マッキンダーの地政学ーデモクラシーの理想と現実

制作 : Halford John Mackinder  曽村 保信 
  • 原書房
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本棚登録 : 338
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562041824

作品紹介・あらすじ

国際関係を常に動態力学的に把握しようとする"ハートランドの戦略論"の全貌。地政学の祖マッキンダーの幻の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 地政学中興の祖マッキンダーの主著。元々彼は地理学の専門家で、彼の理論にしても地理と歴史を統一的に教える教育者の立場から生まれたものだった。彼は演説の名手で、彼が壇上に立って説明すると、ズブの素人でも頭の中にリアルに対象の姿が飛び込んできて、しかもその後でそのテーマについて一人で想像をめぐらし、理解を深めるように仕向けることができたらしい。

    もっとも、この本を現代人がちょろっと読んでそうなれるかというと別問題で、当然100年後の現在とは世界情勢も世相も違うし、地理にもそれなりに詳しい必要がある。ただ、基本的なポイントは比較的シンプルで、マハンが広めたシーパワーの概念に対し、ランドパワーを対となる概念として持ち込んだこと。そして歴史的なシーパワーの基地の概念をうまくモデル化し、時代が下るにつれてそのモデルが拡大を続け、最後には世界大となることで、ランドパワーが唯一のシーパワーになり変わる、という風に単純化できる。

    よく飛行機発明前の説なので、現在は時代遅れと勘違いしている人がいるが、シーパワー、ランドパワーというのは戦争(軍)といった狭い範囲の短いタイムスパンの話ではなく、産業、文化すべてをひっくるめた話なので注意が必要。現在、戦争の新しい舞台として宇宙、電子空間が重視されつつあるが、いましばらくは物理的な制約のせいでマッキンダーのモデルがが有効かと思われる。

    この本が書かれた第一次世界大戦前は、ランドパワーのドイツがシーパワーのイギリスと正面衝突しようとしつつある時期で、構図としては中国がシーパワーの日本、アメリカを挑発し続けている現在とよく似ており、極めて重要性が高い本だと言える。地政学の論点はほぼこの一冊で論じつくされていると言え、あとは時代に合わせた細部の話に過ぎない。

    本書は長らく幻の名著と言われ、80年代半ばに和訳が出るまでは、地政学と銘打った書でもすべて孫引きばかりという状態だった。その後ほどなく和訳も絶版になったが、近年の地政学ブームで復活。タイトルも原題に忠実な『デモクラシーの理想と現実』から、キャッチーな『マッキンダーの地政学』に変更された。

  • シーパワーと戦争。切っても切れないものなのですね。

  • ハートランド=中欧から中東まで

    世界海
    という視点で読み解く地政学。
    イギリス人の頭の中には地球儀が入っている、そうな。

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    国際関係を把握する<ハートランドの戦略論>の全貌が書かれている名著。

  • 私の頭が悪いかも

  • 高みからの視点、帝王学。軍幹部の座学はこのようなものだろうか。詳細なところは斜め読みになってしまったが、エッセンスは感じられたかもしれない。

  • 言わずと知れた地政学のバイブル。ハートランドを制する者は、世界島を制する。世界島を制する者は、世界を制する。これを真に受けたソ連という国がかつて存在した。その後の彼の国の命運は周知のとおり。ともあれ全ページ金言に溢れ、大国の世界戦略を知る上で大変参考になる本。

  • 第1章 われわれの前途によせて
    第2章 社会の大勢
    第3章 船乗りの世界像
    第4章 内陸の人間の世界像
    第5章 さまざまな帝国の興亡
    第6章 諸国民の自由
    第7章 人類一般の自由

  • 地政学の古典。名著。地政学に興味を持ってから、色々と入門書を読んだけど、結局マッキンダーが一番分かりやすく面白かった。
    ギリシアの半島支配と、マケドニアの侵攻、ヨーロッパ半島、アフリカ半島とスエズ運河、そして”世界半島”とハートランドなど、地理的な要因を軸に過去の歴史の類型を解説していくのがすごく読み応えがあった。

    ランドパワーvsシーパワーといった運命論を語ってるのかと思ったら、そんなことはなく徹頭徹尾地理的要因から歴史を語っており説得力があった。

    地球儀片手に読みたい本。

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