していると思います。
当たり前ですが、ドイルや島田先生には及びませんがそれでも楽しめる作品に仕上がっています。