図説「愛」の歴史

制作 : 日本語版監修 樺山紘一  日本語版監修 樺山紘一  大塚 宏子 
  • 原書房
3.29
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本棚登録 : 78
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562045044

作品紹介・あらすじ

「愛」はどこへいくのか?知の巨人ジャック・アタリが語る男と女の過去・現在・未来。218におよぶ図版とともに描く21世紀の愛のゆくえ。

感想・レビュー・書評

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  • 一夫多妻のオリエントからエロティシズムの風が吹いてきて混乱。これにより西洋の近代的特質が始まる。その源泉は愛の探求にあったがあるものたちはそれを押さえつけて知識欲、芸術的野心、自己超越へむかったw
    17世紀以降はブルジョアジー対等。愛は社会的再生産のために必要になった。

    将来的には関係の期限を両者の間で前もって決めておく一時契約の結婚。複数の恋愛パートナーを同時に公然と持つ、それにより子供達は両親が代わる代わる世話をしにくる安定した場で育つ。(同性間の友情がキーだな)
    さらに将来的には生殖は機械に、性行為は欲望のみになったのちにやはり機械の仕事に。男女両性化が一般にまで広がるだろう。

    それはまず集団結婚にもどりそれから単性生殖に戻ることで人類の歴史を逆向きにたどる。おそらくいつかは他者の必要がなくなるだろう。つまりは愛の問題に決着がつく。


    もはやちょっとしたホラー。。。

  • 「サブプライム破綻」および、「世界金融危機」を前著『21世紀の歴史』で予見し、世界がその発言を注目するジャック・アタリ。

    その彼が性愛をモチーフに人類の歴史を紐解くビジュアルブック。

    この人、ハードな経済本もたくさん書いているが、本業は哲学者で彼の思想はむしろこちらのほうがわかりやすい。

    欧州を代表する知性といわれているだけあって、さすがに引き出しが多いわ。

    SEXと制度、経済と結びつけて考えるあたりはいかにもフランス人らしい。

    今から8000年くらい前は人類の寿命は30歳にとどくかとどかないかぐらいだった。

    男が生殖における自身の役割、すなわち精子の役割に気がついたのが、この頃だったとされる。

    それまでの人類はどうやら性交と生殖の具体的な仕組みを知らなかったらしい。

    だからカップルの関係は長く続かず、子供も両親と長く一緒には暮らさなかった。

    中国や中東で通貨が流通し、富が集中するようになって、ようやく文化や国家が発生した。

    寿命が延びたことで、市場が確立され、そうした環境下で男女は長期的な愛の関係を育むようになったのである。

    現在の生涯一人の配偶者を愛する一夫一婦制を広く普及させたのはキリスト教で、その影響下に今の私たち日本人はある。

    だがそれを当り前と思うなというのが本書の主旨である。

    アタリは、現代の私たちの持つ愛のイメージを徹底的に相対化する。

    キリスト教は愛に宗教的表現を与え、一夫一婦制にもとづく愛を制度化した。

    だが、このタイプの生殖と欲望と愛の関係は、人類史からみたらほんのわずかな時期の、一部の人たちの習慣にすぎないという。

    もっと自由な愛の形のバリエーション(生殖と欲望と愛の分離)があったし、今後も起きるはずだ、と。

    アタリ曰く、遠い将来には、根源に帰るかのように、新たな形の人間関係が生まれ、結婚という制度そのものが形骸化することもありうるという。

    読んでいるうちに感じたのだが、ジャック・アタリって人、もしかしたらバイセクシャルじゃないかってこと。

    結婚という制度に懐疑的で、自由にパートナーを変えて快楽的にすごすというライフスタイルはいかにもゲイ的だからだ。

  • [ 内容 ]
    「愛」はどこへいくのか?
    知の巨人ジャック・アタリが語る男と女の過去・現在・未来。
    218におよぶ図版とともに描く21世紀の愛のゆくえ。

    [ 目次 ]
    第1章 動物の愛
    第2章 愛のはじまり
    第3章 一妻多夫
    第4章 一夫多妻
    第5章 一夫一婦制の発明
    第6章 ヨーロッパにおける愛の誕生―11世紀‐15世紀
    第7章 愛の賛美―15世紀‐18世紀
    第8章 結婚の終焉―19世紀‐20世紀
    未来

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 資料番号:011120904
    請求記号:384.7ア

  • 帯文:"「愛」はどこへいくのか?" "血の巨人ジャック・アタリが語る男と女の過去・現在・未来" "218におよぶ図版とともに描く21世紀の愛のゆくえ"

    目次:はじめに、第1章 動物の愛、第2章 愛のはじまり、第3章 一妻多夫、第4章 一夫多妻、第5章 一夫一婦制の発明、第6章 ヨーロッパにおける愛の誕生 11世紀-15世紀、第7章 愛の賛美 15世紀-18世紀、第8章 結婚の終焉 19世紀-20世紀、未来、…他

  • ロマンチックな文章と、ふんだんに配された図説がとても読みやすい。一読した後には、太古の昔から現在、未来まで壮大な旅を終えた心持になる。

  • 経済学者の書いた本なので、データをかき集めた論文みたいで、小説やドキュメンタリー感覚で読み始めてしまった私は、読み進めるのに非常に苦労しました。21世紀になった現在でも世界人口の1/3は一夫多妻制らしいです。キリスト教は結婚してても性は禁忌だったのか〜とか読んで知る事実には勿論面白い内容もありましたが、如何せん文章がカサカサしていた。

  • ジャック・アタリ何者!?というのが最初の感想。金融とかの話ししてたと思ったら、これですか。広い。深い。エロい。の3拍子が揃ってます。

    まずは人類以前からのSEXについて。単性生殖とか、有性生殖とか、サルのとか。生物でやったな~って内容から、時間や回数まで事細かに説明してあるような内容まで。不思議だよな。なんで男女であって、3対じゃないんだろな、とか、昔小説書くときに題材にしようかと思った疑問がそのまま載ってて、先を越された無念が(笑)

    次に有史以来の人間のSEXについて。いやはや。いろいろありますな。乱婚、一妻多夫、一夫多妻、そして一夫一妻制度。それだけじゃなくゲイであることが奨励される社会とかが紹介されてます。古代ギリシャも少年愛過ごカットは言え、うわわわわ。。。女系社会で、男は昼間働かずにのらりくらりしていて、夜に猛々しくなればいいっていう社会が紹介されてるのですが、なんとまぁ、ユートピアのような(失礼)。

    もちろん、善悪のジャッジを下しているわけではなく、社会的背景なども考察しています。そして、カトリックの性を抑圧する様子もちゃんと描写されている。

    ただ、一番興味深いのはこれからどうなるかの予想。『男も女も、それぞれの性がどのようなものなか、異性が何を期待しているのか分からなくなっており、一種の集団的男女両性具有が始まっている。そうした中で、やがてそれぞれは自分しか愛さなくなるのかもしれない』といった記述や、人間付き合いがネットワーク化していく中で、結婚関係もネットワークのようになり、Netloving(ネットで出会う、というわけではなく)が普通になるかもしれない、という指摘も。なんかこう、流れとしては理解できるのだけれども、感情的には受け付けがたい。。。

    一番気に入ったフレーズは、ラテン語のこれ。"Invitus Invitam dimisit" 『彼の意に反して、彼女の意に反して、彼は彼女から去った』。ラテン語響かっこいいなぁ。

  • 回送先:府中市立西府図書館

    経済学者による「愛」の歴史書とお考えになるのは早計かと。実際には著述家による「愛の(変遷の)歴史」整理版というのがざっくりした印象とも言える。

    無論、悪い意味ではない。さまざまなカップル(カップル自体が対であることそのものも本書ではちゃぶ台返しのようにひっくり返す)の形成様式が経済や従属関係の中でどのように構築されていき、そして宗教――とりわけキリスト教――はどのようにして振り回されたのかについても描かれている。

    ただ
    エロティシズムをめぐる部分を浅めに切り取っているところだけは正直いただけないのだが。

  • 人間の性行動、生殖と結婚に関する社会的制度や愛の認識について書かれた本。<br />返却期限が迫ってきたので、2章まで読了で返却。

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著者プロフィール

1943年11月1日アルジェー生まれ。フランスを代表する知識人。81年〜91年大統領補佐官、欧州復興開発銀行総裁も努める。

「2001年 『反グローバリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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