魔夢十夜 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 28
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562040193

作品紹介・あらすじ

ルームメイトから頼みを受けた丹崎惠が自殺した女子生徒の足跡を調べるうち、学内にカルトめいた集団があり、自殺した女性がそれに関わっていたらしいことを知る。それが引き金であったかのように事件は始まる。学校近くのホテルで生徒が変死体で発見され、さらにふたりの女子生徒が何者かに突き落とされたのだ。しかも死体は二重に折り重なっていた。いったい学院ではなにが起こっているのか。俊英が真正面から挑む渾身長編。

感想・レビュー・書評

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  • なんか読みににくくて、挫折

  • 丹崎恵の通う慈久学院はかつてはミッションスクールで全寮制の女子高だった。
    通学に往復三時間かかる恵は寮に入ることにするが、ルームメイトになった藍野望から先日自殺した藤堂千津香についてある調査を依頼される。
    千津香について調べるうち、学院内にあるカルトめいた集団があり彼女がそれに関わっていたらしいことを知る。
    やがて事態は思わぬ方向へ進み、絡めとられるように恵もその集団に関わってしまいそして事件は起きた。
    学院の近くのホテルで女生徒の変死体が見つかり、さらにふたりの女生徒が何者かに突き落とされたのだ。その遺体は奇妙なことに二つ重なっていた。
    一体学院内では何が起こっているのか?

    はじめての作家さんです。
    「女子高」「礼拝堂」「秘密組織」ときたらこれしかないでしょう、の展開にはちょっと笑ってしまいましたが、推理部分はしっかり本格で、そのロジックには驚かされました。
    数々の暗号の解読や易についての薀蓄にもかなり力が入っていましたし(でも斜め読みしてしまいましたが)。
    全体的にとても楽しんで読みました。

    が、時折挿入される古代エジプトの邪神についてのエピソードがちょっと邪魔。
    どう絡んでくるのかわくわくしていたのに、これだけ?といった感じで、べつに無くても話は通じるのでは・・・。
    でもこれが持ち味なのでしょうか?他の作品を読んでいないのでわかりませんが。
    ある意味バカミス?な一冊でした。

  • 厚みのあるミステリ。寮のある学校内で起こる連続殺人。ほとんどの舞台が学内で起こる。主人公含め、どうやら作者の別の複数の作品から引き続いているキャラが数人いるようで、軽く語られるだけになってしまっている背景が残念だった。大筋がその前作に関わっているようなので、ある部分だけを見ると、前作を読まないと把握できない所がある。暗号やトリックに関しては、幅広い知識を使用したものとなっていて、楽しめた。追い詰められた犯人が、犯行の全貌をスラスラ話してしまうのは、この著者の作風なのだろうか。人間模様でのミステリよりも、トリックの秀逸さに魅力を感じる人に合うと思う。

  • 好きなライトノベル小説の作家が、自分の通う高校の文芸部員だと気付き、入部した『恵』。折しも、寮で自殺した生徒に関することを頼まれ調べていると、不思議な暗号を見つける。どうやら秘密のサークルにかかわっていたらしいと、暗号の解読を始めた『恵』の周りで、立て続けに殺人事件が起こる。


    暗号やトリック、オカルト組織に、古代エジプト神の邪悪な力などなど、いろいろな要素が織り交ざっています。う~ん、やっぱり盛り込みすぎな気が・・邪神の力に含みを持たせるラストもちと弱い感じで。

    それと、テンポが良くない。特に会話シーンに違和感を感じる。特殊な雰囲気と個性を出そうというのはわかるんだけど、なじめなかった。

    ようは、好みじゃなかったです。

  • ストーリーとしてはあやふやな謎めいた部分が残るけれど、謎解きについてはまったくきっちりと綺麗な本格。これ、順を追って考えたらきちんと分かったじゃないか! 伏線にはかなり気づきやすいと思いますよ。暗号がいろいろ出てくるのも、楽しいです。……なかなか解けなかったのだけれど。
    驚愕で絶句したのが「重なった墜死体の理由」。これは……思いもよらなかった! こんなのを思いつく人って、かなり鬼畜ですね(苦笑)。でもこのとんでもない発想は凄いよ~。ものすごいインパクト。

  • 密室あり、暗号あり、魔術あり・・・てんこもりの一冊。しかしおもしろく読めた。暗号があまりにも簡単に解けた時はちょっと無理矢理だな〜とは思ったりしたけど、ま、おもしろかったからいいや。

  • 2006/06/01読了

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著者プロフィール

大阪府生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1994年、『コミケ殺人事件』でデビュー。『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論研究部門受賞。『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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