- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562039838
作品紹介・あらすじ
憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬ何かに尾けられる巫女-。そして「僕」が遭遇した、恐るべき怪死を遂げてゆく人々と謎の数々…。奇才が放つ、ミステリーとホラーの禍々しい結晶、ついに昇華。
感想・レビュー・書評
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閉鎖的な村、奇妙な民間信仰、仰々しい村や人の名前…と横溝正史的な雰囲気があふれていて、手にとったとき、ワクワクしました。(以下ネタバレ感想)
「カカシ様」という神を信仰する村。そこは不思議な神隠しがおこり、恐ろしい体験をする人々がいた。
代々同じ読みの名前を受け継ぐ双子の巫女のいる一族がそれを奉り、憑き物落としを生業としている。
と同時にその一族は「憑き物筋」であり、畏怖の念を人々に持たれていた。
そこに怪奇小説作家・刀城言耶が伝承を聞くために訪れる。
滞在する村で自殺とも、他殺とも、祟りともとれる事件が起こり、刀城はその調査も兼ねて、この村の成り立ちを探って行く…
思い出したのは横溝作品以外には、山岸涼子の短編「時じく香の木の実」やゲームの「零」シリーズ。大好きな雰囲気です。
…でも、とても時間がかかりました。人間関係やまず、読み方を忘れる!人も村の名も(汗)初めのページの人物関係図をいちいちめくって見てましたが、面倒になり、コピーして横に置いて見てました(笑)
後は勝手に脳内キャスティング!〜の若い頃、とか時を越えたキャスティングです。ちなみに紗霧はくつなしおり(漢字思い出せず)さん、刀城言耶は西島秀俊さんで想像して読みました。
最後はくるくると変わり、まるで、意地悪なクイズ出題者みたいな感じ?
問題〜(ピンポーン)…ですがぁ〜問題続く…みたいな感じ)でした。そして最後の最後が…
このスッキリしない感じがみなさんがおっしゃってた感じなのね、と納得しました。作中で刀城言耶が、不思議な出来事を信じ込んで恐れるすぎるのもいけないが、頭から否定してしまうのも傲慢だ(正確な引用ではありません。どこに書いてあったかな?)、というようなことを言ってましたが、まさにそれを感じるエンディングでした。
久々に時間がかかる本に出会いました。シリーズをよんでみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
怪奇幻想作家・刀城言耶が民間伝承蒐集のために訪れた村で、連続怪死事件に巻き込まれる。シリーズ1作目。
神隠しのように子どもが消える村、憑き物筋の旧家、そして美しい双子の巫女。こういう時代がかったおどろおどろしい雰囲気や、蛇と神の民俗学的解釈は興味深くて好き。
探偵役の言耶自身が謎解きをしながら、考えをまとめていくため、終盤数十ページで二転三転。最終的にもやもやする部分もあるけれど、どこか含みを持たせたラストはホラー的恐さを煽る。
ただ、屋敷内の構造や村内の位置関係が分かりにくく、しかもそれが事件に関わってくるため、見取図が欲しかったかな、と。 -
「幽女~」を買う前に時間があったので再読。
ホラー+ミステリ、どちらかというとホラー色強め。
横溝正史のような、京極夏彦のような、どちらにしても私の趣味ドストライク。
どんなに読みにくくても、地図がなくて混乱しても(方向音痴)、大好きな本です。
うん、でもやっぱり地図が欲しかったなぁ、と思います。
文庫版には載っているのかな。 -
ホラー系、ウンチク系、本格系ミステリー。地図が無いので方向音痴には辛い
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視点の描写、設定練りこまれとる。
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民族学に精通するライター刀城言耶が、因習に縛られる山奥の村の怪奇現象や殺人事件を解き明かすというストーリー。
憑き物筋で「黒」扱いされている家系とそれより上位とされ神事を執り行う「白」とされている家系に取り巻く因縁、「巫女」と「憑坐」となる双子など、あまり読まないジャンルであったが、時々盛り込まれる民族学に関する説明が詳しく、興味深く読めた。
同じシリーズはぜひ読んでみたい。
物語は刀城言耶の取材メモによる刀城目線、憑坐となっている「黒」の家の少女沙霧視点の日記、沙霧に恋心を抱く「白」の家の青年漣三郎視点の記述録、そして刀城による「神」の視点という複数の視点が交差するストーリーのため、時系列がやや交錯している。
私は推理せずにさらっと読むタイプなのだが、この作品は見取図などを書いてじっくり読んだ方が楽しめそうだった。 -
20190414 読了
3.6評価で四捨五入☆4つ
刀城言耶シリーズ①
覚書
黒:谺呀治家 白:神櫛家
九供儀礼 山神様 カカシ様
さぎり 黒子 刀城言弥
メモ取りながら時間をかけて読了。
世界観は好み。相関図の他に地図が欲しかった。
色々な意味で、ややこしさが売り?
シリーズ第一作なので、今後の刀城言弥に期待。 -
ミステリーとホラーの禍々しい結晶。刀城言耶シリーズの1作目。
怪奇幻想作家の彼が向かうのは山深くにある村。そこでは古くから恐ろしげな因習があり、憑き物を祓う巫女と憑座(よりまし)が存在した。
村のあちこちに山神様を模したものがあった。かつて起きた神隠し、これから起きる惨劇…この村には一体“何”がいるというのか…?
金田一シリーズを彷彿とさせるような雰囲気があります。じめっとした日本のいわゆる怪談とミステリーの融合、
好きな人はわくわくしますね。沢山ある続編を読むのも楽しみです。
著者プロフィール
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