ひそやかな初夏の夜の (ライムブックス)

  • 原書房
3.74
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本棚登録 : 130
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562043095

感想・レビュー・書評

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  • 壁の花シリーズ1作目。
    後の作品を読んでいて、気になるので第一作にさかのぼりました。

    19世紀半ばのロンドン。
    社交界に出てはいるものの、結婚相手してとしては難があるため、ダンスパーティーでは壁の花になってしまう4人の若い女性。
    アナベルは、貴族で美人だけど、家が窮乏している。赤毛のエヴィーは、裕福だが家柄は普通で、極端に内気すぎる。リリアンとデイジーのアメリカ人姉妹は富豪だけどもちろん貴族ではなく、英国上流社会のしきたりも知らない。
    4人はふとしたことから仲良くなり、互いの夫探しに協力することになります。
    ロマンス物のお約束の展開はもちろんありますが~
    4人の個性がかなりはっきりしているのと、19世紀半ばの事情をリアルに取り入れている長めの作品なので、苦味も含めた味わいで、波乱の多い内容になっています。

    一番年上で24歳のアナベル・ペイトンが年齢的にも最後のチャンスなので、まずアナベルの結婚を実らせようという話に。
    ウェストクリフ伯爵邸での3週間にわたる狩猟パーティーに加わり、独身のケンダル卿に近づいて、シーズンの最後には強引に結婚話まで持っていこうと4人で計画します。
    一番美人のアナベルですが、父の死後に家計は窮迫していて、弟を学校に行かせ続けられるかも不安な状況。母は好きでもないある男性から援助を受けているらしいのがアナベルの心を重くしていました。

    そんなとき、サイモン・ハントと再会。
    肉屋の長男ですが、先見の明があり、今は実業家として一本立ちしています。
    2年前にふとした出会いで、アナベルはキスされたことがありました。
    サイモンはアナベルがとっくに結婚したと思い込んでいましたが、その後もずっと想っていた様子。

    名家の出のアナベルは、貴族と結婚する以外考えられない。
    当時の貴族女性としてそれは普通の価値観なのですが、産業革命で工場主などが成功し、新興の富豪が増え始めた変化の時代でもありました。
    アメリカ育ちのリリアン達の明るさに触れ、重いスカートを脱いで人目のない野原で走り回ってゲームをしたりと、アナベルの生活も変わってくる。
    気位の高かったアナベルが、いつしかサイモンを愛するように‥

    結婚のいきさつもややこしいけど、結婚した後にも波乱が‥!
    なかなか迫力のある展開です。
    結婚しようとあれこれ悩むのはジェイン・オースティンの小説と似ていますが、ジェイン・オースティンだと基本的に狭い世界の、中の上ぐらいの階級の話。
    半世紀ほど下った分の時代色が出ていて、「風とともに去りぬ」ほどドラマチックではないけど、オースティンとの中ぐらい?みたいな要素もあり~なかなか面白かったです。

  • お金のために結婚したのか愛のために結婚したのか。
    それを表現するお話しだと思うんですが、新婚旅行とか、ちょいちょいこの話いるかな?って所が多くて、ヒーローとヒロインが素敵なキャラクターではあるので、もう少し短くまとめるとか、重要なところにフォーカスしてくれたりしたら面白いかったのかな。

  • アナベルは高慢で(リリアンほどではないけど)気性が激しいのに、きれいなお姉さん感があって不思議と魅力的に見える。
    強引で常識破りなサイモンが相手だからかも。
    嫌味じゃなくお似合いの2人で、どちらか片方が違っていてもキャラクターの魅力はこんなに出なかっただろうなと思う。
    この2人しかありえない組み合わせっていいね!

  • 【再読】壁の花シリーズ1作目。この作品は私が初めて読んだリサクレイパス作品でお気に入りのシリーズ。
    平民出身のサイモンに対して高飛車な態度を取り続けるアナベルに最初はイライラだけど、あの時代貴族として生まれ育ってきた人たちはみんなそんなだったんでは?そういう偏見や俗物的な考えを改め、新しい時代の変化に順応していくアナベルの人間として成長していく姿をリサクレイパスは上手く描いてます。官能的なシーンもなかなか素敵。
    であの時代女性にとってひとりで生きていくには相当困難だったに違いないとヒス読むときいつも思う。
    そして、2年間も邪険にされ続けても、ガンガン攻めるハント君、頑張ったよね。成り上がりヒーロー最高!

  • 読書日:2017年2月22日-26日
    Original title:Secret of A Summer Night.
    Author:Lisa Kleypas.

    舞台は1843年のLondoon.
    産業革命が幕を開け、物流や階級等英国や世界の仕組みが変わり始まろうとしてる時勢です。
    貴族階級であろうともAnnabelleは、父を亡くした事により生活が困窮して行きます。
    "花の壁"と揶揄され、諦めと希望を抱いて何とか貴族階級に属せる様に3人の女性と親しくなります。

    この時代では相当はしたない格好をしながら女性同士でRoundersに戯れる姿が印象的でした。
    野球と思いましたが調べると投手が下手で投げる事から、Softballと非常に似ていると感じました。

    またAnnabelleはこのRounders騒動以降に、2年前から避けていたHuntを意識し、最終的に挙式を行うのですが。
    異なる階級なのに、彼でないとと決意し実行した彼女の行動力と自立心に敬服しました。
    この作品は続きがあるので、今後彼女がどの様に夫を支え階級を越えて行動を起こすのかが
    楽しみで仕方がありません。

  • 初ヒストリカル物を読んだ。リサ・クレイパスのコンテンポラリー作品は読んだことがあったが、思った通り、安心して最後まで読めた。最初は歴史物の堅苦しい雰囲気のイメージがあって、なじめるか不安だったが、読み始めて間もなく一気に引き込まれた。マナーや言い回しは歴史物らしく独特だが、特にホットな感じや描写はコンテンポラリーと変わらず。(笑)
    むしろそんな時代にそこまで大丈夫か?!って心配になったり。(笑)
    貴族と平民の身分の階級の差の如実さに、いまさらだけどびっくりしたが、それを乗り越えて真実の愛にたどり着くヒロインにうんうんとうなずく感じだった。ヒロインが周りの下心ばかりの男たちに屈せず貴族と結婚することにメラメラ燃えるところはなんだかコミカルでおかしかったが、母ちゃんや弟のことを思ってのことだと思うと、応援したくなるくらい、芯が強い。芯の強いヒロインにはやはり魅かれるー。ヒーローも男らしく、ヒロインに始終メロメロで一途なところがいい。頼りになるところも、なかなか。最後の火事の場面は、泣かずにいられなかった。ヒーローとヒロインがお互いへの愛情を身をもって自覚したことができてよかった。
    結婚後の話が見れると予想しなかったが、しっかり楽しめた。しかしあの時代の洋服のイメージがわからず、ちょいちょい検索することも。続きのシリーズでは、リリアンとウェストクリフ伯爵の話が見れると期待。
    続きのシリーズを買いに行かねば~☆

  • 壁の華1作目。貧乏貴族娘 * 実業家&大富豪
    ニッカボッカー”ズ”が笑える。 結婚してハッピーエンド!じゃない展開も素敵。

  • まあまあ面白いけど、再読するほどじゃないかな〜
    しかしこのシリーズは中々面白い。

  • 四部作「壁の花(ウォールフラワーズ)」シリーズ1。一人目はアナベル。ヒーローはサイモン。
    面白かった!
    壁の花共通の女友達4人で協力し合い互いの未来の夫を探すんだけど、その会話やゲームやまさに女子会のキャピキャピ感が楽しかった。
    ヒーロー目線ででも楽しくて。ヒーローが選ばれるのは最初から解っていたけど、夫候補三人の中をヒロインがウロウロするのを少し楽しんでた自分に意外w
    ラストのヒロインの告白シーンは最高にキュンキュンした!
    次の話が楽しみ!

  • 壁の花シリーズ第1作目

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