- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562045143
作品紹介・あらすじ
人類の終わりなき闘いの歴史。原始・呪術から現代まで。
感想・レビュー・書評
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サイエンス
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ルチャーノ・ステルペローネ『医学の歴史』原書房、読了。先史時代から現代まで--本書は医学の歴史を科学の歴史としてではなく文化史として概観する一冊。著者は病理学者にして医学史の権威。原始以来、医療にとって常に関わりを持っていたのは「神」(あるいは悪魔)であるとの指摘には瞠目した。
「21世紀の医学によって達成するであろうなんらかの、驚くべきものかもしれない進歩が、「ヒトと人間の尊厳」(の関係)を見失わないことを願うばかりである。すなわち、「進歩」が、たとえ不本意だとしても、人間性そのものにとって害悪をもたらさないことを望むのである」。
近代以降、確かに「神」は姿を消す。しかし神が創造した人間は、次々と新しい病気の挑戦への応答が常に要求されている。宗教的インスピレーションと医療や科学の混同は不要だが、その敬虔な態度は、現代こそ必要なのではあるまいか、読了後、そう思う。 -
三葛館医学 490.2||ST
対象が専門家ではなく、一般人向けに書かれているため非常に読みやすい。
古代ギリシア時代についても書かれていますので、ぜひ読んでみてください。
「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスが医学を迷信や呪術から切り離し、臨床の観察と経験を重んじる科学的医学の基礎を築いたとされるのがこの時代だなんて驚きです。
和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=56027 -
現代でこそ外科的にも内科的にも高度な医療を受けることができるが、今の医療技術の起源はどこにあるのか?過去にはどうのよう医療が行われていたのか?そのような疑問に答えてくれる書籍。
病気の原因が分からなかった時代には病気は悪霊がもたらすものとの概念が一般的だった。しかしそんな時代でも脳の減圧を目的にした開頭手術が行われていた形跡があることには驚かされた。また現代のように薬物を化学合成できない時代にも、薬草などを使った薬物療法が一定の効果を上げており、科学が普及する以前から経験則に基づく医療が発達してきた事がよく分かった。
しかし、内科的治療に比べて外科的治療が本格的に発展してきたのは最近の事で、衛生観念の普及と抗生剤の発見、麻酔技術と解剖学の進化、輸血や血管吻合の技術が確立されて初めて現代のような高度のオペが可能となっており、20世紀以前は長らく外科医の地位は低く置かれていた事など意外な事実も多く記載されていてとても読み応えがある1冊だった。 -
医学の歴史を、古代から現代まで通説的に綴った一冊。医学といても一般向け図書で、素人にも概ね読みやすい。やや中盤くらいで羅列的な一本調子になるけど、医にまつわる人々の漸進の軌跡を、哲学的な基礎の元に記述しており好感が持てた。こういう分野の本は専門書にはあるだろうが、広く大衆向けの一般書としては少ないかもしれない。
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表紙の解剖図のつぶらな瞳(?)に惹かれて図書館で借りてきました。
18世紀くらいからの医学の進歩には目覚しいものがある反面、痔とか水虫とかそういうのには古代から悩まされ続けてるのだなーと面白く読みました。読みやすかった。